「次世代の顎関節症治療を考える会」

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この会は、東京医科歯科大学の顎関節治療部で研究・研修した歯科医師有志が組織しているスタディー・グループが立ち上げました。

顎関節治療部は、木野孔司准教授をリーダーとして、顎関節の悩みを抱える患者さんが年間2000人以上来院する世界一の顎関節症治療機関です。

豊富なデータ解析を元に、画期的な顎関節症治療を行っていますが、忙しいために、ユックリと患者さんのお話を聴いたり、よりよい治療と判っていても時間の掛かる治療までは出来ない状態です。

そこで、このスタディー・グループが、自分たちの研究結果から、より理想に近い顎関節症治療を展開することになりました。

また、画期的な顎関節症治療を、患者さんだけでなく医療担当者にも知っていただく広報活動もはじめました。

木野孔司東京医科歯科大学准教授のあいさつ

「次世代の顎関節症治療を考える会」では、これまでの顎関節症に対する考えとは全く異なる考え方から治療を行っています。それについてご説明します。

 今まで、かみ合わせの悪いことが顎関節症の原因であると考えられてきました。

しかしもしかみ合わせの悪さが唯一の原因であったらなば、昔、歯科医が少ししかいなかった時代には顎関節症患者があふれていなければなりませんが、そのような記録はどこにもありません。

また現在でも、発展途上国で歯科医が少なく、むし歯や歯が抜けたまま放置されている国民が多数いる所がいくらもあります。

そのような国でも顎関節症患者が多いという報告はありません。このように、かみ合わせの悪さが唯一の原因だと言うのは無理があるということがお分かりになると思います。

 では、何が原因なのでしょうか。世界的には、顎関節症の原因は多数あり、それらが複雑に関係しあうことで症状が出ると考えられています。かみ合わせの悪さも、そのように幾つかある原因の一つに過ぎないと考えられています。

 私たちも、この考えに賛成しています。

しかし、東京医科歯科大学顎関節治療部には、年間2000人以上という世界一の数の、顎関節で悩まれる患者さんが来院されています。

豊富な臨床経験から、いくつもある原因の中でも、ある癖(TCH)が、大半の患者さんの症状に大きく関係していると考えており、この癖をお持ちなら、この癖の修正トレーニング治療を行います。

また、より早く改善させるために、関節や筋肉に対するもっと積極的なリハビリトレーニング治療を行っています。

 これまでに、一般的に顎関節治療として行われてきたことは、痛みがあれば鎮痛薬、かみ合わせが悪ければ歯を削って調整したり、理想的なかみ合わせを作成したマウスピースを入れて症状が改善するのを待つという治療でした。

ここで一つ申し上げたいことは、顎関節症の症状が消えていないのに、症状をなくすための目的で、矯正やかぶせ物治療を受けてはいけません。これだけは守ってください。

 大学病院では、多くの患者さんを治療しています。したがって、どうしても一人の患者さんに掛ける治療時間が制限されます。

「次世代の顎関節症治療を考える会」では、十分な時間を取り、理想に近い治療を展開してゆく目的で結成されました。

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