義歯の違和感と金属アレルギー問題

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河邊臨床教室 『MI時代の下67欠損補綴』から

第95回 河邊臨床教室 定例講演会が6月20日、東京歯科大学の水道橋校舎2階の血脇ホールで開かれた。

今回のテーマは『MI時代の下顎67欠損補綴』についての考察。

患者さんに良質な歯科医療を提供するために、はじめての補綴はどうすべきか、を討論した。

また、患者の立場から、河邊臨床教室事務局の遠山誠一さん(アイズ・インターナショナル会長)が以下の話をした。

 

河邊清治先生の話から、義歯の口腔内の違和感は金属によって大きく異なることを知った。  私は小学校のときに下顎の7 番がむし歯で痛い思いをした。

そのときの治療は当時のサンプラ冠という冠を被せて終わったが、その後、時を経て穴が開いて失敗して抜歯をされた。

隣の6番はむし歯でインレーを入れたが、歯が歯折し抜歯をされた。

下顎の6・7 番が欠損してしまった。

その後、河邊先生に診ていただくことになり、当時、石福金属興業と河邊先生、東京歯科大学の金竹哲也先生によって開発された白金加金を用いて、鋳造クラスプ義歯を作って装着した。

これは自分の歯と同様で全然違和感がなく使用していた。

しばらくして新しい人工歯が製造され、歯科技工士の方にニッケルクロム合金で義歯を作っていただいた。

そのニッケル・クロム合金の義歯を装着してビックリした。

すごい違和感があった。

また、金属特有の味がした。

しかし、しばらくすれば自然に慣れるのではなういか、と思って我慢をして入れていた。

気持ちがイライラしたときには、その義歯を取って投げつけたくなるような違和感であった。

ところが、3か月してクラスプに付いていた天然歯が欠けてしまった。

義歯の金属は、金属によって違和感があるし、味覚に違いがあることを知った次第である。

河邊先生の一番弟子に榎本太郎先生(東京・神田駿河台)がいたが、ワイヤークラスプはステンレスかニッケルクロム線でいいと言っていたが、自分で白金加金使ったところ、あまりにも違うので驚いていた。

数年経って榎本先生が、「白金加金はすごいのだ」ということを言っていた。

石福から白金加金が発売当時、アメリカから日本大学歯学部歯科理工学の永井一夫教授が帰国し、日本歯科補綴学会で河邊先生と激しい討論をされた。

永井先生は、ステンレス合金、ニッケルクロム合金の良さを非常に論じた。

また、河邊先生は白金加金の良さを話した。

河邊先生が最後に、白金加金の良さとして弾力性、しなやかさであると話した。

永井先生は、「ここが聞きどころだよ。私の負けだ」認められて、あれほど激しい言い争いをしたのに、河邊先生と握手をした思い出がある。

愛知学院歯学部歯科理工学の長谷川二郎教授は、「臼歯部の治療には是非、金合金を使用したいものだ」と述べていた。

よく噛めるということだけではなく、噛みしめることができる、噛み合せる相手の歯を損傷させることがない。

特にその噛み合せは微妙で、その微妙な動きを確実にさせてくれることが、金合金の魅力なんだよ、と絶えず話していた。

次にアレルギーと口内炎のことであるが、異種金属について1988年ころ、金属アレルギーについて、赤羽根橋の東京都済生会中央病院皮膚科の中山秀夫先生に話を聞きに行った。

中山秀夫先生は口腔内に異種金属を入れると、貴金属は陽極となり、非貴金属は陰極になる。

水銀、ニッケル等は陰極になりよく溶け出してくると話していた。

そして、アレルギーを起こす量に達するとはじめて金属アレルギーが発症する。

昭和62年当時、10年間で発症する2811症例から診ると、金属アレルギーは800症例で、これはバカできないことだと話していた。

こういうアレルギーは一生付いて回る問題で、患者さんがとてもお気の毒と述べていた。

当時は、パッチテストは厚生省が認可していないため、中山先生は大変困っていた。

そこで、済生会中央病院皮膚科では、患者さんに薬をあげて1週間様子をみて、また再発した場合は、歯科に行かせて歯に入っている金属を全部取り除くと、見事にきれいにアレルギーが治っていく、と話していた。

私の弟が今日、会場に来ているが、長年口内炎で悩んでいた。

口腔内には、金パラとニッケル合金が約10本、3本の水銀アマルガムであった。

全部取り除き、白金加金に入れ替えたら全然口内炎ができなくなり、約1年後には完全に口内炎がなくなった。

東京医科歯科大学歯学部歯科理工学の西村文夫先生は1997年のサイエンス誌のなかで、金は人類の歴史とともに歯科材料としても古く、金を患者さんに積極的に提供することで、歯科医療の質を向上させ、合わせて歯科医療を活性化させる義務があるのではないか、と述べている。

次に義歯と食べかすについて、食後の不快感で、歯科医院で義歯を修正してもらった。

義歯のクラスプとその隣接歯牙の隙間に食塊が付着して、毎食ごとに不快になる義歯がある。

この場合は、先生に話して修正していただいた方がいい。

(河邊先生のCPデンチャーについても話したが、省略)

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