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ニュース

2009/07/16

セミナー・イベント

口腔ケアでインフルエンザの予防もできる

シンポジウム”今後の歯科医療を変えよう”

主催:NPO法人歯科医療情報推進機構

患者が期待する歯科医療油井香代子さん(ジャーナリスト)

 私は専門家ではなく、患者の立場から歯科を含め医療問題を取材してきた。高齢化社会は医療や介護をどうするかが、大きな社会問題である。高齢者医療費の増加が問題視されているが、こまでの医科中心の発想では、医療費の増加はあたりまえ、ということになる。 しかし、歯科の口腔ケア分野が、これまで以上に高齢者医療に関わることで、医療費の節減や、高齢者の健康維持、QOLを大きく改善する。 ところが、こういった事実は一般に知られていることは少ない。特に歯周病と全身疾患の関係も、歯科の分野では常識だったにもかかわらず、一般に知られるようになったのは、せいぜい数年前からだ。 患者の立場からすれば、病気が早く良くなり健康が維持できれば、歯科か医科かは関係ない。 しかし、現実は、法律等の規制で歯科では出来ない検査や救命装置など、患者の利益に反する規制が多い。必ずしも患者中心の制度や法律になっているとは言い難い。 患者の利益を第一に考えたとき、こういった壁をできるだけ取り払い、患者にとってメリットとなる制度の構築が望まれる。そのためにも、歯科医療の重要性を社会にアピールすることが大切である。 口腔ケアの大切さが一般に少し知られたのは、阪神淡路大震災のときであったと思う。被災したお年寄りたちが、口腔ケアが十分にできず、誤嚥性肺炎で亡くなり、社会問題となった。 また、現在、新型インフルエンザが世界中で問題となっているが、口腔ケアでインフルエンザの予防もできる。インフルエンザの予防は、うがいや手洗い、マスクの使用ばかりが言われているが、口腔ケアが抜けている。この点については、歯科界から情報を積極的に発信すべきである。口腔ケアの大切さをキャンペーンすべきである。 また、介護分野も口腔ケアが遅れており、介護が貧困である。高齢化はマイナスのイメージがあり、負の暗い面ばかりが問題とされている。しかし、歯科が関わることで、良い義歯を入れることで、栄養状態が改善され高齢者が元気になる。高齢者が元気であれば、悲観することはない。患者にとって、あるいは高齢者にとって利益になることは、伝えるべきである。マスコミを通じて歯科界から、一般の人に向けて歯科の情報を発信していただきたい。

<取材後記> とてもいいシンポジウムであった。しかし、会場は寂しく、スペースの半分以下の来場者でまばら。ジャーナリストの立場から、油井香代子さんが講演した。新聞、月刊誌、週刊誌等で取材執筆、テレビ、ラジオのコメンテーターも。 20年ほど前から、主に医療問題に取り組んでいる。「歯科医師、歯科衛生士の活躍の場が、もう少し広がってもいいはずである。診療報酬上でも、正当に評価されるべきである」と油井さんは理解を示していた。会場からは、「ジャーナリストと経済財政諮問会議の人たちは嫌いだ。歯科の窮状に理解を示していない。マスコミは歯科問題について歪めて書いている」旨の批判の声もあった。

医科歯科通信記者

長年にわたり歯科界の動きをチェックし、鋭い視線で切り込みます。茨城県出身。(医科歯科通信)

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