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ニュース

2009/07/14

学会・学術

効果的治療のための医療コミュニケーション知識と技能

第1回ヘルスコミュニケーション研究会から(中)

— 医療系大学等の現状および意義と役割 —

 木内貴之さん(東京大学大学院医学系研究科医療コミュニケーション学教授)は、既報のとり、東京大学大学院医学系研究科医療コミュニケーション学の概要を説明した。平成19年度に同科公共健康医学専攻(専門職過程修士)の中に設置された。現在、主として公共健康医学専攻の学生を対象に「医療コミュニケーション学講義」「医療コミュニケーション学実習」を実施している。 実習の特徴は、まず、第1に将来医療・公衆衛生の様々な分野に進む人のために、ヘルスコミュニケーションの各分野を幅広く教育している。 第2にヘルスコミュニケーション実践、指導等を行っている実務家に多くの講義・実習を依頼している。 第3におのおののコミュニケーション理論・技法の違いよりも、共通性を強調することによって、多様に見える講義・実習の背景に共通するコミュニケーションというものの本質を理解できるように配慮していることである。以下、各演者が述べた。(敬称略)

「医療コミュニケーションと日本語の教育」

野呂幾久子(東京慈恵会医科大学日本語教育研究室)

 慈恵医大の医療コミュニケーション教育の特徴は二つある。 第1は、カリキュラム上複数の授業の連携のもとに教育が行われている。具体的には、1年次〜4年次までの各学年。1年次「他者視点(気付く)」、2年次「観察する」、3年次「練習する」、4年次「応用する」というテーマが設定され、そのテーマに沿った教育が、「医学(医療)総論」(1年次〜4年次)、「日本語表現法」(1年次)、「行動学」(3年次)。 第2は、1年次の「日本語表現法」という授業の中で、アカデミックなコミュニケーション能力としての日本語教育に加え、医療コミュニケーション教育が行われている。大学生の日本語力の低下が問題視されているが、入学後できるだけ早い段階で育てる必要がある。「他者の視点」が欠けていると、「読み手に理解できるレポート」も、「患者に理解できる説明」もできない。「日本語表現法」では、コミュニケーションについての基礎知識、問題解決能力、論理的文章能力、ディベート、敬語、拝聴法などの内容を扱っている。

「効果的治療のための医療コミュニケーションの知識と技能」

町田いずみ(明治薬科大学医療コミュニケーション学)

 3年次から4年次にかけての1年間の必須として、「効果的な薬物療法」を目標に実施している。

1)ラポール形式(傾聴・共感・支持的精神療法)。2)患者心理の理解と対応。3)性格傾向の理解と対応。4)精神疾患の理解と対応。5)予防医療。6)緩和ケアの理解と対応 他。

 3年次は、160人一斉教育となるため、どうしても講義形式にならざるを得ない。これで問題となるのは、単に知識を詰め込むだけでは、その知識の実践、応用するといった、実質的な理解に達し難いという点である。 例えば、傾聴や共感は言葉を理解しただけでは実践は難しい。 そこで、患者心理に関しては、理解し難い患者さんの言動を例示し、その患者背景として、予測される心理に焦点を当てながら、実際に対応し、患者心理のポイントを理解していく。さらに、身体疾患の3割以上に合併すると言われている、せん妄やうつ病の評価やその対応方法については、症例を評価し、治療プランを立てることを通して理解していく。後半は演習形式で、実際に患者役(役者を依頼9から、情報収集—状況評価—治療プラン—情報提供といった治療プロセスを全学生が体験する。

医科歯科通信記者

長年にわたり歯科界の動きをチェックし、鋭い視線で切り込みます。茨城県出身。(医科歯科通信)

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