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ニュース

2009/07/08

学会・学術

フルフェイス型ヘルメットでも口・歯の怪我 ・スポーツ歯科

第20回日本スポーツ歯科医学会総会・学術大会から (上) 

 

「スポーツ歯科最前線」

  

— そこから見たこと聞いたことそして分かったこと —

  

竹内正敏さん(タケウチ歯科クリニック・京都市)

 

スポーツ現場は色々あるが、モータースポーツを例に紹介したい。

スライドはモトクロスの競技の写真であるが、マウスガードはすべてのスポーツの入口だ。

写真は現地で少年の印象を採っているとことであるが、現地では衛生上ふさわしい環境ではないので、最近では歯科診療所で印象を採っている。

モトクロスの競技ではヘルメットを使うので、ヘルメットを使ってマウスガードの咬合調整することが重要である。

調整したマウスガードを歯科技工士に研磨してもらう。

マウスガードは、歯科用のものではなく、工業用の5000円くらいのエンジンでも十分に研磨できる。

咬合調整、研磨が終わったマウスガードは、歯科衛生士が取扱いを説明する。

スライド写真はスポーツ現場ではないが、全日本クラスのスポーツ競技の優勝者には、診療所でマウスガードをプレゼントしている。

プレゼントの目録を渡しながら診療所では、けっこう楽しんでいる。

スポーツ現場では、これまでは選手と近かったが、現状はそうではない。

選手を取り囲んで、トレーナー、コーチ、スポーツドクター、理学療法士、セラピストの人、マネジャー、監督、スポーツ団体の役員、報道関係者、父兄もいる。

そこで、スポーツ現場に行ったときに、すぐに選手に会えるわけではなく、チーム関係者との打ち合わせから始まる。

選手のその日の体調、選手の性格、最近の選手の成績などの情報収集をして、歯科衛生士がタイムスケジュールを見て、空いている時間、選手が比較的ストレスを感じていない時間帯などを検討する。

基本的には、競技が行われる前日に行って、マウスガードの調整をし、使い方の説明をする。

また、スポーツドクターと現場で話合いをすることもある。

写真のこのドクターは、蜂針療法をしている場面である。

蜂針療法は効果があるようだ。

現場で一番接触するのは、トレーナーである。

このスライド写真は、ヘルメットの着脱訓練をしているところだ。

脳震盪を起こしている場合は、マウスガードを外すためには、ヘルメットを脱がさなければならない。

脳震盪を選手を起こしたら、一人が頭部を押さえて固定し、もう一人がヘルメットの開放部をそっと広げて脱がせる。

このようにスポーツ現場では、ヘルメットの脱着訓練が必要である。

また、我々は応急手当にも力を入れている。

当然、抜けた歯も写真のとおり手当てをしている。

現場では止血処置をし、場合よっては傷口の縫合もする。

さらに大きな怪我では、手術室で口腔外科医が手術をする。

また、スポーツ現場では口腔の怪我ばかりではなく、体の怪我もあるので、一般の人たちよりは、医療人としてレベルの高い応急処置が期待される。

CPR、あるいは最近では色々な施設、場所にAEDが設置されているので、使い方

も覚えておく必要がある。

また、認定資格を取る機会もあるが、私は、日本トレーニング指導者協会の認定トレーニング指導者、日本ストレングス&コンディションニング協会の認定スペシャリストの資格を持っている。

うちの歯科衛生士は、健康運動指導士と日本赤十字の救急員の資格を取っている。

歯科医師としては、カスタムマウスガードがふさわしいが、まだスポーツ現場では市販のマウスガーがたくさん使われている。

そこで、少しでも上手に作ってほしいと指導も行っている。

市販のマウスガードを使ってから、カスタムマウスガードを使うと選手は、市販のマウスガードよりずっといいと選手が言ってくれる。

だから市販のマウスガードを使ってから、カスタムマウスガードをはめてもらった方が、私はいいと思っている。

スポーツ現場での歯科衛生士による口腔衛生指導も大切である。

マウスガードは競技によってデザインは異なるし、ポジション、選手の個性などによっても異なる。

15年ほど前は透明のマウスガードであったが、10年ほど前からは、カラーマウスガードが普及した。

スポーツ競技によるマウスガードの違いや特徴を知ってマウスガードのデザインをしてほしい。

また、矯正治療中の選手、入れ歯を入れた選手、歯並びの悪い選手、歯列欠損の選手のマウスガードについても対応する必要がある。

最近の選手はスポーツドリンクを多く飲むので、カリエスとマウスガードの関係についても、配慮することが大切である。

マウスガードをはめてスポーツドリンクを飲むと、虫歯になる可能性がある。

マウスガードを装着したために、カリエスが増えたことが散見される。

糖分の多いスポーツドリンク、酸性度の高いスポーツドリンクには注意をしたい。

スポーツ現場での口腔衛生指導が、行き届いていないと思われる。

とりあえず、ガムを噛ませて口腔内の環境が改善されたいかを、現在試している。

(以下は、省略)

医科歯科通信記者

長年にわたり歯科界の動きをチェックし、鋭い視線で切り込みます。茨城県出身。(医科歯科通信)

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