「生きること・食べること」(3)
「保険でよい歯」東京連絡会の食を考える6.6保険でよい歯シンポジウム「生きること・食べること」が6月6日、東京・新宿区南元町の東医健保会館ホールで開かれた。
歯科医師、歯科衛生士、一般の人たち50名ほどが参加した。
自分の歯で食べられることが、健康の保持につながる。
だが、現実はどうであるのか?
口から食べずに、胃から管を通して、栄養を補給されている人たちがいる。
どこに問題点があるのか?
シンポジウムは、医科分野に対する問題の投げかけであり、患者さんとその家族へのメッセージでもあった。
歯科医師の森元主税さんがコーディネーターを務めた。
安藤節子さん(『食べ物文化』編集長/管理栄養士)、林恵子さん(保健師)、五島朋幸さん(歯科医師/東京・新宿区開業)がシンポジストとして報告し、フロアの質問を受けた。
以下が概要である。
食をみんなで考えなければならない状況である。
3人の報告に共通する視点でわった。
食の狂いが、人の狂いとしたら、放置できないと思われた。
五島朋幸さん(歯科医師/東京・新宿区開業)は、地域ケアを実践する「ふれあい歯科ごとう」の代表であり、秋田放送、青森放送、中国放送で放送されている「ドクターごとう 熱血訪問クリニック もっと知りたい入れ歯と介護」のパーソナルティーとしても活躍している。
五島朋幸さん
新宿区で訪問診療を始めて13年になる。
延べの患者数で言うと1万2000人、今朝も訪問診療へ行ってきた。
医院ではないので、代表を名乗っているが、妻歯科医師と常勤の管理栄養士で訪問診療をしている。
口の機能は食べる、しゃべる、息をする。
生きていること、そのものだと思う。
人間にとって不可欠な機能が口の機能にある。
当然、その機能を使っているだろうと、みなさん想像つく。
図を見ていただくが、脳を支配している運動野の面積比で見ると、面積が多きいほど、脳からの指令が届いている。
手の面性が多い。
人間は二足歩行なので、足の面積も大きい。
それに比べると胴体の面積は小さい。
さて、口であるが、このベロの大きさは尋常ではない。
つまり、大脳皮質の指令の多くがベロに来ている。
それぐらい、舌の機能はすごい。
手足が25%、口が50%である。
そこで、食べることの意味を考えてみたい。
みなさんは、寝転んでポテトチップを食べ、コカコーラーが飲める。
だが、老人ホームへ行くと、食事の時間の時間、車椅子で食堂へ連れて行ってまず、老人の姿勢を直す。
倒れている人がいれば、クッションを入れたりして、姿勢を直す。
それだけ、口の機能は大切なのだ。
元々は寝そべっていても食べられた。
噛んで、飲み込む機能はそれだけ優れてきる。
しかし、その機能が残念ながら落ちてきたら、まわりでサポートしなければならない。
だから、食べさせるために、まず、姿勢を直す。
食べるときの姿勢は、ものすごく大切なのだ。
「外に、食べに行こう」と人を誘う。
食べることが、楽しみになり、幸福感となる。
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