「生きること・食べること」(2)
「保険でよい歯」東京連絡会の食を考える6.6保険でよい歯シンポジウム「生きること・食べること」が6月6日、東京・新宿区南元町の東医健保会館ホールで開かれた。
歯科医師、歯科衛生士、一般の人たち50名ほどが参加した。
自分の歯で食べられることが、健康の保持につながる。
だが、現実はどうであるのか?
口から食べずに、胃から管を通して、栄養を補給されている人たちがいる。
どこに問題点があるのか?
シンポジウムは、医科分野に対する問題の投げかけであり、患者さんとその家族へのメッセージでもあった。
歯科医師の森元主税さんがコーディネーターを務めた。
安藤節子さん(『食べ物文化』編集長/管理栄養士)、林恵子さん(保健師)、五島朋幸さん(歯科医師/東京・新宿区開業)がシンポジストとして報告し、フロアの質問を受けた。
以下が概要である。
安藤節子さんは、1976年創刊された『食べ物文化』編集長の立場。
安藤さんは、食事の基本を伝える管理栄養士の立場から食の安全や栄養、生活習慣病、むし歯と食の関係、生活リズムと食事、食のマナー、食事を通した子どもの五感が育つなどのキャンペーンを展開してきた。
なお、この日配布された『食べ物文化』4月号では、子どもの朝ご飯の現状、おすすめの朝ご飯、朝食づくいりのアドバイスなど紹介していた。
また、コーディネーターを務めた森元主税さんが、執筆をしていると紹介をした。
安藤さんについで保健師の林恵子さんは、保健相談所における生活習慣病予防健診を受診した20人(男8人、女12人)ついて、食事調査の集計結果を報告した。
<調査結果>
1) 菓子類、砂糖、油脂の摂取が極端に多く、それ以外の食品群はいずれも基準値(目安量)を下回った。
2) 菓子類の平均の摂取状況は、242.1%、砂糖は164.3%、油脂は111.1%。
基準を大きく上回っていた。
菓子類の最高値は、摂取状況560%、砂糖は840%、油脂は225%であった。
3) 穀類の摂取状況は全員が基準値を下回り、平均は63.4%。
4) 主菜の平均の摂取状況は、肉93.9%、魚68.6%、卵60.2%、豆類89.2%で、いずれも個人差が大きかった。
5) 副采の平均摂取状況は、全体的に低く、緑黄色野菜54.9%、その他野菜46.2%、いも類58.2%、海藻類37.8%。
6) 乳類の平均の摂取状況は、58.1%、果物は35.5%。
結局、男女を問わず、エネルギー摂取の多くを菓子、砂糖、油脂に頼っていた。
特に菓子類の種類の多さに目を見張るものがあった。
日ごろ目にするのは、電車内での朝食。
菓子パンでもあり、時間的にも経済的にも節約する姿である。
また、昼食に菓子パンとペットボトル類で済ましている。
野菜もとらなきゃとサラダにはたっぷりのドレッシング、残業は菓子をつまんで空腹をしのぐ等の姿が珍しくない。
以上のような食と偏りが生活習慣病を誘発していた。
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