▶新規会員登録
  • HOME
  • 記事
  • Professional column
  • 第13回 インプラントの世界地図が変わる?―歯科の最先端技術、日本初世界展開の時―

記事

2013/10/24

第13回 インプラントの世界地図が変わる?―歯科の最先端技術、日本初世界展開の時―

これまでインプラントの光機能化について多くのコラムを書かせて頂きました。光機能化は、新たに発見された問題と依然とは大きくちがうインプラントサイエンスに立脚した、まったく新規の技術、医療手段であったので、その解説と説明に多くの時間を使わせて頂きました。読者の方にも、お付き合いいただき、心から感謝の言葉を申し上げたいと思います。前回のコラムからしばらく経った今、光機能化技術の発展に、とても大きな出来事が相次ぎました。今回は、世界展開に関する進展と、それを取り巻く環境の著しい変化についてお話したいと思います。世界にとっての次世代を先取りした日本。これまでの歯科の歴史にない潮流。日本を中心とした世界地図が形作られていく予感です。

日本発、学術・科学の世界展開スタート まずは、このウェブサイトを見ていただければと思います。 http://www.photofunc-implant.org/ ついに光機能化のグローバルサイトが立ち上がりました。光機能化の国際学術会議GNPIRM Global Network for Photofunctionalized Implants and Regenerative Medicine GNPIRM(光機能化インプラント・再生医学国際学会)が組織され、タイムリーで一括した情報の収集と発信を、このサイトを通じて行っていきます。光機能化の説明も、簡潔に、しかも、理解が容易なように記載してあります。また、サイト中のナビ項目にもあるように、今後まもなく、平坦な言葉を使って、世界の患者への情報発信も併せて行われる予定になっています。是非、みなさまにも、光機能化に関して、世界的に一元化され、常にアップデートされた情報を得る場として、ご活用していただければと思います。

しかし、今回、最も強調したいのは、サイトの内容ではなく、構成要素です。是非、サイト中のMoviesとCases in dental implantsをクリックして頂ければと思います。例えば、Cases in dental implantsのページをスクロールしていくと、次々と現れる日本のドクターのすばらしい仕事の数々。ページ冒頭にFIRST LOOKとタイトルがうってあるように、世界が初めて目撃するインプラント治療ばかりです。世界の次世代を日本は先取りしたのです。日本の現在は、世界の未来です。光機能化は、インプラントサーフェスを理想化することを現実化した技術であり、治療の安全性や成功など、患者中心の視点で考えると、その選択は自然な流れではありますが、日本の多くのパイオニア・ドクターが、それを率先して実践し、アイデア、情熱、技術を駆使し、成し遂げられた臨床の数々には、ただ頭が上がりません。今は、サイトのスペースが限られていて、一人のドクターあたり、ほんの一部分しか掲載できていないのが残念ですが、今後、このページを拡張し、さらに明確で詳細な日本から世界への発信を目指します。

そして、日本のドクターとともに歩んできたのが日本における「光機能化バイオマテリアル研究会」です。http://hikarikinou.officialwebsite.jp/ 光機能化の学術・科学情報や知識の普及はもちろん、ドクターといっしょにその成果を分析し、セミナーや全体会議である「光機能化サミット」を通じて、議論を煮詰め、発信してきました。今回、前回のサミットのコンセンサスも英文に翻訳されてGNPIRMに掲載されています(http://www.photofunc-implant.org/consensus/)。ある一つの世界最先端医療のコンセプト、トレンド、成果をこれほどスピーディに確立させ、常に世界を意識してきた斬新で壮大な学術活動に敬意と感謝を表します。GNPIRMと光機能化バイオマテイアル研究会を中心とした学術サイドからドクターへ貢献できることと言えば、このように、このサイトを発信基地として使っていただくことです。学術活動、しかもグローバルなレベルでの学術活動の場を提供するということに、大きな意義があると思っています。日本の歯科では画期的な試みだと考えています。完全な英語版で、最先端の題材が、強い科学背景と同時にプレゼンテーションされていますので、きっとお役に立てるベースになると思っています。多くの日本のドクターが日々実践している、高度で妥協しない臨床が、今この瞬間、世界に発信されているのはとてもすばらしいと思っています(実際、このウェブサイトのアナウンスは、国ごとの光機能化の導入に合わせて行われますので、ヨーロッパでは夏、アメリカでは秋の予定となっています。よって、ウェブサイトの公表アナウンスに関しても日本が先行しています)。

光機能化に関して、日本以外の世界への情報の発信は、この春から初めて許可され、今回のウェブサイトの立ち上げが可能となったのです。講演などによる情報発信も、同じく解禁され、私の講演も先月の全ミドルイースト・インプラント審美学会を皮切りに、5月末の世界エンドコングレス、夏過ぎからは、EAO(ヨーロッパインプラント学会、ダブリン)、ICOI(世界インプラント医学会、イスタンブール)、ACP(アメリカ補綴学会、ラスベガス)、AO(米国・国際インプラント学会、シアトル)、韓国補綴学会(ソウル)などと休みなく続きます。上記のように、光機能化の臨床技術の導入は、ヨーロッパでは夏、アメリカでは秋に開始予定となっていて、これらに先立って、日本のドクターの質の高い症例や臨床成績が、総和として、世界へ周知されていくことは、世界のドクターと患者に対するとてつもない貢献に他なりません。そして、国際学術的意義として、この分野におけるリーダシップは日本にあることを意味し、日本で創られていくスタンダードが、インプラント医療の歴史に刻まれていくことになります。これらのことは、私のとってもこの上ない喜びであり、大切な誇りでもあります。読者のみなさまと、是非この気持ちを共有したいと思います。私の短い歯科医師人生に限ってのことではありますが、これほどの医療パラダイムの変化をもたらす技術革新は、歯科医療の中には、そうめぐっては来るものではありません。現在、ある歯科医療の技術革新が、日本を中心に行われ、現場のドクターの多くが、世界の見本となるべく最前線に立っていることは、本当に素晴らしいことではないでしょうか。もちろん、このように日本が世界に貢献し、世界を率いる潮流は、日本国内におけるインプラント治療への信頼回復にも大きく貢献してくれるだろうと期待しています。

インプラントの世界地図が変わる?
もう一つの大きな出来事は、インプラント業界への参入企業に見る変化です。私の知る限り、日本の企業が国際レベルのインプラント学会でメインスポンサーとして名を連ねることはありませんでした。みなさんも、国際学会に参加した際、プログラム見開きやステージ両脇の華々しいサインなどに、日本企業の名前を見ることはなかったと思います。残念ながら、世界展開している大手インプラント会社が、日本には存在しないことからも理解できます。しかし、ついにその常識が変わりました。下は、先日のヨルダンでの写真です。10か国以上から参加者が集まる全ミドルイースト審美インプラント学会というメジャーなインプラント学会があり、その時の私の講演の前のリハの模様です。ご覧のように、光機能化の国際展開を手掛けるウシオ電機がゴールドスポンサーとして名を連ねたのです。3x1の大スクリーン横にUSHIOのロゴを見ることができます。まさに光機能化とUSHIOのツーショットの実現という形で、世界最大のインプラントメーカーであるデンツプライと肩を並べているのがわかります。ウシオ電機によると、今年はさらに、EAO、ICOIにゴールドスポンサーとして参入予定であると聞きます。日本企業がメジャープレーヤーとしてインプラントの国際学会に関わることは、参加している日本からのドクターに、様々な形での恩恵をもたらすことが期待され、わたくしも、日本人ドクターの一人として感謝を申し上げたいと思います。

以上、これまでありえなかった二つの大きな変化によって、インプラントの世界地図は変わるのでは?と思うのは私だけではなさそうです。日本人を越えて、外国のドクターの多くがそれを感じ始めました。インプラントの光機能化で、過去2年間、真剣に、しかも強固に積み重ねてきた日本のドクターによる学術の財産、そして、それを、技術的側面と経済的側面から支援する日本企業。それらは大きなビションの下、有機的に融合し、光機能化によるインプラント新時代はすでに始まりました。それは日本にとっては、インプラント分野にとどまらず、歯科全体に関わる、大きな歴史的チャンスであるかもしれません。国際的プレゼンスとリーダシップの確立。世界地図はできるものではなく、創るものであるのかもしれません。

記事一覧
プロフィール 第13回 インプラントの世界地図が変わる?―歯科の最先端技術、日本初世界展開の時―(2013/10/24)第12回 次世代のための輝かしい日本の歯科界9:歯科医師のことを、英語ではtooth doctor(2013/10/24)第11回 次世代のための輝かしい日本の歯科界8:歯と口のQOL(2013/10/24)第10回 スティーブ・ジョブズ氏と光機能化(2013/10/24)第9回 次世代のための輝かしい日本の歯科界7:光機能化、イノベーションとしての位置づけのみならず、注目される多くの世界初の事象(2013/10/24)第8回 次世代のための輝かしい日本の歯科界6:光機能化、それはインプラント医療、45年ぶりの革命的な技術(2013/10/24)第7回 次世代のための輝かしい日本の歯科界5:チタンの生物学的エイジングの発見が生体材料学の教科書を書き変える(2013/10/24)第6回 オッセオイテグレーション・サミット速報(2013/10/24)第5回「次世代のための輝かしい日本の歯科界4:チタンの生物学的エイジングの発見、そのインビボの詳細(2013/10/24)第4回 —太平洋の架け橋、医科・医学との架け橋、一般科学・学術との架け橋、そして次世代への架け橋をめざして—(2013/10/24)第3回「次世代のための輝かしい日本の歯科界3:チタンの生物学的エイジングの発見、そのインビトロの詳細」小川隆広先生(2013/10/24)第2回「次世代のための輝かしい日本の歯科界2」チタンの生物学的エイジングの発見(2013/10/24)第1回「次世代のための輝かしい日本の歯科界1:成長戦略の意識」小川隆広先生(2013/10/24)

ピックアップ


第112回歯科医師国家試験の総評と今後の展望

難易度高過ぎ!?現役歯科医師らが歯科医師国家試験に物申す

医療広告ガイドライン対策