オンライン診療の歯科の現状と可能性

By Dental Tribune International

長縄 拓哉
ムツー株式会社代表取締役 デジタルハリウッド大学大学院 歯科医師 医学博士
日本遠隔医療学会・歯科遠隔医療分科会 会長

新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)禍において、生活のさまざまなシーンで利用が増えている「オンライン化」。医療の世界も例外ではなく、これまで認められていなかった初診においても、時限措置として、オンライン診療で初診料が算定できるようになりました。一方、歯科領域ではオンラインによる診療や受診はどのようになっているのでしょうか。そこで今回は、日本遠隔医療学会・歯科遠隔医療分科会会長であり、日本で初めて歯科のオンライン診療を始めた長縄拓哉先生に、歯科オンライン診療における現状と今後の可能性についてお聞きしました。


遠隔診療に関連した法整備の現状

― Dental Tribune Japan:まず、これまでのオンライン診療における歯科の位置づけと現状について教えてください。

長縄先生:2018(平成30)年のオンライン診療に関するガイドライン「オンライン診療の適切な実施に関する指針」が出るまでは、オンライン診療は「遠隔診療」と呼ばれていました。

遠隔診療の法整備という点では、1997(平成9)年に遠隔診療に関する通知が出され、「情報通信機器を用いた遠隔診療は、医師法第20条等に抵触するものではない」という内容が記載され、遠隔で診察することが認められました。そこでは「医師又は歯科医師」と歯科医師も対象にされていましたが、この1997年通知は離島やへき地での遠隔医療が対象であり、疾患も限られていたため、それほど注目はされませんでした。

ところが、2015(平成27)年8月10日の厚生労働省医政局の事務連絡では、「9年通知の疾患(患者)はあくまで例示」と明確化されたため、実質的に「遠隔診療が解禁になった」と、ここで初めて医科と歯科において、遠隔診療が注目されたのです。

そして2018年のオンライン診療の指針で、遠隔診療から「オンライン診療」に呼び方が変わるとともに、「自費診療でも保険診療でも、この指針を守ってください」ということになったのです。さらに、「オンライン診療」に、「オンライン受診勧奨」と「遠隔健康医療相談」が加わり、オンラインでこの3つができるようになりました。

ただし、この指針には歯科に関する記述は1箇所だけになり、実質、歯科が想定されていないといえるでしょう。歯科については、厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」で引き続き議論されています。

こうした中で、今回の新型コロナ感染拡大防止のために、時限的特例措置に関する事務連絡が2つ出されました。1つは厚生労働省医政局歯科保健課より出された「2020(令和2)年4月24日事務連絡」と、もう1つは同保険局医療課より出された「2020(令和2)年4月27日事務連絡」です。これらにより、オンライン診療における初診料の算定のほか、再診料に加えて管理料(55点)も算定できるようになりました。

さらに、この事務連絡には一部「歯科もこの指針内容を参照すること」という記載がありますので、歯科でもこの指針に沿ってオンライン診療を行う必要があります。また、歯科でもオンライン診療で初診料が算定できるようになりましたが、「オンライン初診料」という名称の診療報酬はなく、「歯科訪問診療3」を代わりに算定することになります。さらに、「電話等再診料」に加えて、新たに管理料として55点が算定できることになりました。

大切なのは医療行為か非医療行為かの線引き

― Dental Tribune Japan:まず、これまでのオンライン診療における歯科の位置づけと現状について教えてください。

長縄先生:「オンライン診療」と「オンライン受診勧奨」は、診察、診断、治療などの医学的判断を含む医療行為であり、歯科医師法第20条で規定されています。医療行為であるため医療機関が主体で、医療機関内で行うことになります。また、保険診療と自費診療があり、保険診療は健康保健法で規定されており、自費診療は全額自費になります。

出典:News International 2018/9/18
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