iTero エレメント口腔内スキャナーがもたらす新たなデジタル・ワークフロー

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出展:アライン・テクノロジー・ジャパン株式会社
ながお歯科クリニック 院長 長尾龍典 氏
他院との差別化を図りながら自分の時間をどのように生み出していくか、また医療機関の経営者ならではの迷いなどにも配慮しながら医療従事者として正しい選択をしていきたい。その熱意を基に、臨床上の実践事例および対処法をわかりやすく長尾氏は語った。
iTeroエレメントを使って、事前に画像を見せながら調整が必要と想定できる箇所などを具体的に示しながら話している。患者さんは、治療が終わった後に言われるとまた何かしなければならないのかという気持ちを抱く場合が多いが、治療前に予め説明しておけば何かが発生したとしても軌道修正が可能であり、あらかじめ信頼関係を築いておくことができる。
図1 check
実際には、このようなフローでチェックをしていくと良い(図1 check)。例えばアウトカムシュミレーターなどを使っていくことによって、ボタン一つで作業ができるので作業時間の短縮が図れる。
図2 カウンセリング
図3 アライナー矯正治療
今までは4~6週間は要していた作業が、完成まで2~3週間で実施できるのである。状況によって4~6週間で済まず、例えば2か月以上を所要してしまうと、患者さんが忘れた頃に仕上がってくるので、価格の確認段階から説明をし始めなければならないケースも発生する(図2 カウンセリング)。
 口腔内スキャナーを使用したアライナー矯正治療に関しては、CHECK⇒SCAN⇒SIMILATION⇒SETという作業工程がイメージでき、これは非常に速いことを実感している。(図3 アライナー矯正治療)
 実際にコンピュータを使用すると、選択肢に応じた方法を今までの蓄積されたデータからソフトウェアが提示してくれる。もちろん、無理な動きなども出てくるので、きちんと内容を歯科医がチェックする必要はあるので少し難易度が上がる。
実は心配という人には、iTeroエレメント口腔内スキャナーのProgress Assessment(プログレス・アセスメント)という機能を使うと、色別によるモニタリングが可能となる。
 今までは治療している先生が、アライナー矯正に使用するアタッチメントや形の調整などに関しては感覚で調整をしていた。そして外見的にキレイでも実際に動きの面で問題がないかを調べるために来院してもらっている。
一方で、プログレス・アセスメントを使い、従来の手法では感覚的には気づきにくいが違和感を抱く部分に関しても細かく画像を切り分けて検証していくと、必ず気づく箇所が出てくる。つまり、アライナー矯正が修正すべきところをきちんと示してくれるのだ。
図4 症例評価
 それでも計画どおりにいかないことがあった場合は、皆さんの気持ちを共有すべきである。矯正専門の先生などに確認し、そのような場面で丁寧に教えてくれる先生と付き合っていくことが良いと私は思う。
 このような場面でのアウトカムシュミレーターの利点として、データの共有があげられる(図4 症例評価)。 分院展開されている先生がいた場合、矯正の先生に違和感がある箇所を見てもらうのにデータを共有できると非常に便利である。今までは、見てもらう先生の居る医療機関まで患者さんを連れて行って状態を確認後、やり直していた。スピード感と精度を前提に本当の歯の大切さに触れながら随時、データを取り揃えておく必要性を患者さんに伝えやすい。それぞれのメリット、デメリットを患者さんに伝えることができる利点は大きく、治療法の選択自体を状況によって患者さんに委ねられる場合も出てくる。

例えば来月に結婚式だからすぐ治して欲しいと言われたら選択肢は補綴となるが、あくまでも患者さんの希望を前提にした選択である。患者さんの立場に立ったカウンセリングができるのでトラブルを少なくできる。患者さん自身、自分の判断が大切という点にも気づいていくので質問も出てきて専門的な知見からの治療方法の示唆がしやすくなる。患者さんが納得して治療を受けてくれる上に、先生自身のブランド力も上がる。
マージンを取るためには何度も画像を撮らなければならないのは臨床と同様である。これは画像の質が、テクニック・技術・経験値などに依存する比率が大きくなるためである。従って最初は関係者全員で実験していった方が良い。
 技工士さんも精度が保持された画像で上がってくると作業がしやすいが、デジタルで撮ったから良くなるというものでもない。大画面で見られることになるので最初は私も非常に恥ずかしく、舌側のズレなどからマージンが取れないなどの指摘を受け、誰が見ても360°どの位置からみてもわかるようになっているからデジタルで撮った画像が見られる方が自分を切磋琢磨するには最も良い機会と捉えている。
各自、自分の時間には限りがあるので、どのようなかたちで確保していくかは、マネジメントの中で非常に大切となってくる。特にデジタル機器などは、購入したいと思ったときが変えどきであり、積極的に触れていくべきである。そして得意分野の一つとしてぜひ、アライナー矯正を始めていただきたいと長尾氏は締め括った。
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