千歳中心部に高齢者下宿 札幌の歯科医が旧ホテル改修 全35室、24時間見守り
北海道新聞 2013年12月21日 16:00
【千歳】札幌市の歯科医師がJR千歳駅前通り沿いの旧ホテルを買い取り、今月初めに高齢者向けの下宿を開業、訪問介護事業にも乗り出した。
歯科医の増加で競争が激しくなる中、「高齢者向けの事業は社会貢献にもつながる」と考えたためだ。
市によると、千歳駅周辺の中心街では初の大規模な高齢者向け居住施設という。
下宿を開いたのは、札幌市東区で歯科医院を開業する中山聖之(まさゆき)さん(34)。
昨年12月に旧「ホテル千歳屋」(錦町2)の建物を購入。
運営会社を立ち上げ、1日に「ぬくもりの下宿 まごころ」として開業した。
建物は4階建ての新館と3階建ての旧館があり、延べ1430平方メートル。
35室ある。入居者はまだいないが、募集を本格化させている。
建物内には訪問介護を行うケアステーション「おおぞら」も併設。
4階の8室は軽度な障害者のグループホームとして、来年2月の開業を予定している。
中山さんは3年前に歯科医院を開いた。
経営も軌道に乗り、分院を検討していたところ、知人から旧ホテルを活用した高齢者向けの事業の提案を受けた。
「今は虫歯予防も進み、歯科医院の競争も激しい。需要がある高齢者向けの事業の方が社会に貢献できる」と考えた。
背中を押したのは、北大大学院時代に旭川市で往診のバイトをした当時の思い出だ。「独居のお年寄りは会話がしたくて、よく引き留められた。そういう不安を和らげられる施設をつくりたい」
建物は築30年ほど経過しており、改修費に約1億4千万円を投じた。
部屋はそれぞれ5~11畳ほどで、給湯施設を設けるなど住環境も整備。
夜間も管理人が常駐し、24時間の見守りも行う。
3食付きで、家賃や食費を含む月額費用の最低額は8万8千円。
バリアフリーではないなどの理由でサービス付き高齢者向け住宅には登録されないが、同様の住宅の相場より数万円安いという。
施設は千歳駅から徒歩約10分の中心街にある。
中山さんは「入居者にとって生活しやすい場所。保育園などの子供たちとお年寄りが交流する共有スペースとしても活用していけたら」と話す。
問い合わせは、同施設(電)22・1168へ。(門馬羊次)
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