山陽新聞 2013年11月30日
岡山市は、「歯と口腔(こうくう)の健康づくり条例」に基づく市歯科保健基本計画(2014〜22年度)の素案をまとめた。
食事の際に一口30回以上かむことを目安とする「噛(カ)ミング30(さんまる)」運動の推進などを盛り込んだ。市が歯科に特化した計画を策定するのは初めて。
素案では、生涯を通じて食べる喜びや話す楽しみを維持するため、「きちんとかんで飲み込む」習慣づくりを重視。よくかむことで歯の発達や機能維持、肥満予防といった効果が期待されており、噛ミング30運動の実施率を22年度に50%(11年度=保育所・幼稚園4・3%、小中学校16・2%、事業所0%)へ引き上げる。
ライフステージ別に虫歯の減少など計18の数値目標を示した。乳幼児期(就学前)は虫歯のない3歳児を90%(11年度78・1%)に増やし、学齢期(小学〜高校生)は歯列やかみ合わせなどに異常のない中学生を99%(同97%)にするとした。
成人・妊娠期は、歯科検診の受診者の割合を年65%(同29・5%)に引き上げる。
中でも、妊娠期は女性ホルモン分泌量の増加で歯周病になりやすいため、口の中の健康状態を保つとともに、生まれてくる子どもの歯の健康に関する知識習得の必要性を挙げた。
高齢期は、60代で硬いものを食べるのに困らないなど機能低下が認められない人の割合を80%(10年度68・3%)に増やすとした。
目標達成に向け、市は知識の普及や学ぶ機会の提供▽市民はかかりつけの歯科医を持つ▽歯科医療従事者は高齢、障害者の口腔ケアの充実▽事業主は従業員の検診を奨励―など、それぞれの役割を明記した。
今年6月に設置した有識者らによる協議会で定期的に進ちょく状況を点検し、対策を協議するとしている。
市はホームページで素案を公開、12月27日まで市民意見を募る。13年度中に計画を最終決定する予定。
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