長崎大学歯学部関東同窓会が設立総会
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長崎大学歯学部関東同窓会の設立総会が2月14日、東京・千代田区九段北のアルカディア市ヶ谷「霧島」の間で開かれた。
会長には1期生の伊藤道一郎さん(東京・千代田区番町で開業)が就任した。
設立総会は非公開で行われたが、同窓生2名による記念講演(内容は明日、掲載予定)と懇親会を取材した。
200名余の同窓生が在住している関東圏。数年前から関東同窓会の立ち上げの声が上がり始めたとされ、母校が創立30周年を迎えた昨年(平成21年)、を機会に、準備委員会ができた。
そして、設立総会の日を迎えた。
同窓生相互の交流が目的であり、研修・研鑽、開業や将来の進路に関する情報交換と支援、親睦を図るため、今後の発展が期待されている。
懇親会で挨拶した伊藤道一郎会長は、「私は、色々なところに顔を出しているが、
長崎大学歯学部の同窓生は素晴らしい、とどこへ行っても言われている。本当に私は誇りに思っている。これからのことを、みなさんと共有しながら、この関東同窓会をますます、心の拠り所として発展させていけばいいと思う」と述べた。
また、長崎大学歯学部渋谷昌史同窓会会長は以下の挨拶をした。
<渋谷昌史同窓会会長の挨拶>
私は昨年4月から4代目会長を引き受けている。
今回、関東で同窓会支部を作り本当に嬉しく思っている。
昨年9月、参議院会館で会合があり、大久保先生(参議院議員)たちと会った日に、伊藤先生たちが同窓会関東支部を作ると熱く語っていたが、関東には200名余がいると聞いたが、本部の総会より多い。
昨年は30周年式典があった、その時の余剰金で6年生の実習のための離島歯科訪問に使う車を買った。
訪問先は全部、同窓生の紹介であった。
長崎大学歯学部の同窓生たちは、伊藤先生からも話があったが、多方面で活躍をしている。
同窓会の行事は、これまで長崎県内で行われてきたため、他県の同窓生が参加する機会が少なかった。
私が会長にさせていただいた時に、「とにかく支部を作るべきだ」と働きかけ、佐賀県、大分県支部ができた。
また、先月は大原直也先生が、岡山大学の教授に就任されたので、講演会を企画し、中国、四国地区の懇親会を開いた。
そこで、岡山県支部が立ち上がることになった。
山口県支部も近々設立される予定だ。
関東支部は、静岡県、長野県とするのではなく、関東圏として、集まりやすい形でどんどん発展してほしい。
本部同窓会は、他の歯科大学・歯学部と対外的な面を主にして、交流を深めていく。
ぜひ、関東支部はこれを機会に、学術講演会ほか飲み会で結構なので、同窓生で集まっていただいて、交流を深めてほしい。
何かがあった時に、何としても頼りになるのは同窓生だと思う。
これから、25期生が卒業する、伊藤先生とも話したが、卒業生のほとんどが、長崎県以外の出身者である。
長崎県の出身者は1割ほどしかいない。
卒業したらみんなが長崎を離れるが、心の拠り所となるのが先輩方だ。
学生たちは話をすると、歯科の将来は暗いとばかり否定的なことを言っている。
しかし、「そんなことはない。みんな同窓生は、元気に頑張っている。元気な先生がいっぱいいる」と言っている。
「ぜひ、先輩を頼って行きなさい」という話を私はしている。
その時の連絡先が、同窓会支部の集まりである。
これを機会に、関東支部を盛り上げてほしい。
役員の先生がたに多大な負担がかからないように、みなさんどうか協力し、支部の発展のために一丸となってほしいと思う。
これは、事務局から頼まれたことであるが、会費で活動しているので、本部の会費の納入を是非お願いしたい。
今後の発展を祈念したい。
<小林勝英名誉教授の来賓挨拶>
本日は、二人の同窓生が講演をしたが、内容は素晴らしかったので、非常に良かったと思っている。
私は二人の講演を聞きながら、学生時代のことを思い出している。
大分、話が古いが私は昭和30年に東京医科歯科大学に入学をした。
当時、医科歯科大学には古畑先生がおられた。
古畑先生は東京大学を卒業した、法医学者で東大に長くおられてから、医科歯科大学の教授になられた。
その先生の講義を聞いたことが、非常にありがたいことであった。
古畑先生は日本の法医学の最高権威者である、と言われていた。
当時は、DNA判定もポリグラフもなかった。
先ほどの櫻田宏一君の講演を聞きながら、古畑先生を想った。
また、北迫勇一君の講演では、総山先生の教えが思い出されて。
当時はインレー充填が主体で、その後アマルガム充填、たまに金箔があった。
窩洞形成では予防拡大をガッチリやって、ボックスホームの窩洞形成をやるように、と何回も言われた。
その方がインレーの維持が良かった。
レジン充填はまだなかった。
我々が医局に入ってから、ダイレクトボンドが始まった。
医科歯科の医用器材研究所でスーパーボンドが開発された。
今、歯科領域は厳しい状態にある、と言われているが、世の中を見ると、より厳しいことはある。
日本航空は破産状態から、再生する状況だ。
8000人くらいのリストラがあるとか、退職した人たちの年金を削るという問題もある。
また、自動車業界も厳しく、トヨタはリール問題があり、自動車業界全体として大きな岐路にある。
電気自動車になっていくと、作りから材料も違い、多くの下請け工場も転換を迫られている。
この中小企業がどうなるのか、職をたくさんの人が奪われることになるだろうか。
デパート業界も厳しい。
老舗の三越の支店が閉鎖される。
歯科業界はまだ、工夫次第で発展する余地があると思う。
伊藤会長が述べていたとおり、長崎大学歯学部の同窓生は優秀な人たちが多い。
今日の講演などを聞いて、私としても安心した。
1月に九州で矯正歯科学会が開かれたが、熊本に歯科専門の病院ができた。
矯正の伊藤先生であるが、福岡歯科大学の助教授までされた。
お兄さんは口腔外科専門で、歯周病専門、顎関節症専門などを集めて、横の連絡を密に取っている。
24床の病床であるが、その他に5床ある。
面白いのは、5床は地元の開業の先生と共同で治療をするために設けたのである。
矯正の顎骨のオペや埋伏智歯の抜歯などの共同治療が、地元の先生と専門医によって行われている。
かかりつけ歯科医師である開業が、歯科病院の専門医と連携し、地域に貢献していくのである。
大久保君のように参議院議員になった同窓生もおり、厚生行政では歯科技官として頑張っている同窓生も多い。
そこで、他の分野を含めで同窓会が全体的に発展することを期待している。
<参考>
古畑種基さん
1916年、東京帝国大学医学部を卒業。
1923年、金沢医科大学の法医学教授となる。
以後、東京大学(1936年〜1952年)
東京医科歯科大学(1952年〜1960年)の教授を歴任。
1956年、法医学研究の業績が認められ、文化勲章受章。
1960年、科学警察研究所所長。
関連した事件
◎阿部定事件
◎帝銀事件
◎下山事件
国鉄総裁であった下山定則の法医解剖を指揮し、他殺説を根拠づける死後轢断という鑑定結果を提出し、慶應義塾大学の中館久平教授が生前轢断説を持ち出して、長い間マスコミをにぎわせて、数人の医学者がコメントを出した。
1964年、他殺か自殺か不明のまま殺人罪の公訴時効が成立した。
◎弘前大学教授夫人殺人事件
◎財田川事件・島田事件・松山事件
◎三里塚事件
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