北海道松前町-町立松前病院 医師10人中6人辞職の意向

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読売新聞  2013年10月11日

松前町の町立松前病院の医師6人が2014年3月末で辞職する意向であることが10日、分かった。

同病院の前事務局長の人事を巡り、町・町議会と医師側の意見対立が先鋭化したことが原因。同病院は渡島西部の拠点病院で、現在、常勤医10人態勢となっている。このまま6医師が退職すると、来年度からの病院運営に支障が出かねない情勢だ。

辞職の意向を抱いているのは木村真司院長(49)ら6医師。木村院長は05年11月に同院の院長に就任し、08年から内科や整形外科といった診療科の枠を超えて患者を診る「全科診療医(家庭医、総合医)」制度を導入して注目を集めた。

 

木村院長は今年3月末で定年退職となった前事務局長の雇用継続を求めて町や町議会と対立。

道が仲裁役となり、石山英雄町長と木村院長との間で前事務局長を「経営アドバイザー」として雇用することなどを柱とした条例改正を行う内容の覚書が4月に交わされた。

しかし、6月定例町議会で条例改正案は否決され、前事務局長はいったんは臨時職員として再任用されたが、9月末に6か月の任期切れによって退職した。

木村院長は「覚書すら十分に履行されなかった」と、9月27日に石山町長に年度末で辞職することを伝え、10日までに副院長や内科部長ら医師5人が木村院長に追随して辞職願を提出した。

 

木村院長は「前事務局長は病院運営に欠かせない優秀な人材だった。病院運営に町や町議会から全く協力を得られない以上、ここで医療を続けられない」と話している。

石山町長は「町民の医療を守るため、辞職願を撤回していただけるよう、話し合いを続けたい」と、慰留する考えだ。

同病院で入退院を繰り返している同町在住の小野寺澄子さん(78)は「遠くの病院に頻繁に通うことになるのは困る。どうしたらいいのか」と、不安げに語っていた。

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