歯科医療最前線から発信:鈴木純二さん(東京・新宿ほか)
カテゴリー
記事提供
© Dentwave.com
「院長からの視点・論点から医業医療・医業を語る」
元気が出る歯科医院シリーズ(10)
技術と接遇 スタッフ教育がすべてである
東京・新宿区」西新宿1丁目、ヨドバシカメラなどがある街の一角、新宿スワン歯科・矯正歯科はビル3階にある。
人並みで賑わう表通りではなく、細い裏路地に面したビル。
看板がないので、通行人はそこに歯科医院があることは、まったく知らないだろう。
完全予約制である。
医療法人スワン会・管理本部・法人事務所は、愛知県名古屋市港区川西通にあり、経営する歯科医院は、名古屋市内に4軒、愛知県東郷町白鳥に1軒、東京の中央区銀座6丁目に1軒、東京・西新宿に1軒、計7軒。
スワン会の鈴木純二理事長は、その日、敏腕の歯科経営コンサルタントと打ち合わせ中であった。
新しい歯科医院の事業展開について、歯科技工士の方を交えて協議をしていたが、その席に同席していただく。
1時間余、打ち合わせが終わり取材となった。
— 歯科医師になった動機は?
鈴木 父も兄も東京大学を出ていて、それなりに活躍しています。
また、従兄弟も医師になっていますが、私は言わばドロップアウトしたような立場でしたが、愛知学院大学歯学部を卒業し、大学院に進んでからは真剣に勉強しました。
開業してからも常に学んできています。
— 経歴について
鈴木 1982年に愛知学院大学歯学部を卒業し、歯学部大学院に進学、1986年に修了、開業しました。同時に藤田保健衛生大学研究生となりました。
1989年、ニューヨーク大学に留学し、その後UCLAに留学を移動しました。
1996年、ブローネマルク クリニック超長期症例研修短期留学( スウェーデン)。
1996、日本の歯科医療法人として最初ホームページ開設しています。
また、各院の情報共有化のためグループウエア「ロータスノーツ」導入しています。
1997、アカデミーオブオッセオインテグレーション参加とUCSF見学(サンフランシス)。
1999年、UCLA歯学部客員研究員就任。
1999年、銀座スワン歯科開設。
2000年、白鳥歯科、愛知県最初の歯科医師臨床指定施設に指定されました。
2001年、SMAP(インプラント)矯正 治療開始。
2001年、新宿スワン歯科・矯正歯科開設。
2003年、各院の情報共有化のためグループウエア「ロータスノーツ」を新ネットシステム「サイボウズ」に更新。
ISO9001認証取得しています。
新予約システム(アポイントコンピューター)全6院始動。
2004年、電子カルテ導入。
2005年、新宿スワン歯科・矯正歯科日立製 最新機器1号機 歯科専用CT導入。
2006年、財務省発表の医療法人全国1位を達成。
2007年、M&A歯科経営研究所の木村氏と歯科医療法人全国1位を維持。コンサルタント開始。
ステーション歯科が医療法人スワン会として一つ目の単独型歯科医師臨床研修施設として厚生労働省から指定されました。
2008年、港スワン歯科が医療法人スワン会として二つ目の単独型歯科医師臨床研修施設として厚生労働省から指定されました。
ミッドランドスクエアデンタルを吸収合併。本格稼動に向け業引継ぎを開始し、2009年、医療法人スワン会 ミッドランドスワン歯科開設。
グリーンフォレスト矯正歯科の大道氏と業務提携契約。デンタルマン・ユナイテッド提携が始まっています。
— 今後の展開は?
鈴木 現在、7医院ですが、東京・品川と丸の内に新しい歯科医院を開設する予定です。
—スタッフは?
鈴木 管理スタッフは歯科医師35名を中心に、100名を超えています。
— 医院の理念について?
鈴木 私は博士号を持って、大学の教員もやっているので、エビデンスのある確りとした治療が基本であり、継続性をもって行っています。
基本としては、再現性のある治療を確りとやることです。
私がやったから、うまく治療ができたではなく、医科の例えば、国立がんセンターのようグローバルスタンダードの、科学的な根拠に基づく、標準治療をやっていきたいと考えています。
— その意味では、歯科医師臨床研修施設として、ふさわしいと思われます。
鈴木 まさに、そうです。数千万円単位の予算を研修施設のために投じています。
歯科医師でありながら、中小企業診断士の資格を持っている明石さんを中心に素晴らしい研修プログラムができています。
その第1回の研修回が無事終わったところです。
— 歯科医師臨床研修の受け入れについて
鈴木 昨年は4名でしたが、応募者は40名以上いました。
今年4月は新たに6名入りますが、希望者は50名以上おりました。
そのために、非常に技術能力の高い、あるいはコミュニケーション能力の高い臨床研修を受け入れることができました。
— 歯科医院の経営のポイントについて
鈴木 やはり、継続は力であり、中部地区では初めてのインプラントセンターを作りましたが、継続することだと思います。
それが、5年後、10年後、20年後、継続して、安心した治療が受けられると患者さんから信頼が得られたことです。
そのためには、管理や計画性が大事です。
先生のその時に気分などで、経営の数値が上がったり、下がったりでは将来性は限られていると思います。
私がスワン会の理事長の立場で、傘下のスワン会の歯科医院の各院長にそれぞれ経営を任せていますが、経営理念は確りと共有しています。
— 経営理念について
鈴木 次の3点に集約されています。
1).医療人として最善、最先端の歯科医学に研鑽し、広く社会に提供する。
2)常に透明性のある医療に心掛け、説明責任を全うする。
3)医療界の常識にとらわれることなく、チーム医療を通じ社会人として成長する。
— スタッフ教育について
鈴木 医療は、技術と接遇です。
そのため、医院経営においては、スタッフ教育が全てです。
幸いスワン会の法人は今年、24期目になりますが、スタッフはほとんど辞めません。
それは完全に歯科界が下降線のスパイラルに入っているなかでも、微増ながら成長を続けています。
厚生年金問題や昇給を含めて、スタッフが安心しては働ける職場であることです。
当法人の歯科医師は無理して開業はしたくない、と述べています。
— 今後の課題について
鈴木 インプラント・矯正も軌道に乗ってきたましたので、歯を残すための予防歯科をテーマに、二つの歯科医院の開設を進めています。
わたしは、第1回のケアマネージャーの資格を取得していますので、小さい子どもの治療から最終的には、よりシステマチックな在宅歯科医療に向かって、在宅歯科ステーションを設置する予定です。
記事提供
© Dentwave.com