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2009/06/15

学会・学術

患者さんに良質な歯科医療を提供するために

河邊臨床教室 第88 回 定例講演会(上)

河邊臨床教室 第88 回 定例講演会が、6月14日、東京歯科大学 水道橋校舎 2階 血脇ホールで開かれた。

今回は、「患者さんに良質な歯科医療を提供するために」

〜来院から義歯が作られる工程に添ったコ・デンタルスタッフの役割〜をテーマに開かれた。歯科医師、歯科技工士 、歯科衛生士 や歯科企業関係者などが多数参加した。河邊臨床教室の会員(歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士)による事例報告とパネルデスカッションでの講演が行われた。主催者側は、これまで講演会に高名な講師を招いてきたが、今回は以下の意図から講演会を企画し、開催をした。

1)従来の歯科医療は歯科医師対患者、歯科衛生士対患者という図式であった。

2)これからの歯科医療は、歯科医師とコ・デンタルスタッフ(歯科技工士を含む)全員が患者を中心に取り囲み、おのおの専門分野で研鑽を積んだ専門性を生かして連携しつつ上質な歯科医療を行うのが理想だと思われる。

3)そこで、今回は実際に義歯を作製するステップごとにどのようにコ・デンタルスタッフが関与し、その役割を演じて、いかにしたら患者さんの健康と精神の両面を満足させられるかを検討してみたい。

司会進行は奥森 直人さん(相模原市開業医)で、はじめに、河邊臨床教室の酒井勝衞会長が挨拶し、「今回は、河邊臨床教室による実験的なパネルデスカッションを開くこととした。来院した患者さんの総義歯を作る工程で、どのようにコ・デンタルスタッフが関わって、患者さんに良質な歯科医療を行うことができるのかを検証していきたいと思う。事前に歯科衛生士、歯科技工士にアンケートを取り、色々な意見を聞いた。それを参考にして、できるだけパネルデスカッションに反映させたい。今日、出席された方々も義歯が作られていくそれぞれの場面で主人公になって、コ・デンタルスタッフのみんなが、総義歯に関わっているのだということを頭に入れて、パネルデスカッションを聞いていただきたい」と述べた。司会者が、「河邊臨床教室は、義歯の大家であった亡き河邊清治先生の門下生を中心としたスタディーグループである。私が勤務していた河邊歯科医院では、歯科医師と歯科技工士、歯科衛生士のコ・デンタルスタッフの連携により義歯ができて、患者さんが笑顔となって医院を出ていく姿をよく見ていた。コ・デンタルスタッフとの連携の大切さを河邊歯科医院で学ぶことができた」と述べ、今回の講演会の主旨を説明した。院外技工が大半となった今日、それぞれの専門性を活かして、連携することの必要性が義歯の面で忘れられている、という危機感がある。そこには、”患者を中心とする歯科医療”とういう基本理念が希薄になっている。リレー方式の講演であり、第1章は、医療面接は歯科医師だけが行うものではない、として歯科衛生士の役割として、歯科衛生士の竹野 里美さんが講演をした。

<歯科衛生士 竹野 里美さん講演要旨>

患者さんが歯科医院に来院するケースでは、予約のほかに義歯が壊れたことなどを理由に突然来院する場合もある。どのような理由で来院したかを、患者さんから聞くことが必要。コーディネーターの役割を歯科衛生士がする。問診に際しては、歯科医師には言いにくいが、コ・デンタルスタッフにいいやすいことがあると思われる。今までは、痛い、噛めない、外れるが義歯の3大不具原因であった。患者さんから義歯にどのような問題があるのかを、コ・デンタルスタッフが聞くことが必要である。酒井 勝衞会長は歯科医師の立場から講演をした。

<歯科医師 酒井 勝衞会長>

問診表では、事務的なことしかわからない。そこで歯科医師が患者さんと話をすることで、まず、信頼関係を構築する。まず、医学的既往歴、常備薬は必ず確認していくことが大切だ。口腔内の診察では、ベテランの歯科医師と新人の歯科医師ではかなりの差があると思われる。全身の様々な状態が口腔内に表れている。特に糖尿病や最近のシェーグレン症候群が来院するが、唾液の量が少ない。この場合は、義歯を作る場合は要注意である。薬を飲むことで、口の乾燥症ともなっている。これまで患者さんが使用していた義歯の不満点を聞く。次いでレントゲンによる診査をする。歯槽骨の状態、顎関節の状態を一応、把握して置くことが必要である。診察、検査し、治療計画を立てる。また、義歯がうまくいくことを、あらかじめ設定して置くことが必要である。問診ではまず、患者さんを安心させることであり、できるだけ平易な言葉で話をし、説明をする。歯科衛生士などコ・デンタルスタッフが聞いた主訴を、もう一度歯科医師は自分の耳で聞く。その際は、旧義歯とこれから作っていく義歯に、患者さんの不満を解消していくことができるかを考える。旧義歯が落ちるとしたら、どうして落ちるのか。普段は落ちないが食べているときに落ちるのか。また、安定しない義歯は、顎提に問題があるのか。それとも義歯の作り方に問題があるのか。咬合口径に問題があるのか。その原因を探る。義歯を診査、調整している間に、患者さんから聞くことで、旧義歯の問題点を探り、新義歯製作に参考にし、難易度を判断することが大事である。義歯には、支持、安定がある。そこで、一次印象についての注意点を、コーディネーターの東京歯科大学名誉教授 腰原 好先生から話をしていただきたい。

(明日に、つづく)

 

医科歯科通信記者

長年にわたり歯科界の動きをチェックし、鋭い視線で切り込みます。茨城県出身。(医科歯科通信)

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