抗がん剤治療にともなう口内炎は薬による直接的な作用と抵抗力の低下による細菌などの感染により発生します。
発生頻度は30〜40%と比較的高い副作用ですが、重くなると治療の継続に悪影響を及ぼすこともあります。
抗がん剤治療中に次のような症状がみられた場合には、放置せずに、ただちに医師、歯科医師あるいは薬剤師に連絡してください。
「口のなかの痛み・出血・熱いものや冷たいものがしみる」、「口の乾燥、口のなかが赤くなったり腫れる」、「口が動かしにくい」、「ものがのみこみにくい」、「味がかわる」
抗がん剤による口内炎
1.口内炎とは?
口内炎とは、口の中にあらわれる粘膜の炎症性病変をいいます。
抗がん剤によってできる口内炎は、抗がん剤が口の中の粘膜にも作用して障害を起こすことがひとつの原因です。
また、抗がん剤による抵抗力の低下に基づく、口腔内の細菌感染などから生じることもあります。
口は、歯以外の部分が粘膜に覆われており、食べ物の咀嚼そしゃく噛み砕く)、消化、嚥下えんげ(のみこみ)などの食事にかかわる働き、味覚のように食欲にかかわる働き、会話にかかわる働きを持っています。また唾液は口の中を湿らせて咀嚼を容易にし、味覚を助け、食べ物をのみこみやすくし、口の中を清潔にする働きがあります。
口内炎ができると、これらのたくさんの働きが障害されることになります。
2.早期発見と早期対応のポイント「口のなかの痛み・出血・熱いものや冷たいものがしみる」、「口の乾燥、口のなかが赤くなったり腫れる」、「口が動かしにくい」、「ものがのみ込みにくい」、「味がかわる」などの異常に気づいたときや、不快な症状があるときは医師、歯科医師または薬剤師に相談してください。
抗がん剤の投与後、数日から10 日目ごろに口内炎が発生しやすくなります。
また、痛みにより食事・会話がしづらくなるため、症状の悪化にともなって体力低下の身体的苦痛はもちろんのこと、イライラや不眠など精神的にも大きな苦痛をともなうことがあります。
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