公開フォーラム「かむことは食育の入口」(上)

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第28回日本顎咬合学会学術大会・総会の公開フォーラム「かむことは食育の入口」は6月13日、東京・千代田区丸の内の東京国際フォーラムホールCで開かれた。

車いすの対応と手話通訳が行われた。

かむことは食育の入口

〜幸せをかみしめて!!〜

よくかめば、キレない、ボケない

が統一テーマであった。

以下が概要である。

「食卓の向こう側に見えるこの〜命の入り口 心の出口」

—だから食育なんだ—

佐藤弘さん(西日本新聞社 編集局 編集企画委員会)

「食べる」前には「作る・捕る」もある。

西日本新聞社で連載「食卓の向こう側第13部」で、「食べる」と「出す」を取り上げたが、「噛む」が欠けていた。

まさに口は健康のシグナル。

全身の病とつながっている。

しかし、我が国ではほかの病気に比べて、歯科の優先上位が低いのはなぜだろうか?

口を命の入り口にするのか、病の入り口にするのか?

痛くなる前の定期口腔ケアが根付き、健康を維持すると同時に、膨れ上がる医療費に歯止めがかかるような仕組のみができるかどうかだ。

それは、私たちの意識いかんに関わっている。

「口の健康と食べる機能の発達」

増田純一さん(マスダ小児矯正歯科医院院長)

命の入り口である口の中心にあるのが歯である。

食べる、噛むための歯は命の柱である。

生涯にわたる口の健康指標として、私は「30・60・1200(サンゼロ・ロクゼロ・イチニイゼロゼロ)」をあげている。

「3歳まではむし歯ゼロ」

「6歳臼歯萌出から3年間むし歯ゼロ」

「12歳で永久歯むし歯ゼロ」

食べることは生きること。

その中心にある歯の健康づくりは乳幼児期からすでに始まっている。

「噛めんば噛むほどダイエット!」

〜ねざそう!噛ミング30〜

武井典子さん(日本歯科衛生士会)

よく噛むことで、少ない摂取量で満腹感が得られる。

インスリンの分泌量を少なく抑えられることが確認されている。

よく噛むことは誰でも実施可能なダイエット法である。

30回か噛むことは、インスリン分泌を抑え、膵臓に優しい食べ方であることが示唆されている。

「学校における食教育と噛んで味わう楽しい食事」

石井克枝さん(千葉大学教養学部)

学校における食教育は、主に家庭科の授業と給食のなかで行われる。

第1は栄養教育と結びつけられる食教育。

第2は食材の性質と調理方法、おいしい食事を味わう教育である。

噛んで味わう楽しい食事については、具体的な食事作りに位置づけたれる。

栄養のバランスを踏まえた食材の硬さ、粘り、歯触り、口触り。

色・形、香り(臭覚)、味、噛む音、温度などにも影響される。

「愛は食卓にある」

鈴木豊さん(キューピー株)

人が生まれて、最初にとる行動は「吸う」という行為が衝動的に始まる。

これは本能の行為である。

「噛む」という行為は本能からではなく、食べ物を認知することかた始まる「意識」した行為である。

この大切な行為が近年、疎かになってきた。

それは、健康や生きがいに重大な影響を与える可能性がある。

また、高齢化が進むなか、咀嚼、嚥下機能が低下した方も増えている。

おいしく噛み続けられることの必要性が高まっている。

人はぜ食べるのか? よりよく生きるための食事である。

また、単に生きるための食事ではなく「人生を楽しむ」という特権を人間は持っている。

人間が雑食の動物であることに関わりがあり、進化とともに様々な味を楽しむことができる「味覚の発達」により、「人生を楽しむ」ことが形成された。

味覚は生涯鍛えられるので、口を健康な状態に保つことが大切だ。

家族と一緒に食卓を囲む頻度が減少している。

これは「心身機能」や「人間関係の構築」へ影響をきたすと言われている。

人間関係が複雑な現代だからこそ、食事が持つこの意義を大切にしていく必要がある。

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