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ニュース

2009/07/13

セミナー・イベント

「今後の歯科医療を変えよう!」

NPO法人歯科医療情報推進機構主催のシンポジウム(上)

NPO法人歯科医療情報推進機構主催のシンポジウム「今後の歯科医療を変えよう!」は、7月12日、(財)がん研究振興財団国際研究交流会館で開かれた。

<基調講演1>

歯科医療の議論における情報収集と情報発信の重要性

堀憲郎さん(日本歯科医師会理事・ 社会保険担当)

 中医協の論議を通じ、「歯科医師の常識」が「歯科医師だけの常識」である部分を知った。医療制度崩壊の危機という認識が、何故国民の声にならないのか。私たちの情報の咀嚼、情報の発信に問題があると感じている。「歯科医師の考える歯科医療と患者の考える医療のギャップをどう埋めるか」が問題である。

(堀さんは、日本歯科医師会の大久保満男会長が、自民党議員たちのヒヤリングで紹介した高齢者の咀嚼と、QOLの改善例を紹介した。よく噛める義歯を高齢者は装着し、きちんと食事をすることで、曲がっていた腰が治り、ちゃんと歩くこともできるようになり、最終的に庭仕事も始めるほど元気に回復したケースである。さらに、痴呆症と思われていた高齢者が義歯を装着することで、言葉を発して自分の生年月日も言えるようになり、表情までいきいきし、若返ったことを紹介した)。

<基調講演2>

エビデンスに基づく唾液検査とインプラント治療の導入による包括的オーラルケアが歯科医師需給問題に与える影響

花田信弘さん(鶴見大学歯学部探索歯学講座教授)

 口腔と全身的な健康状態の関係の主要な原因は、もともと齲蝕に起因する歯性病巣感染であった。ところが、歯科保存学の進歩により、齲蝕の続発症である根尖病巣は減少した。新たに歯性病巣感染の原因として浮上したのが歯周病である。歯周病菌は、歯周組織に限らずさまざまな臓器に炎症を引き起こすので、全身的な疾患との関連が重視されている。 さらに歯の喪失と栄養摂取障害の関係が示され、高齢者においては、齲蝕と歯周病による喪失歯の増加が栄養学を通し全身疾患の「共通リスク因子」になっている。 そこでエビデンスに基づく唾液検査とインプラント治療の導入が推進され、新しい技術を取り入れた包括的オーラルケアが求められている。子どもの齲蝕を減らすことに意味があり、大切なことである。 しかし、それでもって終りにはできない。12歳児のDMFTの数値をもってはじきだすが、それは正しい数字化?また、8020達成者の率が問題とされるが、8020に達しない人も増えている。年齢とともに抜歯は増えている。ホワイトニングが行われているが、エナメル質はきれいでも、歯髄カリエスになっている。歯を失わない努力を行っていくことが必要である。齲蝕、歯周病も唾液検査で、細菌学的にコントロールすべきである。12歳児のDMFTの数値ではなく、日本人全体で見ていくと、60代、70代で抜歯が増えて、インプラント治療が行われている。 歯科医師の削減問題で対応してよいのか。このままでは、社会的歪みが生じる。例えば、高血圧は本当の疾患ではない。脳卒中、動脈硬化、糖尿病による網膜症は本当の疾患である。診断が遅いだけで、齲蝕、歯周病の早期診断、早期診療は可能である。

医科歯科通信記者

長年にわたり歯科界の動きをチェックし、鋭い視線で切り込みます。茨城県出身。(医科歯科通信)

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