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かつて歯科医院にとって「紙」は、診療を支える欠かせない存在でした。診療ノート、問診票、予約台帳、受付管理──これらはすべて紙によって成り立ち、日々の診療業務は紙の束の中で回っていました。
しかし近年、スタッフの人手不足、業務の属人化、感染症対策、そして患者ニーズの多様化といった現場の課題が顕在化する中で、「紙を使い続けること」自体が、医院経営のボトルネックとなりつつあります。
本連載では、全6回にわたり、Dental eNoteの導入により経営改革に成功した歯科医院の事例を通じて、「歯科DX=大きな投資や技術導入」と捉えがちな考え方を一度リセットし、日々の診療の中から始められる小さな変化からはじまる経営改革のヒントを探っていきます。
第4回目は、クレモト歯科なんば診療所の事例を紹介いたします。

『現場から始まる歯科DX』ー紙からの開放で変わる歯科経営改革
第1回「受付無人化」への挑戦 ─全6回シリーズ連載 『現場から始まる歯科DX』
第2回MFTを紙運用からデジタルへ──スタッフ主導で4,000万円増益を実現した舞台裏に迫る『現場から始まる歯科DX』
第3回患者が増え続ける「夕方5時までの歯科医院」──1日200名を9台のチェアで残業なしを実現
第4回【今回はこちら】「カルテ待ちで診療が止まる」をゼロに──6院・90名体制がわずか1週間で歯科DXを実現『現場から始まる歯科DX』
第5回訪問診療で月230名を診る残業なしの医院──“紙カルテの山”を抱えた階段往復からの解放『現場から始まる歯科DX』
第6回12月15日に公開予定

「カルテ待ちで診療が止まる」をゼロに──6院・90名体制がわずか1週間で歯科DXを実現『現場から始まる歯科DX』

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紙カルテからの脱却が始まり

大阪市浪速区・JRなんば駅徒歩5分にある「クレモト歯科」は、根管治療を専門とする呉本院長先生が2015年に開業した総合歯科です。現在はグループ院を含め6つの診療所、チェア37台、スタッフ90名を抱える大規模体制へと成長しました。
しかし、規模拡大に伴い紙カルテの出し入れ作業が大きな負担となっていました。準備や片付け忘れによる紛失、同時書き込みできない不便さ、写真データの活用にかかる時間…。こうした課題を解決するため導入されたのがDental eNoteです。

1週間でスピード導入

導入を主導したのは、当時現場を兼務しつつDX推進を担っていた三輪様。カルテ管理の非効率に悩んでいたとき、他院の事例を目にし即座に見学へ。わずか1週間後、連休を返上してカルテの取り込み作業を行い、本格運用を開始しました。
結果、紙カルテは院内から姿を消し、前日のカルテ準備や「カルテが見当たらない」という声もなくなりました。呉本院長先生は「あの出会いは運命だった」と振り返ります。
Dental eNoteの導入によって次の4つのストレスが減少していきました。

ストレス1:「カルテがない」をなくす

Dental eNote導入により、カルテはタブレット検索で即座に表示可能に。前日準備や片付け忘れ、紛失のリスクは消滅しました。これは「全く生産性のない仕事」を排除した大きな効果でした。
副次的効果にはなりますが、カルテの減少により院内の清潔さも増し、患者にも好影響を与えるツールとなっています。

ストレス2:「順番待ち」をなくす

また、紙カルテでは、誰かが書き込み中は他のスタッフが待たねばならず、診療が滞る場面が頻発していました。
「同時に何人でも書き込みができ、瞬時に反映されるのが大きな魅力です。Dental eNote以外のデジタルノートでは同時書き込みができないため一人が書き終わるまで待たなくてはなりませんが、Dental eNoteを利用することによってカルテの順番待ちがなくなり、診療中・診療後問わず、すぐに次の作業の準備に進めるようになりました。」と三輪様。写真や検査結果をすぐ貼り付けて共有できるため、次の動きが即座に取れるようになり、スタッフ連携は劇的に向上しました。

ストレス3:「判断の後回し」をなくす

導入前は、院長先生が外出時に手元にカルテがないため、電話で状況を共有するのに時間がかかり、最終判断を「医院に戻ってから」と後回しにするケースがありました。現在は外出先や他院からでも最新情報を確認でき、その場で判断・指示が可能に。導入によって、多くの先生/スタッフの方々とつながり、タイムリーに情報共有が進むことによって、多くの先生方の意思決定スピード向上につながっています。
さらに、院内勉強会では症例写真をZoom画面で共有しつつ、配布資料を各自のiPadで閲覧できるようになるなど、教育・研修の質も高まりました。

ストレス4:「操作に迷う」をなくす

Dental eNoteは「紙と同じ感覚でページをめくり、自由に書き込める」ことが特徴です。三輪様は「写真を撮影してその場で貼り付けられるのが便利」と語り、院長先生も「思いついたことを直感的にパッと実行できる操作性こそが決め手」と評価されています。

他のアプリも試したものの、細かな使い勝手の積み重ねでDental eNoteが圧倒的に優れていると結論づけました。

テンプレートとツールボックスでさらに効率化

クレモト歯科では問診票をテンプレート化し、患者が記入した内容を診察前に共有できる体制を整えています。スタッフは事前に治療を予測して準備でき、診療はチェアに座った瞬間からスムーズに始められます。
今後は、診療所ごとに「ツールボックス」を充実させ、よく使う機能や資料を登録することで、さらなる効率化を図る予定です。

人材育成にも活用

Dental eNoteは、新人教育のマニュアル整備にも活用されています。複数の診療所があるためルール整備は複雑ですが、動画教材を組み合わせたマニュアルで学びやすさを追求。
また、1年目から9年目まで幅広いキャリアのスタッフが在籍しており、「少し上の先輩、少し下の後輩」が揃う理想的な環境を形成。結果として、経験豊富で優秀な人材が育ち、定着にもつながっています。

DXの本質は「人間にしかできないことを守る」

呉本院長先生は「DX=人件費削減」という見方に一石を投じます。
「受付の少人数化は進むだろうが、スタッフと患者の対話は不可欠。人間でなくてもできることはDXに任せ、人間にしかできない温かいコミュニケーションを守りたい。そのための強力なツールとしてDental eNoteに期待している」と語ります。

今後の展望 ― 社会貢献へ

導入から4年、十分な成果を上げてきたクレモト歯科ですが、院長先生は「まだシンプルな使い方にとどまっている。MetaMoJiに伴走してもらい、さらなる活用法を模索したい」と期待を寄せます。
また「子どもの歯の健康を社会に広めたい」というビジョンのもと、20名の保育士と共に2つの保育園を運営。鼻呼吸を促し、骨格の正しい成長をサポートすることで、将来の歯並びや健康を守る取り組みを行っています。

まとめ

クレモト歯科は、紙カルテからの脱却を皮切りに、Dental eNoteで業務効率と情報共有を大幅に改善しました。結果として、診療の質とスピードが向上し、人材育成や社会貢献活動にも波及しています。
「カルテがない」「待たされる」といった非効率を排除し、患者とスタッフ双方に価値を提供する仕組みこそが、同院の強み。今後もDental eNoteを活用し、地域社会に貢献する大規模歯科として進化を続けていきます。

その他第6回全シリーズはこちらから!

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第6回 12月15日に公開予定