「歯並びは“結果”でしかない」──口腔機能発達不全症への本質的なアプローチ
こはな歯科は、2019年開業の総合歯科クリニック。子どもから高齢者まで幅広い層の患者を対象に診療を行い、現在は12名のスタッフと5台のユニットで運営されています。
院長の田中先生は、こう語ります。
「歯並びは“結果”であって、原因ではありません。小さな頃から口腔機能発達不全症の療法であるMFT(口腔筋機能療法)に取り組むことで、改善されるケースはたくさんあると考えています。」
こうした考えのもと、こはな歯科では、MFTにつながる“チェック項目”の確認作業に多くの時間を要していたため、医師による紙での運用に限界を感じていました。
「自分が診なくても加算が取れる仕組みを」──デジタル導入の狙いと決断
2018年、口腔機能発達不全症が保険適用となったことで、管理指導料の算定が可能に。
田中院長はこう考えました。
「初期投資が必要でも、仕組みとして加算が取りこぼされない設計ができれば、自分はノータッチでも、スタッフ主導で利益を上げられる体制がつくれるはず。」
こうした狙いから、Dental eNoteの導入を決定。効率化だけでなく、「収益を生む仕組み」の一部として位置づけたのです。
準備期間4ヶ月──収益につながる“フォーマット”を構築
導入にあたって想定された準備期間は4ヶ月。
これは、院長が受講したセミナーで「定着には4ヶ月ほど必要」と学んだことがきっかけでした。
その間に目指したのは、スタッフ主導でMFTを推進できる運用の構築。「何歳の子が来院したら何をするか」が一目で分かる年齢別フローや、診療時に確認すべき項目を一覧化したテンプレートなど、スタッフが迷わず動ける仕組みを徹底的に可視化しました。
「自分の役割は“仕組みづくり”。算定に関わる項目をすべてデジタルフォーマット化し、スタッフが自然と動けるように整えました。」

MFTを支える「動画テンプレート」──“百聞は一見に如かず”
田中院長は、MFTにおける“視覚情報”の重要性を強調します。
「歯並びが乱れるのは“結果”。その原因を伝えるには、言葉より動画が圧倒的に伝わる。」
Dental eNoteは動画との親和性が高く、唇や舌の動かし方、呼吸の様子、歯周病菌の顕微鏡動画など、さまざまな視覚情報を診療ノートに登録可能。
トレーニング用の動画テンプレートをあらかじめ多数用意し、スタッフはそれを活用して患者に説明しやすくしました。
また、患者ごとの動画をノートに貼り付けて記録を比較することで、個々の特徴に応じた治療設計も可能に。MFTのスムーズな運用を支える基盤となっています。

Ce加算を取りこぼさない──“売上に直結するテンプレート”の工夫
Dental eNote導入のもう一つの決め手は、「加算を取りこぼさない仕組み」をつくれることでした。
「Ce加算は年齢制限がなく、全世代で収益に繋げられる。iPadに画像を一元化すれば、撮影・記録・算定の流れがスムーズになる。」
例えば、患者ノートのタイトルに「Ceあり」とメモを記載したり、写真を貼る欄があらかじめ用意されたテンプレートを使用するなど、細部まで配慮されています。
さらに、紙カルテ時代には難しかった“遡っての確認”も、カラー分けで工夫していた経験を活かし、デジタルでもドクターと衛生士用の情報を整理しやすく設計。
欄外の自由記入スペースも活用し、スタッフ間の引き継ぎもスムーズに。
4,000万円の増益──“仕組み”が支えた成果と人材活用
導入後、同院の収益は4,000万円増加。しかもその成果は「院長の頑張り」ではなく、「スタッフによる運用の成果」だと語られます。
「トレーニングの記録が共有されることで、スタッフ同士が成長できる環境ができた。自分の仕事は仕組みづくり。あとは任せておけばいい。」
この成果は給与にも還元され、離職者はゼロ。さらに「子どもの口腔機能に関わりたい」という応募が増えるなど、採用面でも好影響が現れています。

「メリットが手間を上回る」──導入のハードルと工夫
iPad未経験のスタッフもいましたが、大きな苦労はなかったといいます。導入当初はApple IDの管理など、運用体制面での工夫が必要でした。
「紙からの移行は“一部だけ”では意味がない。全体が変わるからこそ価値がある。スキャンの手間よりも、管理・保管・共有のしやすさのほうが圧倒的に上回る。」
こうした理解が浸透し、全スタッフが納得して使える体制が築かれました。
保険改定にも“自然と対応できる”医院へ
現在、こはな歯科では小児の来院割合が全体の3割。来院患者には必ず口腔機能発達不全症のスクリーニングが行われており、この運用自体が医院の差別化につながっています。
「記録の積み重ねが、結果として施設基準の実績になる。自費に頼らなくても、加算のある保険診療で十分に積み上げられるようになった。」
この取り組みによって、保険改定にも柔軟に対応できる基盤が整い、今後はテンプレート設計や予約システムとの連携も視野に入れているといいます。
「紙から仕組みへ」──自走するチームが、医院を育てていく
院長のもとで始まったテンプレート設計も、今後は増員されたスタッフによって、運用から拡張へと引き継がれていく予定です。
スタッフが動き、利益が生まれ、モチベーションと採用にもつながる。
Dental eNoteの活用は、単なるペーパーレス化ではなく、医院経営の仕組みそのものを変える“経営ツール”として機能し始めています。
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