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2016/02/29

日常臨床の“あるある”を見直す 補綴再製ゼロプロジェクト チェアサイド編 (2) スタッフみんなで共有したい! アルジネート印象材の寸法変化について

話の内容:補綴に関わるチェアサイドとラボサイドのやりとり、日常臨床の“あるある”を検証していきます。難しい話はありません。どちらかというと当たり前のことも多いです。でも、先生は知っていても、スタッフは知らないかもしれません。その中に技工物の再製作や調整過多の原因があるかもしれません。気楽な気持ちで読んでください♪

2. スタッフみんなで共有したい! アルジネート印象材の寸法変化について

アルジネート印象材は扱い方によって変形します。特に、印象採得後、どのように保管するかが大きく影響します。それはアルジネート印象材の主成分が“水”だからです。前回のこの実験を説明すると…

03 左から「湿箱中」「水中」「空気中」

アルジネート印象を水中に入れておくとキャップが戻りません。これは、アルジネート印象材が水分を吸ってブクブク膨れてしまったんですね。水膨れ状態です。だから、キャップが戻らない。

ある現場では、印象採得後、水中に保管して、お昼休みとか診療終了後にまとめて石膏を注ぐ、ということがありました。また、ある現場では、石膏注入後に湿箱に保管していましたが、湿箱内の水がアルジネート印象材に接していて吸水状態、ということがありました。どちらも寸法変化の元ですね。

アルジネート印象を空中に置いておくとキャップと印象体に隙間ができます。これは、アルジネート印象材の水分が乾燥して干からびてしまったんですね。やせ細った状態です。だから、キャップがスカスカになる。

こちらも、印象採得後、そのまま放置してまとめて注ぐ、という現場がありました。これはバツですね。印象トレーの柄をさして保管というのはよく見る光景ですが、厳密には、印象採得後、石膏を注いで1時間は湿箱環境に保管しておきたい。

graph 参考文献:土生博義.臨床に役立つ歯科理工学.歯科技工2002 改変

この寸法変化は理工学的にもでているのでご参考ください。印象採得後、5分位から水中、空気中、ともに寸法変化が起きているのがわかります。

結果として、技工物の精度は落ちるため、再製作や調整量も増え、患者さんにも迷惑がかかり、スタッフも大変な思いをする…。患者さんがいっぱいで忙しいから、とった印象は後でまとめて石膏を注ごう!しかもそのほうが効率的♪というのが、逆に非効率を生み出しています。

だから、アルジネート印象後はすみやかに、できれば5から10分以内には石膏を注入して、石膏の初期硬化が落ち着く1時間は湿箱保管が望ましいです。これをどう臨床の中でオペレーションしていくかを、スタッフみんなで考えると、意識が高まってきます♪

まぁ、そうは言っても「なかなかすぐに石膏を注げないよ」という声も多いので、次回はアルジネート印象材を扱う上でとても有効なアイテムをご紹介しますね!

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