2018 China Dental Show (CDS) レポート1

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佐野 隆一

 2018年8月29日から9月1日まで、中国の上海、National Exhibition and Convention Centerにてチャイナデンタルショーが開催されました。30以上の国から600以上出展者が参加する、中国でも規模の大きなデンタルショーです。
 このデンタルショーでは、地元中国や各国の大手メーカーのほかに、日本や韓国、パキスタンなど、国ごとにまとまって展示をしています。また、新製品などを展示するメーカーだけでなく、日常使用するバーやセメントなどを販売する地元販売店なども出店しているのが特徴です。
 また、上海には2つのデンタルショーがあるのですが、こちらは共同主催に中華口腔医学会(日本でいう歯科医師会)があり、講演内容も充実しているのが特徴です。展示会場の周りに20以上の講演会場が設置され、会場ごとにテーマが設定。演題だけでも200以上、各出展ブースでの講演も含めると様々な内容が連日発表されていました。
 筆者は2年前にもCDSに参加していて、その時との違いを感じることで、中国の流れを感じることができました。今回はそのご報告です。

National Exhibition and Convention Center(HPより)。中国を代表する国際展示場

建物の入口から街を撮影。2年前から引き続き、街の至るところで工事、現在進行中で街が発展している


建物内部にあるデンタルショーの看板。修理保全なのか、拡張整備なのかはわからないが、建物内でも工事が行われている

会場入口にある展示案内と警備。建物や地下鉄では、金属探知機とX線検査装置を通過する必要があり、セキュリティは日本より厳しい


看板の一部拡大。日本やパキスタンなど、国ごとにグルーピングされている。周りにある青いスペースは講演会場

展示場内にある講演会場。大きいテントのようなもので、会場と区切られている


 筆者がこのデンタルショーに参加した理由は、日本の出展者組合が企画で講演発表するためです。テーマは「補綴再製をなくすための臨床テクニック~印象編~」で、今年の6月に医歯薬出版から発売された筆者の書籍『補綴再製をなくすための臨床テクニック24』から、印象の項目をピックアップしたものです。
 補綴物の再製が問題となるのは日本に限らず、世界共通のことです。そこに関わる印象というのも世界共通の作業です。しかしその中で、寒天アルジネート印象というのは、日本では一般的でも、世界では一般的ではありません。中国では日本製寒天印象材『海神』(デントロニクス)が販売されているので、この印象材を事例に、シリコーン印象材や口腔内スキャナーと比較して、どういう使い分けが臨床に有効なのかを話しました。

会場内の講演プログラム一覧の一部拡大

講演中の筆者


 2年前のCDSでも、印象について講演をさせてもらったのですが、その時よりも多くの方が来場されました。「補綴再製をなくす」というテーマにしたことも関係あるかもしれません。
 参考として講演中にとったアンケートでは、来場者の7割がシリコーン印象を日常的に使用し、他はアルジネート単体。口腔内スキャナーはいませんでした。口腔内スキャナーも含めたデジタルをテーマにした講演会場もあったので、会場によって、この割合は変わってくるとは思います。ただ、中国で開業している歯科医にも確認したところ、リアリティーのある数値とは言っていました。
 日本の印象や、そこに関わるチーム医療について2時間、通訳を交えながら話をさせていただきました。中国の方がどう捉えたかはわかりませんが、皆さん最後まで残って、講演後には臨床的な質問もあり非常に熱心でした。

 広い会場にはポスター展示もあり、審美やデジタルが目につきましたが、エンドや義歯など、様々な内容が展示されていました。メモを取ったり、スマホで撮影したりと、非常に熱心な人がいる一方、隅で寝ている人もいる。このギャップが非常に中国らしいと感じます。

ポスター展示。審美やデジタルなどの症例が多くあった。手前に映っている人は清掃員

会場奥にあるポスター展示。熱心に見ている女性二人、その奥に寝ているおじさん…


 私の個人的な感想としては、中国は非常にまじめで臨床レベルの高い方とそうでない方の差が激しいように思います。筆者は20年前の学生の頃に、短期留学という名の半分は遊びで、1カ月ほど北京に滞在していたことがあったのですが、そこで交流してくれた中国学生の頭の良さとか性格の良さに恐れ入ったことがありました。
 会場でも、そうしたギャップを至る所で感じました。メーカーブースでの講演でも、興味があれば足を止めて、どんどん質問する。どん欲に知識を吸収する姿勢はなかなかです。

メーカーブースでのエンド講演。熱心な姿勢が見えた

メーカーブースでの義歯、インプラントの講演。足を止めてみている人が多かった

次は展示会でのレポートです。どんなギャップがあるのか、楽しみにしてください!



■佐野隆一 / 株式会社ラボコミュニケーションズ 代表取締役
院内技工士、ドイツ歯科メーカー経験後、歯科技工と研修、コンサルティング業務を組み合わせた歯科医院サポート型ラボを開設。講演や執筆など幅広く活動中。

◆株式会社ラボコミュニケーションズ
Mail:info@ddrc-1.com
URL:http://www.ddrc-1.com

◆書籍
歯科医院のスタッフ全員が取り組める すぐに臨床に活かせるヒントが満載!
『チェアサイドとラボサイドで共有したい 補綴再製をなくすための臨床テクニック24』医歯薬出版株式会社


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