第4回 事業承継や家族の絆も脅かす相続問題

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こんにちは。税理士の三沢です。 今回は信託に着目して、色々な角度からこの信託についてお話をしたいと思います。 信託という言葉で、まず思い出すことは何でしょうか?信託銀行・遺言信託・商事信託・民事信託・・・信託という言葉は最近よく目にする言葉かもしれません。そもそも信託とは簡単に言いますと、【ある人(委託者)が信頼できる人(受託者)に財産を名義ごと移転し、受託者が委託者の設定した目的に従い、委託者の指定する人(受益者)のためにその財産の管理・処分等の必要な行為をすること】を言います。この信託に関係する幾つかの内容を簡単にまとめたいと思います。 遺言信託 信託銀行の前を通ると、よく、この遺言信託のポスターを見かけるかもしれません。 この遺言信託とは信託銀行が依頼者の財産について分与の相談を受けて遺言書の作成を手伝い(この言葉がミソで、あくまでも手伝いのため、信託銀行が作成の主導権は握ってはいけないのです)、保管や死後に不動産の名義変更登記や株式・預金等の名義変更・換金などの執行業務を代行することです。 つまり、簡単に言うと、財産の名義変更を中心に行うのですが、例えば不動産の名義変更登記は司法書士さんへ、税務の申告は税理士へ、遺言の内容や効力等について揉めた場合は弁護士さんに依頼(料金はすべて別料金、つまりそれぞれの専門家から別途請求がなされます。)しますから、実質は預貯金や有価証券の名義変更手続きくらいしか行ってくれません。料金は契約時に○○万円、執行時(死亡し財産の名義変更時)に、最低でも100万円(税抜き)財産が3億位だと400万円弱、10億であれば800万円弱の手数料が請求され、ほとんどの方がびっくりしてしまいますから、どのような説明がなされているかは不明です… 類似するもので遺産整理業務というものもありますが、遺言信託と行う業務も報酬も大差はありません。 商事信託 業として行う信託であり、許可を受けた信託銀行や信託業の免許又は登録のある信託会社に限定され、厳しい規制を課し、金融監督当局による監督がおこなわれることとなっており、これを商事信託(営業信託)といいます。 一般的に○○信託銀行とか株式会社○○信託などと呼ばれる会社がこれに該当します。 民事信託 商事信託と対比されるのが民事信託です。商事信託は業として行われるのに対し、民事信託は業とおこないませんので、多くの場合は親族内でおこなわれます。 教育資金信託 平成25年4月よりスタートした一定の要件を満たした教育資金の一括贈与を非課税とする税制優遇制度です。期限は27年12月31日までですが、今後は期限も延長し、教育資金に限らず、使途を出産や結婚費用等にも拡充をするという議論もなされております。 この教育資金の一括贈与は、信託銀行等と教育資金管理契約を結び、教育資金に使われることを条件として、直系尊属からの最大1500万円までの贈与について贈与税が非課税とされる制度です。 > 詳しくはこちら  今後の信託について 信託は日本ではまだまだ、一部の富裕層のみが活用している状況ですが、今後は、民事信託を中心に広がりを見せると思います。アメリカではこの民事信託が非常に発展しています。 これは、日本の遺言制度ではどうにも解決できないことの多くが、この民事信託を活用することにより解決することができるからです。民事信託の活用方法やメリット・デメリットにつきましては、また次回以降で要点をまとめて記載したいと思っております。
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