開業前はコレが重要!開業医たちの苦労と困難

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みなさん、こんにちは。仮想通貨で失敗してしまったルーキー片岡です。
今回、私が気になったことは「開業医の本音」です。
最新のデータで歯科医師の数は10万人超と発表されましたね。
1960年代頃は虫歯の患者も多く、歯科医師が足りないとも言われていましたが、現在はその逆で、「歯科医師過剰」と呼ばれていることはご存知だと思います。
医科では内科、小児科などのように1つの病院内で分科されていますが、歯科ではその傾向が少なく、多くの歯科医師が開業を選択しています。
そのため、歯科医院の数もみるみると増えていき、現在約70,000件の歯科医院が存在します。
しかし、厚生労働省のデータによりますと年間で2,000件が開業し、1,600件が廃業しています。単純計算で東京都内では1日5件の歯科医院が閉院しているということになります。(厚生労働省「医療施設調査・病院報告の概況」2014年)
これだけ競合が多い歯科業界において、『開業』とは非常に難しいことであると感じました。そこで実際に現役開業歯科医師たちは、開業に対してどのような苦労を経験し、生き残る術を持っているのか調査しました。
早速、その結果を見ていきましょう!
開業時に最も苦労したことは何ですか?
第1位には資金調達がランクインしました。
歯科医院の開業時には約5,000万円以上の大金が必要と言われています。社会的信頼度、返済の見込みを表すための事業計画作りなど、お金を借りるだけでも相当な苦労が必要だと予想できます。
そして2位にはスタッフに関するものがランクインしました。「いざ開業してみたらスタッフ数が足りなかった」「患者の割にスタッフ数が多過ぎた」「教育マニュアルを作っていなかった」などスタッフに関する計画を開業後に始めてしまった先生方が多いようです。患者と触れ合う機会も多いスタッフの採用教育計画は、重要な要素として把握しておく必要が高いようです。
第3位は物件探しで、「どんなに他が良くても、地域選びを誤るだけで経営は上手くいかない」という方がいるほど物件探しも重要です。
では、この3つの要素に対するアドバイスを見ていきましょう。
資金調達
「開業前に自己資金を集めておくこと」
「事前の預金準備、銀行への預金をしっかりするべき」
「銀行以外の調達先や複数の銀行から資金調達に関する資料等を取り寄せて検討する事」
「複数の金融機関と交渉すべき」
開業前はある程度の資金を確保すべきという意見と、一つの調達先だけでなく多くの調達先の調査をすべきという意見が大半でした。
大きなお金を借りるため、調達資金先選びには慎重な判断が求められるようです。
そしてお金を借りる信頼度の証明として、ある程度のまとまった開業資金を準備することも自分の理想の歯科医院を開業する上で大切なようです。
スタッフ関連
「マニュアルをしっかり作り、更新し、さらにテストを行っていかないといけない」
「院長、医院のビジョンを明確にし、スタッフに理想のスタッフ像を提案すること」
「スタッフ教育を最初から、行うことが大切。途中から始めると、仕事が増えた感じがして、スタッフへのウケが悪い」
スタッフ教育は採用前からしっかりとマニュアル化し、開院当初から教え込むということが教育を浸透させる上で大切なようです。
スタッフ、患者さんにとって居心地の良い環境作りをするためにもマニュアルは必須です。
物件探し
「立地をきちんと考えるか、立地のことがわかっている人に相談して、集客に困らない立地での開業をするべき。」
「過去10年間の人口の増減、1日の昼と夜の人口の動向、今後の地域の発展性など土地のマーケティング調査を入念に行うこと」
物件探しはマーケティング調査が必要だという意見がほとんどでした。
その土地の現状だけでなく、過去、未来を調査して、今後この場所で開業していけるかどうかを見極めることが必要なようです。
開業前に上記のような入念な準備をすることが競争率の高い歯科業界で生き残っていくための術に繋がっていくと考えられます。
歯科医師としての技量だけでなく、経営者としての努力も必要な開業医。
普通のサラリーマン以上に業務や考えることが多く、大変なイメージが湧きます。
では、そんな開業医たちは自分の仕事をどのように評価しているのでしょうか?
開業医に相応しいと思う年収は?
なんと過半数が「2,000万円以上」と回答しています。
自分たちの仕事にはそれだけの価値があり、仕事に対して誇りを持っているということが伺えます。
さらに歯科医師として理想が実現しているかどうかを確かめるためにこのような質問をしました。
開業医になって理想の年収をもらっていますか?
こちらは先ほどの結果と相反して、過半数が「いいえ」と回答しています。
歯科医師の多くは自分が求める理想に達していないことが分かります。しかし、それだけ理想を追い求めて努力を続けているとも捉えられます。
ここまでの結果を見てくると、歯科以外の観点の勉強も必要であり「開業って本当に大変なことなのだろうな」「開業するのは不安だな」と少しネガティブに感じてしまう方もいるのではないでしょうか?
そこで、最後にこのような質問をしました。
開業して良かったと思うことを教えてください
「仕事へのやりがいが増した」と回答した方の数はダントツでした。
開業することによって多くの歯科医師が、仕事へのやりがいと収入を増加させていることが分かります。
より多くの患者さんを治療することでより多くの笑顔を増やす。
『開業』がそんな温かい歯科医師人生を実現させるのではないでしょうか?
調査して気付いたこと
「意外に見落としがち!
開業後の経営面も考慮し準備する必要がある!
今回の調査から、開業には「ヒト・モノ・カネ」に関する事前準備が重要であることが分かりました。資金の面では開業前の自己資金の確保と慎重な調達先の選定、モノの面では人が集まる物件探しと未来を見据えた土地のマーケティング調査、人材の面では質の高い教育を行うためのマニュアル作りと理念の浸透、が各分野の重要なポイントでした。
このことから開業というのは、歯科医師としての技術面だけでなく、経営者として経営面にも注力していかなければならない、大変な試みであると改めて感じました。
しかし、開業医は自分の意思で医院を変えることもでき、より多くの患者を治療していくことができます。それにより、仕事へのやりがいと収入も増えていくという希望も持てます。
大変であるがゆえに、それだけ達成感や返って来るものも大きいことも同時に分かりました。
これから開業を考えているという歯科医師のみなさんは、開業前には彼らのアドバイスを参考にし、気持ちの良いスタートが切れると良いですね!素敵な歯科医院が経営できることを応援しています!
Dentwaveリサーチ調べ
調査日時:2018年2月9日
調査人数:200人(Dentwave会員 歯科医師)
本音に迫る!歯科ネタ情報局:ルーキー片岡の歯科業界ここが知りたい!
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