第39回 平成24年度「国語に関する世論調査」

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大学の教員として、困ることがある。「正しい国語を使えているのか?」ということである。同じような疑問を感じている国民が多いことを知った。平成24年度「国語に関する世論調査」の結果の概要が文化庁から発表されている。興味ある結果もみられ、読者の皆さんはみましたでしょうか? まだ見ていない方のために、このコラムでは、その結果の概要を紹介させていただく。後半部分は、問題形式にして記載していますので、ご都合の良い時に試してみてください。正答は、最後に記載しています。この報告のWEBSITEは以下です。(http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/yoronchousa/h24/pdf/h24_chosa_kekka.pdf

まずは、報告書からの抜粋となるが、調査目的と方法等について転載します。 1.調査目的は文化庁が平成7年度から毎年実施しているもので、日本人の国語に関する意識や理解の現状について調査し、国語施策の立案に資するとともに、国民の国語に関する興味・関心を喚起する。 2.調査対象:全国16歳以上の男女 3.調査時期:平成25年3月 4.調査方法:一般社団法人中央調査社に委託し個別面接調査を実施 5.回収結果:調査対象総数 3,5236.有効回収数(率) 2,153 人(61.1%)

次に調査の具体的な内容を記載します。以下が質問事項とその結果の一部となっています。詳細は上記に示したWEBSITEをご覧ください。

 1.人とのコミュニケーションについて <問1> 誰かの話を聞いていて、その人の言いたかったことと、自分の受け取ったこととが食い違っていたという経験があるか、ないか。 回答:6割台半ばの人が「ある」と回答。

<問2> 誰かに話をしていて、自分の言いたかったことが、相手にうまく伝わらなかったという経験があるか、ないか。 回答:6割以上の人が「ある(計)」と回答

<問3> 人とのコミュニケーションにおいて、難しいと感じること 回答:4割の人が「相手との人間関係を作りながら伝え合うことが難しい。 3割の人が「「根拠や理由を明確にして論理的に伝え合うことが難しいと回答。

<問4> 人とのコミュニケーションにおいて、重視すること 回答:6割台半ばの人が「相手との人間関係を作り上げながら伝え合うことを重視すると回答。

<問5> 誰かと話をするときに、相手から不快感を覚えるのはどのようなことか 回答:3割の人が「話したり聞いたりするときの態度が悪い」「話が理解されず会話がかみ合わない」「相手ばかりが話している」と回答。

2.外来語や外国語などのカタカナ語の使用について <問6> 日頃、読んだり聞いたりする言葉の中に、外来語や外国語などのカタカナ語を使っている場合が多いと感じるか。 回答:7割台半の人が「よくある」「たまにはある」と回答。

<問7> 日頃、読んだり聞いたりする言葉の中に出てくる外来語や外国語などのカタカナ語の意味が分からずに困ることがあるか 回答:8割弱の人が「ある」「たまにある」と回答。

<問8> 日常生活の中で、外来語や外国語などのカタカナ語を交えて話したり書いたりしていることを好ましいと感じるか 回答:3割台半の人が好ましくない。

 3.国語に関わる知識や能力についての課題 <問9> 社会全般の国語に関わる知識や能力には、どのような課題があるか。 回答:3割台半ばの人が「敬語等の知識」と回答。

<問10> 自分自身の国語に関わる知識や能力には、どのような課題があるか。 回答:3割弱の人が「説明したり発表したりする能力」2割台後半の人が「考えをまとめ文章を構成する能力」と回答。

4.文字の手書きについて <問11> ふだん、手書きで文字を書く方か。 回答:6割台半ばの人が「手書きをする」と回答。

5.手紙の作法について <問12> 今後、手紙の作法はどうあるべきだと思うか。 回答:5割弱の人が「手紙の伝統的な書式を今後も守っていくべきである」と回答。

6.言葉の意味や使い方が分からないときにどうするか <問13> 言葉遣いに迷ったり、言葉の意味や使い方が分からなかったりしたときに、どのようにしているか 回答:4割台後半の人が、「紙の辞書を引く」、4割台半ばの人が「インターネット上の辞書を利用する」、4割弱の人が「誰かに教えてもらう」と回答。 7.同訓の漢字の使い方について <問14> 文章を書くときに、漢字の選び方で迷うことがあるか、それとも、ないか 。 回答:7割半ばの人「ある」と回答。 <問15> この問いからは問題形式にしますので、読者の皆様、解いてみてください。漢字に直すとしたらどれを使いますか?問1-5 1. 会議でけつをとる。 2. 痛みがおさまる。 3. 標高をはかる。 4. 役に足つ本をすすめる5. 委員長をつとめる

8.五つの言い方の認知と使用 <問16> ここも、問題形式で出しますので、次の慣用表現が正しいかどうかを答えてください。問6―10 6.「きんきんに冷えたビール」 7.「パソコンがサクサク動く」 8.「ざっくりした説明」 9.「気持ちがほっこりする」 10.「うるうるとした瞳」

9.言葉の意味 <問17> こちらも問題形式にて出させていただきます。どちらの意味だと思いますか?問11‐15

11.  役不足 例文:彼には役不足の仕事だ (ア) 本人の力量に対して役目が重すぎること (イ) 本人の力量に対して役目が軽すぎること

12.流れに棹さす 例文:その発言は流れに棹さすものだ。 (ア)傾向に逆らって、ある事柄の勢いを失わせるような行為をする (イ)傾向に乗って、ある事柄の勢いを増すような行為をする

13.気が置けない 例文:その人は気が置けない人ですね。 (ア)相手に対して気配りや遠慮をしなくてよい (イ)相手に対して気配りや遠慮をしなくてはならない

14.潮時 例文:そろそろ潮時だ。 (ア)ちょうどいい時期 (イ)ものごとの終わり

15.噴飯もの 例文:彼の発言は噴飯ものだ。 (ア) 腹立たしくて仕方ないこと (イ) おかしくてたまらないこと

 10.慣用句の言い方 <問18> こちらも問題にしますので、どちらの言い方を使うか、お答えください。

16.「つっけんどんで相手を顧みる態度が見られないこと」 (a)取り付く島がない (b)取り付く暇がない

17.「実力があって堂々としていること」 (a)押しも押されぬ (b)押しも押されもせぬ

18.「物事の肝腎な点を確実に捉えること」 (a)的を射る (b)的を得る

19.「いよいよというときに使う、とっておきの手段」 (a)天下の宝刀 (b)伝家の宝刀

20.)「激しく怒ること」 (a)怒り心頭に達する (b)怒り心頭に発する

これで、すべての問いが終了しました。皆さんは、全問正解されたと思いますが、私はちらほらと誤用がありました。文化庁は慣用句の誤用が目立つことについて「言葉は時代により変化するため、間違いとは言い切れない」としながらも「認識のずれがコミュニケーションに支障をきたす恐れがあり注意が必要だ」と指摘しています。今回示されている慣用句はすべて使い方としては間違っていることになるが、調査結果をみると、実際には、よく使われている。文化庁は「本来の意味とは異なるが、徐々に浸透しており、新たな用法として定着する可能性がある」としている。 正答: 1. 採る、2. 治まる、3. 測る、4. 薦める、5. 務める、6. 誤用、7. 誤用、8.誤用、9.誤用、10.誤用、 11.イ、12.イ、13.ア、14.ア、15.イ、16.A、17.b、18.a、19.b、20.b 解説: 「きんきん」とは声が高く不快に響くさま。 「ざっくり」は、切れ目や割れ目が深いこと。 「さくさく」とは、手際が良くすすむさま。 「ほっこり」とは心が温まること。 「うるるとした」は涙があふれそうなさま。となっている。
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