長生きするために知っておくべき 「歯」の“3つの常識”

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日刊ゲンダイ 2014年1月22日(水)10時26分 長生きするために知っておくべき 「歯」の“3つの常識” 歯磨きだけではダメ/(C)日刊ゲンダイ 健康志向の高まりで、歯についての関心も以前に比べて高くなってきたが、まだまだ知らなかったり、誤解している部分も多い。そこで、長生きするために一般人が知っておくべき、3つの歯の常識を自由診療歯科医で「八重洲歯科クリニック」(東京・京橋)の木村陽介院長に聞いた。 まず知っておかなければならないことは、30歳以上の80%以上がかかっていて、日本人が歯を失う原因の第1位に挙げられる歯周病に対する“誤解”だ。 「よく“歯周病は歯磨きをサボっているから”と思っている方がおられますが、必ずしもそうではありません。 若い頃と同じように一生懸命歯を磨いていても、中高年になると着実に歯周病が増えていきます。その理由は、歯磨きを怠っているのでなく、年を重ねると歯の噛み合わせが悪くなり、歯磨きでは間に合わなくなるからです」 意外なことだが、歯並びはわずか数グラムの力が持続的に続くだけでも歯を支える歯槽骨が変化し、歯が乱れるという。この状態で歯ぎしりすると歯周病になりやすい。 定期的な噛み合わせのチェックが必要だ。 「40歳を過ぎると、歯槽骨がやせて、弱くなるからなおさらです。頬杖をついたり、猫背で長時間パソコンにかじりつく生活をするだけでも噛み合わせが悪くなり、食べ物のかすが歯と歯の間にたまりやすくなって虫歯や歯周病になるのです。だからこそ、中高年が歯周病から身を守るには歯磨きだけではダメで、歯間ブラシや歯と歯の間を清掃するための細い糸(デンタルフロス)が必要なのです」 歯磨き以外の努力をしないと歯周病は着実に進行する。その代償は命に関わり、最新の研究では歯周病関連菌やその代謝物などは動脈硬化の原因ともいわれ、脳卒中を起こしたり、糖尿病を悪化させると考えられている。 ■ドライマウスの多くはよく噛めば治る 中高年はドライマウス(口腔乾燥症)についても正しい知識を持つ必要がある。 「ドライマウスは唾液量の分泌量が減って口の中が乾くことで、虫歯や歯周病など口腔内にさまざまなトラブルを起こす病気です。“その原因は年齢で、年を取ればなっても仕方がない”と言う人がいますが間違いです。ドライマウスの原因の多くは薬剤性。薬をやめれば治ります。何らかの病気を抱え薬を飲んでいる中高年は要注意です」 ドライマウスを引き起こす薬は薬の説明書に「口渇」「口腔乾燥」などと記載されているが、「アレルギー」「うつ」「高血圧」など実に数百種類あるといわれている。 「四六時中、水分を取る人が増えていますが、これも考えものです。とくに食事中に食べ物をスープや水などで流し込む人は徐々に唾液が出なくなります」 ドライマウスの治療はすぐにジェルや薬に飛びつくのでなく、よく噛むこと。それで多くのドライマウスは解消される。 一部の抗生物質が黄色や灰色などの変色歯にすることを知らない人も多い。 「歯科医では常識ですが知らないお医者さんもいるのが、テトラサイクリン系の抗生物質です。呼吸器感染症や性感染症、ニキビ菌の殺菌などに使われますが、歯が形成されるときに使われると黄色や灰色などの色素沈着を起こすことも。そのため最近は妊婦や授乳中の母親、8歳以下の子供には避けるのが望ましいとされていますが、それを知らずに処方するお医者さんもおられます」 たかが歯の色と言ってはいけない。沈着した歯を治すためには歯を薄く削ってセラミックやプラスチックを貼るなど、歯に大きなダメージを与えることも。抗生物質を小さな子供に与えるときは注意することだ。
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