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実際に感染管理を徹底されている佐野喬祐先生は、日本の歯科現場における「なんとなく」の対策に危機感を抱いてきた一人です。そこにヒューフレディ・ジャパン社が取り扱い始めたマスク、「セキュアフィット」はどこまで通用するのか。
Dentwave取材チームは、佐野先生とヒューフレディ・ジャパン社の増川健氏にインタビューを実施。アメリカで4年連続アワードを受賞した「顎ワイヤー」の秘密と、マスク選びがスタッフの意識改革をもたらす意外な理由に迫りました。
外科処置の“勝負マスク”。 米国アワードを複数受賞した「セキュアフィット」を選ぶべき理由とは?
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歯科診療の「当たり前」を支えるインフラとしての感染対策
歯科医院において、感染対策はどのような立ち位置にあるべきでしょうか。東京都で開業される佐野喬祐先生は、その重要性を「社会のインフラ」に例えてこう語ります。
E.Dental&Orthoの院長を務める佐野喬祐先生
「僕の中では、感染対策はこの世の中にあるインフラのようなものだと思っています。今僕たちが普通に生活していて、水道を使えたり、火を使えたり、電気を使えたりというのはインフラが整っているから。歯科クリニックを運営し、治療を滞りなく行っていく上で、感染対策が必須だと思っています。特殊なものではなくて当たり前のもの、それがまずベースの考えで必要だと思っています。」
しかし、日本の歯科現場を見渡すと、理想と現実にはまだ乖離があるようです。
「日本は『やってる』は多いものの、『できている』段階まで行ってないことが多いですね。例えばマスクにしてもただつけているだけ、しっかり密着させていなかったり、鼻を出しながら診療していたり話している人も多く見かけます。」
エアロゾルに晒される現場で求められる「スタンダードプリコーション」
歯科医院特有のリスクとして、佐野先生は「エアロゾル」を挙げます。
「歯科医院特有のエアロゾルというものがあるので、その対策においては普通の感染対策とは少し違ったというか、より意識をしないといけない。日常的に僕たちは感染リスクがある職業であるとことを認識しなければならないです。」
そこで重要になるのが「スタンダードプリコーション」の考え方です。
スタンダードプリコーションのイメージ
「日本特有なのが、例えばB型肝炎の患者さんが来たから特殊な処理をしなきゃいけないという考え方が多いのですが、実際は誰がどのような感染リスクを持っているかは分からないものです。だからこそ、すべての患者さんがハイレベルのリスクを持っている前提で対応する必要があります。」
この考えに基づき、グローブ、マスク、ゴーグルといった個人防護具を使い、飛沫、手指、器具、環境表面、エアロゾルという「5つの感染経路」をいかにシャットアウトするかが重要になります。
その中でもマスクは、自分自身と患者さんを守るための必須装備です。
飛沫感染を防ぐために口腔周りの遮断は必須
「飛沫というところが大きくクリニックでも感染経路としてあるので、そこから自分自身を守っていく、もしくは患者さんを守っていく上で必要であると考えています。エアロゾルというところも踏まえて、吸引しないためにはマスクは必ずしなければならないもの。ただ単に普通のマスクをつけているのか、目的は何で、どういった性能を持っているものを使うべきなのかを考える必要があります。」
外科処置で妥協できない「密着性」と「素材感」の条件
医療の現場においては、どのようなマスクが求められるべきか。佐野先生は、性能と実用性のバランスについて次のように分析します。
「基本的には人体を守るものなので相応の性能は必要ですが、性能を求めすぎると呼吸がしにくくなったり、コストパフォーマンスが悪くなったりします。そのため、治療の内容に合わせて最適なマスクを選択することが重要です。」
特にインプラントなどの外科処置においては、マスク選びの基準はより厳格になります。佐野先生は、外科処置における優先順位をこう整理します。
「外科処置においては、感染対策上の性能というところはやっぱり1番大事にしています。」
まず挙げられたのは、視界を妨げないための「防曇性」です。
「外科処置の時は基本的にはアイウェアを途中で外して拭くなど、曇った時に対応することができないので、つけている時にアイウェアに対して曇りが生じないものをなるべく選びたいです。」
佐野先生はヒューフレディグループのアイウェアをご利用
そして、飛沫への対策として「密着性」が欠かせません。
「外科処置中のエアロゾルというのが、血液がだいたい1.5mから2mほど飛んでいることもあるという文献もあるぐらいなので、隙間がなく密着するものは、外科の時は必要になってくると考えています。」
さらに、素材そのものの品質も重要です。
「インプラントの処置をしている時は患者さんにフィクスチャーを入れる行為があるので、素材が粗造なものだと繊維が落ちて入ってしまっては困ります。そのため、外科処置に関しては外科専用のマスクを選ぶというところもポイントになります。」
こうしたプロの要求に対し、ヒューフレディグループが展開する「クロステックス」ブランドの「セキュアフィットシリーズ」は、一つの合理的な回答を提示しています。
顎下ワイヤーが実現する「隙間のない」設計思想
ヒューフレディ・ジャパンの増川氏は、このような外科処置のニーズに対して新たに取り扱い始めた商品についてこう語ります。
「ヒューフレディグループは現在、インスツルメントだけでなく診療を総合的にサポートできるよう、クロステックス社などの歯科系企業をグループに迎え、企業活動を行っています。ヒューフレディグループから日本での販売は昨年スタートしたばかりですが、感染管理に厳しい環境下で非常に高く評価されているブランドです。」
ヒューフレディグループが取り扱い始めたクロステックス社製セキュアフィットマスク
また、クロステックス社が扱うセキュアフィットシリーズはアメリカのDENTAL ADVISOR TOP AWARD WINNERにおいて、2022年/2023年/2024年/2025年と4年連続でアワードを受賞しており、高い安全性と機能性を兼ね備えたマスクとして評価されています。
「セキュアフィットのマスクの1番の特徴は、ワイヤーが鼻の部分だけではなく、顎の部分も固定できるようになっていることです。顎の部分にもワイヤーが付いており、これを装着して鼻の部分を固定し、その後マスクを顎まで広げてしっかり固定することによって、上下がしっかり機密性の高いものを作れます。」
ヒューフレディ・ジャパン合同会社のセールス&マーケティングマネージャーを務める増川健氏
「上下を固定することで、横の部分もぴったりフィットします。話す時に毎回横が開いたりすることもなく、感染リスクが非常に高い外科処置のような環境でも十分に対応できる機能がついています。」
佐野先生も、この「顎ワイヤー」による密着性のメリットを肌で感じています。
「よく一般的にあるマスクは鼻のフィット感を求めているものは多いのですが、意外に下のフィット感というものを求めているものは少なくて。顎下も含めていかに密着させられるかというところが大事になります。セキュアフィットは患者さんに説明している時にも動きが少ないので、密着した状態でずっと使用ができる。あとは、少しきつめに作ってあるので、ずれにくいというところが使ってみた感想としてあります。」
長時間のオペでも「治療に集中できる」高いクオリティ
性能が高いマスクであっても、装着感が悪ければ臨床でのストレスになります。セキュアフィットシリーズは、そのバランスにおいても佐野先生の信頼を得ています。
「マスクによっては長時間つけていると痒くなることがあるのですが、これに関しては痒くなることはないのと、肌触りがすごくいいので、つけている間は不快な感覚がないです。呼吸のしやすさも、全然気になりません。性能が高いのにも関わらず呼吸はしやすいというところがポイントとしては大きいのかなと考えています。」

耐久性についても、「毛玉ができやすいものが多いのですが、それが全然ないので、使用後もサラサラしている。」と評価。
さらに「濡れた時に浸透してこない。弾いてくれるというか、中に入ってくる感覚は非常に少ない。」と、血液や体液が飛散する外科現場での安心感についても言及しました。
また、感染リスクに応じたラインナップも特徴です。増川氏は次のように使い分けを推奨します。
「感染リスクの高さによってレベル1からレベル3まで3段階に分かれています。エアロゾルが飛散する状況やパウダークリーニング、外科処置の時にはレベル3をお勧めしています。」
また、このレベル1~レベル3については、アメリカのASTM(米国国際試験材料協会)で性能条件が定められており、
「この規格を満たすものは国内が定める規格、いわゆる『国家規格』であり、国が一定の性能が認められたマスクです。」と解説しました。
セキュアフィットマスクシリーズ
新型コロナウイルスの流行期にはN95マスクが注目されましたが、増川氏は歯科臨床における「最適な選択」についてこう付け加えます。
「当時はN95を導入される先生も多かったですが、歯科診療においてはコストや息苦しさの面でオーバースペックに感じられる場面もありました。その点、セキュアフィットのレベル3は、歯科の外科処置に十分対応できる高いスペックを持ちながら、快適な呼吸や装着感を両立させた『ちょうどよいバランス』のマスクです。日常の臨床から高度なオペまで、ぜひ安心して活用していただきたいですね。」

佐野先生も、「外科処置の時には必須と言ってもいい」としつつ、「一般的な診療でつけていても全然嫌な感じや不具合は全くないので、外科処置に限らず一般診療でつけても問題はない。」と、その汎用性の高さを認めています。
感染管理をシステムで捉える
ヒューフレディ・ジャパン社の提案はマスクだけに留まりません。増川氏は、グループ全体で診療を総合サポートする姿勢を強調します。
「感染管理を効率化する『IMS』カセットシリーズを提供しています。これは、洗浄・滅菌のサイクルをシステム化するものです。昨今は歯科業界でもスタッフ不足が深刻な課題となっていますが、単に個人の身を守るだけでなく、人手不足に悩むクリニックに対し、洗浄・滅菌の工数を大幅に削減できるプロダクトとして提供したいと考えています。他にも個人防護具や患者さん用のエプロンなど、トータルでラインナップを揃えています。」
ヒューフレディ社が提供するIMSカセット
佐野先生も、このシステム化と「グローブ」の重要性を説きます。
「器具の再生処理において、普通のグローブでは針刺し事故を防げません。当院ではヒューフレデ社のグローブを使用していますが、非常に頑丈なだけでなく、何より“滅菌して繰り返し使える”のが大きなメリットです。作業者の安全を守りつつ、コストパフォーマンスも担保されています。」
ヒューフレディ社のニトリルユーティリティグローブ
また、カセットシステムの導入により、繊細なキュレットの破損を防ぎ、管理を簡素化できる点も推奨しています。
さらに「再生処理のサイクルが非常に楽になる」と、現場の負担軽減についても高く評価しました。
経営者の使命として、スタッフの意識と安全を守る
最後に、佐野先生は歯科医院経営者の視点から、マスク選びがもたらす副次的な効果について語ってくださいました。
「製品を選ぶ時にまず値段から見る先生が多いですね。経営としてはコストは非常に重要にはなってきますが、感染対策を行う上でまず1回ハイスペックのものを使ってみることはすごく大事だと思います。意外にそのコストが通常より割高だったとしても、年間の使用量で割り出してみるとそんなにコストかかってないことが分かったりします。」
そして、その一歩がスタッフの意識改革につながるといいます。
「1回いいものを入れる時、従業員が興味を持つんですね。『感染対策に対して、どうしてこのマスクを入れたんだろう』と考えるきっかけになる。そこから意識付けにつながるので、そういった意味合いでもリーズナブルなものなのかなと思います。」
「経営する上では従業員の安全を守るというところが僕たちの使命でもありますので、そこをないがしろにしないでしっかりと、向き合って考えることも大事。まずは1回使ってみるってところは重要な行動なのかなと思います。」
増川氏も、「良さを感じていただきたいので、ぜひサンプルも活用して一度試していただきたい」と締めくくりました。

編集後記
今回の取材を通じて、感染対策は単なる作業ではなく、歯科診療の基盤(インフラ)を整える「経営の姿勢」そのものであると感じました。
佐野先生が強調された「やっている」と「できている」の差を埋めるのは、知識だけでなく、セキュアフィットのような「誰が使っても密着性を確保できる」合理的な設計の製品なのかもしれません。
スタッフの安全を守り、術者が治療に100%集中できる環境を作る。そのための「勝負マスク」という選択は、質の高い歯科医療を提供するための第一歩と言えるでしょう。




