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しかしその一方で、診療技術や設備投資に注力する医院は多いものの、空間・接遇・装いまで含めた「トータルブランディング」を一貫して設計できているケースは、まだ多くないのが実情ではないでしょうか。
そこで今回Dentwave取材チームは、高級ファッションOEMの技術を背景に医療用ユニフォームブランド〈KLUG〉を展開する株式会社ジイプリモの松尾社長と、実際に同製品を導入し、“信頼感”を装いからデザインしている千葉県袖ケ浦市の中村歯科医院理事長の中村武仁先生を訪問。
歯科医院におけるブランディングの本質と、その先にある業界の未来について話を伺いました。
医院の信頼感は“ユニフォーム”からつくられる 高級衣料OEM発のスクラブ〈KLUG〉が歯科医院に選ばれる理由
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技術と想いをつなぐ、KLUG誕生の背景
「私たちは20年以上にわたり、高級アパレルブランドのOEMを手掛けてきました」(松尾氏)
Joseph Abboud、Brooksbros.、BEAMS、D’urban、Aquascutum、RAINMAKERといった著名ブランドの製造を担う中で、同社は数ミリ単位の精度にこだわる、厳しい品質要求に応え続けてきた“本物のものづくり”が、基盤となっている。
ジイプリモ社が取り扱う高級アパレルブランド
その技術が医療分野へと広がるきっかけは、ある医師との出会いだった。
「循環器内科医の友人が、私たちのジャケットを気に入ってくれていて、『同じクオリティで白衣は作れないか』と相談されたのが始まりです」(松尾氏)
株式会社ジイプリモの代表を務める松尾智弘氏
こうして医療分野への展開が始まった一方で、その品質を維持することは決して容易ではなかったという。
「数ミリ単位で仕上がりにこだわった品質を維持している以上、どうしても価格は上がってしまいます。実際に“高い”という声をいただくことも少なくありませんでした」(松尾氏)
それでも同社は、価格を下げる方向には舵を切らなかった。
「私たちは安いものを売りたいわけではありません。本当に価値のあるものを届けるために、品質へのこだわりは貫くべきだと考えました」(松尾氏)
その意思決定こそが、KLUGのブランド価値を形づくっている。
中村歯科医院の理事長を務める中村武仁先生
この“良いものを提供する”という姿勢は、現場の歯科医師の価値観とも共鳴する。
「今の時代、インフラコストなどが上がる中で、うちはあえて値上げをしました。それは、一生懸命取り組み、設備投資もして、最高レベルの診療を提供している自負があるからです。良いものには適正な価格をいただく。それが結果的に患者さんの満足にもつながると考えています」(中村先生)
設備投資や診療の質にこだわる中村先生にとって、日常的に身につけるユニフォームもまた、その思想の延長線上にあるという。
「“良いものを提供し、正当に評価される”という価値観を守りたかったからこそ、私たちは安売りをせず、良い商品づくりにこだわり続けています」(松尾氏)
こうした技術と理念の積み重ねが、KLUGの品質とブランド価値を支えている。
10種類以上を試してたどり着いた答えとはーユニフォーム見直しの軌跡
中村歯科医院では、診療技術だけでなく、患者とのあらゆる接点における体験価値を重視した“サービスデザイン”を軸に医院づくりが行われている。電話応対からエントランスの空間設計に至るまで、「来院した瞬間の感動」を積み重ねることで、広告に頼らず口コミで信頼が広がるスタイルを確立してきた。
「歯科医療もサービス業の一つだと考えています。だからこそ、細部までこだわり抜くことが重要だと思っています」(中村先生)
開放感のある治療スペース
そうした思想は、実際の空間づくりにも色濃く反映されている。
「私も今日、初めて医院にお邪魔して玄関を入った瞬間に驚きました。エントランスから中に入るまでの雰囲気が素晴らしくて、まさに“感動”を与えるブランディングを体現されていると感じました」(松尾氏)
空間・接遇・装いといったすべての要素が一貫した体験として設計されていることこそが、同院の強みであり、その中でユニフォームもまた重要な役割を担っている。
「患者さんから見てスタッフ全員の装いが揃っていることは、それだけで“きちんとしている”という信頼感につながります」(中村先生)
中村歯科医院のこれまでのユニフォーム
実際に、1〜2年ごとにユニフォームを新調し、これまでに10種類以上を試してきたという。しかし、デザインや着心地、医院の世界観に合致するものにはなかなか出会えなかった。
転機となったのは、「スクラブ 高級」とネット検索した際に〈KLUG〉と出会ったことだった。
「本当に納得できるものを探していた中で見つけたのがKLUGでした」(中村先生)
KLUG導入で変わった現場と意識
導入後、まず実感したのは機能性の違いだった。
「スタッフの動きが多い当院では、動きやすさは非常に重要です。今回のモデルはその点が格段に向上しており、特に夏場でも快適に使えています」(中村先生)
さらに、耐久性やメンテナンス性の高さも評価している。
「院内で頻繁に洗濯しますが、シワになりにくく清潔感を保てる。質が高くて、“私服でも着たいくらい”と感じるほどです」(中村先生)
KLUGの機能性に驚かれる中村先生
こうした変化は、スタッフの意識にも表れている。
「“スタイルが良く見える”という声も多く、全員で揃えることでチームとしての一体感もより強まりました」(中村先生)
松尾氏も、その設計思想についてこう語る。
「激しく動いても負担が少ないよう、スポーツウェアのような機能性を持たせつつ、見た目はフォーマルに見えるよう細部まで設計しています。またカラーも、医療現場に多いパステルではなく、空間全体の印象を高める落ち着いたトーンを採用しています」(松尾氏)
ジイプリモ社の「Air Light スクラブ」
ユニフォームの役割について、中村先生は次のように語る。
「ズバリ“信頼感”です。人の印象は見た目で7〜8割決まるとも言われます。本当はネクタイを締めたいくらいですが、診療には適していません。その点、スクラブでありながらフォーマルな場でも通用する品格を纏える――それがKLUGの価値だと感じています」(中村先生)
ユニフォームは単なる作業着ではなく、医院の世界観や価値観を体現する要素の一つ。中村歯科医院における取り組みは、その重要性を改めて示している。
歯科医療の現場が求めるユニフォームの未来像
「歯科の現場に本当に合った“理想の白衣”は、まだ完成していないと感じています」(中村先生)
臨床現場の視点から中村氏が挙げたのは、歯科特有の動きに適した機能性と、患者からの信頼感を同時に満たすユニフォームの必要性だった。
歯科の白衣の課題について語る
「現状の白衣は、動きにくかったり厚手すぎたりと、歯科の診療スタイルに最適化されているとは言い難い部分があります。薄手でストレッチ性があり、それでいて“着ているだけで信頼感が増す”ような一着が理想です」(中村先生)
さらに中村先生は、装いの重要性についてこう続ける。
「今の歯科業界を見渡すと、大学病院などでシワシワの白衣を着ている先生を見かけますが、あれは本当にもったいない。装いを変えるだけで信頼が得られ、結果として売上が上がるのであれば、そこは絶対に投資すべきポイントだと思います」(中村先生)
特に白衣が持つ“信頼を可視化する力”は大きいという。
「若いドクターほど、白衣を着ることで“威厳”と“信頼”を補完できる。実際に、装いを整えるだけで患者さんの印象は大きく変わります」(中村先生)
ジイプリモ社の白衣は素材にも設計にもこだわっている
こうした現場のニーズに対し、松尾氏はKLUGの役割を次のように語る。
「私たちは既製品を提供するだけでなく、現場の課題を解決するためのカスタマイズにも力を入れています。例えばポケットの位置や仕様も、歯科特有の動きを踏まえてミリ単位で調整することが可能です」(松尾氏)
アパレルOEMで培った技術を背景に、歯科医療の現場に最適化された一着を共創していく——それがKLUGの目指す方向性だ。
「患者さんに“良いもの”を提案する立場である以上、自分たちが身につけるものにも同じ基準を持つべきだと思っています」(中村先生)
プロフェッショナルとしての在り方を体現するユニフォーム。その価値観を共有するパートナーとして、KLUGへの期待は大きい。
「“良い歯科医院ではKLUGが選ばれている”——そんな認識が広がる未来を、先生方とともにつくっていきたいと考えています」(松尾氏)
今後の展望
インタビューの最後には、ユニフォームを起点とした医院ブランディングの本質と、今後の可能性について議論が交わされた。

「まずは、自分たちが患者さんに提供したい価値と、自分たちの装いが一致しているかを見直すことが大切だと思います」(中村先生)
良い治療や価値の高い自費診療を提案するのであれば、それに見合う“装い”であるべき——。中村先生は、ユニフォームの見直しは単なる衣替えではなく、医院の価値観そのものを問い直す行為だと語る。
それに対し松尾氏も、体験の重要性を強調する。
「ぜひ一度、実際に製品を手に取っていただきたいです。生地の質感や縫製の精度は、触れていただくことで初めて実感できる部分があります」(松尾氏)
また、インタビューを通じて、中村先生は改めてその価値を実感したという。
「ものづくりへの考え方や姿勢が、自分の経営哲学と非常に近いと感じました。だからこそ、これからもKLUGを選び続けたいと思います」(中村先生)
一方で松尾氏は、さらなる進化への意欲を見せる。
「今後は見た目の美しさだけでなく、より実用性を突き詰めていきたい。診療科や動きに合わせた設計など、現場のニーズを反映した製品開発にも取り組んでいきます」(松尾氏)

その言葉を受け、中村先生もこう応じる。
「歯科医療が保険診療ではなくオーダーメイドである自費診療が価値を持つように、ユニフォームも“オーダーメイド”の時代になっていくべきだと思います」(中村先生)
ユニフォームは単なる衣服ではなく、医院の価値観や信頼を体現する存在である——。
インタビューは、そんな共通認識を深める形で締めくくられた。
今回刷新した最新のスクラブをチームユニフォームに
編集後記
今回の取材を通じて印象的だったのは、ユニフォームが単なる作業着ではなく、「医院の価値観や信頼を体現する存在」として捉えられている点でした。
歯科医療においては、技術や設備といった“目に見える価値”に目が向きがちですが、患者が最初に触れるのは空間や接遇、そして“装い”といった体験の部分です。装いを変えることで信頼が生まれ、結果として患者満足や医院の価値向上につながるのであれば、見直す価値のある取り組みといえるのではないでしょうか。




