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2014/08/06

第1回 事業承継や家族の絆も脅かす相続問題

相続税の大改正

近年、相続問題、特に相続税の話題が新聞雑誌やテレビ等のメディアで取り上げられております。
これは、平成27年に相続税の大改正が行われるからです。
この大改正の中で一番の目玉は基礎控除の引き下げです。
これまで(平成26年まで)の相続税は一部の富裕層にのみに関係する税金と考えられていました。これは相続税の課税対象者が現行は年間のお亡くなりになられる方の約4.1%、100人のうち4人程度と、かなり限られた方への税金となっているからだと思われます。しかし、この改正により課税対象者がお亡くなりになられる方の6%程度に増加すると予測されております。実に1.5倍程になる計算です。
では基礎控除とは何かと申しますと、お亡くなりになられた方のお亡くなりになられた時点での財産から債務・葬式費用を差し引いた額(正味の遺産額)がある一定金額を超えた場合に相続税が発生いたします。この一定の金額が基礎控除となります。
基礎控除を改正前と後で比較してみるとこのようになります。

改正前  5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
改正後  3,000万円+ 600万円×法定相続人の数

モデルケースとしてお父様、お母様、お子様2人のご家族の場合にお父様かお母様がお亡くなりになられた場合は、改正前であれば正味の遺産総額が8,000万円以下であれば、相続税は発生いたしませんが、改正後は4,800万円を超えると相続税が発生してしまうこととなります。
都市圏、特に首都圏に関しては相続税の課税対象が25%前後になるとの試算もされております。
と、ここまでは多種多様なメディアでも取り上げられており、インターネットで『相続税改正やら基礎控除引下げやら相続対策等』のキーワードで検索すると更に詳しい情報も収集できるかと思います。
では本当の相続の問題はどこにあるのでしょうか?
確かに資産家の方にしてみれば、相続税の改正により発生すると見込まれる相続税がさらに増加してしまうことは大きな問題だと思われます。
しかし、相続税の節税は我々相続税専門の税理士が生前に対策を施すことによりかなりの相続税額を節税することが可能となる場合が多々あります。

相続に関する争いは他人事ではありません。

相続税とは別の相続問題はどのようなものでしょうか?
相続に関する紛争は多種多様でありますが、やはり、遺産の分割問題だと思います。
相続に際しては遺言がない場合は遺産を分割するために相続人の間で協議することになり
ます。(遺産分割協議といいます。詳細はこちら
この遺産分割問題で裁判所に持ち込まれた事件のうち遺産総額が5,000万円以下の事例が73%を超えているとの統計があります。

◆遺産分割事件の財産額(平成19年)

総数 1,000万円以下 5,000万円以下 1億円以下 5億円以下 5億円超える 算定不能・不詳
7,013 2,044 3,083 1,000 537 41 308
(100.0) (29.1) (44.0) (14.3) (7.7) (0.6) (4.4)

※( )内は、総数を100とした指数です。
※ 認容及び調停成立で終局した事件を対象としている。
※ 最高裁判所事務総局家庭局 遺産分割事件等の統計データ集より

相続税も大きな問題ですが、遺産分割問題はさらに大きな問題といえます。
相続税の支払いのために、事業用の資産を売却しなければならない、相続人間での争いにより事業の継続を断念するようなことがあっては非常に残念な事です。
次回は私の経験から相続対策に関して、具体的な事例を挙げて書きたいと思います。

第1回の最後にはなりますが、自己紹介をさせていただきます。
私は税理士の三沢敏史と申します。(詳細はこちら)

相続税の申告や相続の生前対策に数多くかかわってきた経験から、相続問題、特に相続税や事業承継についての問題を掲載させていただきます。このコラムを読んでいただいて、相続についてご興味を持っていただければ幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。

 

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