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記事

2013/10/24

第2回 ChangeはChance

 この4月から大幅な保険改正が行われます。改正内容については皆さんもご存知のとおりで本当に大きな改革となっています。大きな改革を行う事自体は必要があれば致し方ないとしても、実際に実施開始となる4月1日まであと数日となるまで詳しい資料が届かなかったり(当地区では3月25日に資料配布、説明が行われました)、歯周疾患継続総合診療料が廃止になることは明記されていますが、今まで算定していた場合にどのように移行していけばよいのか全く示されていない(厚生労働省からの通達がまだとのこと)など、改正を巡ってのドタバタ、手際の悪さは、ひどいを通り越してあきれるばかりです。

 

 国民の健康を守っている健康保険制度がこんないい加減なやりかたで実施・改正されていることを、一般の国民が知ったらきっと大きな不信感を持たれるでしょう。毎回の保険改正の度にこんな不明確なやりかたを繰り返している厚生労働省のやり方にも腹が立ちますが、それを容認して断固たる抗議を行わない歯科医師会に対しては怒りを通り越して、なんで?と不思議に思います。(3月29日に疑義解釈が示されました)

 

 さて、愚痴はこのくらいにして、今回の保険改正をどのように捉えて行けばよいのでしょうか?。健康を守り育てる歯科診療、ヘルスケア歯科診療を実践して長期間にわたり患者さんの口腔内の健康を守っていくにはプロッフェショナルによる定期管理が不可欠です。

 

 今回の保険改正により、形式上は歯科疾患継続指導料により定期管理の道が示されているとはいえ、実質的には点数評価、期間制限、数種類の文書提供などを考慮すると、保険診療による定期管理を拒絶していると考えていいのではないでしょうか?。プロッフェショナルによる定期管理により長期間にわたり口腔内の健康を守っていく、という新しいコンセプトは多くの患者さんに理解を得て、多くの歯科医院で実践され始めていました。私には、この新しい歯科診療の流れを、保険制度上ははっきりと「NO」と意思表示しているように思われます。

 

 ではいったいどうすればいいのでしょうか?。
 再び治療中心の歯科医療に戻ったとしても患者さんのニーズは明らかにヘルスケア歯科診療を望んでいる訳ですからうまく行く訳がありません。今回の点数評価、期間制限、数種類の文書提供などを承服して保険診療で定期管理を行っていけば、定期管理は医院経営にとって重い足かせになっていくでしょう。次回の保険改正時に更に点数評価を下げられないという保証は全くないばかりか流れを考慮するとその可能性の方が大きいでしょう。

 

 いったいどうすればいいのでしょうか?。今回の大幅な保険改正の影響は一言で言って「保険診療との決別」であると私は考えています。

 健康保険制度を原点に戻って考えた時に、疾病の治療に対しては保険給付の対象になりますが、病的状態ではない者に対して健康維持の為の行為は保険給付の対象外になります。例えて言えば、肥満で高脂血症になれば保険給付での治療になりますが、病的状態が改善されれば、その後の予防のためにスポーツジムに通うのは当然保険給付されずに自己負担になります。ちょっと極端な比喩なので、それは違う、なんて反論もあるでしょうが、こんな風に考えると理解はしやすいと思います。

 

 そんな訳で、私は4月以降の健康を維持するためのメンテナンスを自費診療で行っていくことを選択しました。病気の治療は保険診療、健康を維持する為のメンテナンスは自費診療、という区別です。具体的には、高校生以下を対象にした予防健診は30分で4千円、成人で半年毎のメンテナンスはデンタルドック、60分で9千5百円。成人で毎月のメンテナンスはメンテ、30分で4千円。名称や内容、時間、費用については医院によって考え方もあるでしょうから、あくまでも参考までにということです。

 さて、問題はメンテナンスを自費診療にした場合に患者さんは来てくれるのか?、という心配です。確かに患者さんの負担は大幅に増加しますので、保険で行っていた時のように気楽に、という訳には行きません。自費診療でならば来ません、という患者さんもいますでしょうから、当然患者数は減少するでしょう。しかしその反面、自費診療でもいいから健康維持のためにはメンテナンスを受けたいという患者さんもいるでしょう。健康意識の高い患者さんが結果として残っていくでしょうし、今後は健康意識の高い患者さんを医院全体でサポートしていくという方向性が明確になっていくでしょう。そして、なによりのメリットは今後はどんな保険改正があっても自費診療のメンテナンスは全く影響を受けないで継続出来るということです。5年後、10年後を考えた時にメンテナンスを自費診療で行っていくこの選択がベストであると判断しました。

 

 今回の保険改正はびっくりするほどの大きな改革、変化がありました。しかし、それでもまだ今回の改正は次回の抜本改正の前哨戦だという声も聞こえます。このように大きな変化が起きている時に沈み行く船にしがみついていても将来はありません。変化というものは考えよう、やりようによってはチャンスとなります。ChangeはChance というわけです。

 

 5年後、10年後にこのChangeがChanceになっていたと思えるような対応を選択していこうではありませんか。

 

 

 

 

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