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今回、大会実行委員を務める岩城正明先生(ICOI JAPAN 理事/大会長)、高山剛栄先生(ICOI JAPAN 理事)、米本久史先生(ICOI JAPAN 理事)の3名にお集まりいただき、この大会の魅力と参加する価値について、Dentwave編集部(以下、編集部)が詳しくお話を伺いました。
世界の歯科臨床への架け橋に-2025年 ICOI国際口腔インプラント学会 日本支部学術大会の魅力に迫る-
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今回の大会企画に込めた想いについて
編集部:まず、今回の日本支部大会を企画される上で、どのような点を重視されましたか?
岩城先生:やはりICOI国際口腔インプラント学会ということで、国際的にオーガナイズされている学会ですので、日本の中だけでは会えないような先生方をアジアを中心にお招きして知見を深めたいと考えて企画しました。
高山先生:ICOIはアメリカのインプラント学会ですが、その日本支部が出来て10年余りが経ちます。今後は若手の先生方をどんどん取り入れ、若手の育成と入会者を増やしていこうと頑張っているところです。今回は特にアジアエリアの韓国、台湾、フィリピンの若手の先生方もスピーカーに招きアメリカに肩を並べていこうと目指しています。
米本先生:日本では薬事の関係で使える材料やテクニックの学ぶ機会が限られているのですが、ICOIのような世界学会では、正しいエビデンスに基づいた新しいマテリアルやテクニックを学ぶ機会を与えてもらえます。私たち日本の臨床医にとって、そういう世界学会で新しいテクニックを学ぶ機会や環境を得られることが重要だと思います。

国際連携と今大会の特色について
編集部:海外のICOIとの連携や、今回の大会ならではの特色はどのように活かされていますか?
岩城先生:横の結びつきも大事ですので、この数年間、アジアのフィリピン、韓国、台湾のICOI支部と密接な関係を築き、友好団体の契約も締結しました。お互いに演者を出し合い、共に研鑽を深める関係を作っています。今回もフィリピン、台湾、韓国から著名な先生をお招きし、さらに特別講演としてオーストラリアからアレックス先生もお招きして、国際色豊かな大会にしたいと思っています。
高山先生:見どころは、アジア太平洋セクションとのコラボレーションです。日本やアメリカだけではなく、韓国、台湾、フィリピンといったアジアの先生方の貴重な発表も聞けるチャンスがあると思います。
米本先生:今回面白いのは、韓国、台湾、フィリピンの先生方による「アジアセッション」があることです。今、アジアでどのようなインプラント治療が行われているかを知れる機会になると思いますので、ぜひ皆さんにアジアの先生方のお話を聞いていただきたいと思います。

大会テーマ「The Best Implant Treatment for Patients」について
編集部:今回のテーマに込められた想いをお聞かせください。
岩城先生:日本の先生方は特にアカデミックなことにこだわる方も多いんですが、それが自分の歯科医師としてのキャリアアップのためだけになってしまっては困ります。何のためにやっているかというと、やはり患者さんのベネフィットにつながる歯科治療が求められていると思うのです。
そういう意味では、最近は無歯顎に対するフルマウスのインプラント治療も世界的に力が入っていますし、デジタルやAIの助けで補綴物の製作日数やチェアタイム、通院回数を短縮できるようになり、歯科治療の通院回数・期間が長いという課題を解消しつつあります。今回は、そうしたデジタルやフルマウスのインプラント治療に強い先生方を中心にお招きしました。
米本先生:手術する上で、いろいろ悩むことってあるんですね。この治療はどういうふうに進めていったらいいのかなと悩んだ時に、どんな新しい材料を使うかとか、技術的なものを学んでいくと、視野が広がり、対応の多様性が生まれます。いろんな角度から治療計画を立てられるのが、ICOIの強みだと思います。
注目すべきコンテンツとスピーカーについて
編集部:今回特に注目していただきたいコンテンツやスピーカーはいらっしゃいますか?
岩城先生:プレ大会には、オーストラリアで「All-on-4」無歯顎インプラント治療に特化した歯科医院を20軒以上運営し、ザイゴマインプラントでは世界的な権威であるアレックス先生が登壇されます 。また、日本からはミニマルインターベンションのインプラント、例えばショートワイドを使って骨造成を少なくするインプラントを提唱する林陽春先生や、AIとデジタル融合した歯科診療ということで、佐賀県の富樫先生が登壇されます。富樫先生はデジタルを臨床に落とし込んでいる、落とし込み方としては世界有数だと思います。
米本先生:メインスピーカーのアレックス先生による即時加重など最新のトレンドの話はもちろん注目していただきたいです。また、韓国、台湾、フィリピンの先生によるアジアセッションは、今アジアで行われているインプラント治療を知る貴重な機会です。
今回は歯科衛生士や歯科技工士向けのコンテンツもご用意しました。歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士は、もう切っても切れない関係です。術前に補綴主導の治療計画を立てる上で歯科技工士との連携は重要ですし、補綴を入れた後は歯科衛生士にメンテナンスを行っていただきます。歯科医師、技工士、衛生士が密に連携して治療を進めるべきなので、スタッフの方々にも学んでいただきたいと考えています。
リアル開催の価値と人とのつながりについて
編集部:オンラインでは得られない、リアル開催ならではの価値について教えてください。
高山先生:コロナ禍でZoom会議が普及し便利にはなりましたが、逆に言うと、交流という意味では画面上での会議になるので、なかなか意見も言えない、熱感や、肌感覚が伝わってこないということがあります。
ICOIはアメリカの学会なので、ガラパーティーというものがあり、理事役員は皆、タキシードを着てダンスをするような華やかな一面も体験できるのは、アメリカの学会のすごくいいところだと思います。今回、リアル開催によって、原点に戻って、真面目でありながらも楽しい学会を目指したいと思っています。
編集部:ICOIという場が人とのつながりを形成する機能について、どのようにお感じですか?
高山先生:15年ほど前から参加していますが、いろんな新しい先生たちと触れ合える、人脈や交流がすごく持てる学会です。日本の学会とは異なり、ICOIには日本のスタディグループのトップの先生方が多く参加しているため、普段なかなかお話しできないような先生方とも交流できたり、プライベートで食事に行ったりゴルフに行ったり、学問だけではなくプライベートの面も充実できるのが良いところです。
また、インプラントの治療相談などもLINEなどを通して様々な先生の意見を聞くことができますね。

参加を検討している先生方へのメッセージ
編集部:参加をご検討されている先生方に、ぜひメッセージをお願いします。
岩城先生:普段目にすることができない海外の先生方の臨床を実際に見ていただいて、ご自分の臨床の一助にしていただきたいです。またこれをきっかけにICOIに参加して、日本代表として世界に出て、発表をするなり、学びに行くなりしていくような仲間になってほしいと思っています。
高山先生:ICOIは、楽しい学問だけでなく、ガラパーティーや人との交流、あらゆる先生とのつながりを持てる楽しい学会です。ぜひ参加していただければと思います。
米本先生:世界の基準を惜しみなく学べる良い機会だと思いますので、ICOIに参加していただいて、例えばフェローシップや、ディプロメイトという資格がありますから、世界基準のICOIという学会の資格取得を目指して楽しんでいただきたいと思います。

なぜ今、2025年ICOI国際口腔インプラント学会 日本支部学術大会に参加すべきなのか
3名の実行委員の先生方の熱い想いから見えてくるのは、この大会が単なる学術発表の場を超えた、真の価値を持っているということです。
世界基準の知識と技術を学び、アジア圏の最新トレンドを知り、国際的な人脈を築き、明日からの臨床に直結する学びを得られる。そして何より、楽しみながら成長できる環境がそこにあります。
日本にいながら世界の最前線に触れ、生涯にわたる仲間と出会える。これほど価値ある機会は他にありません。
2025年ICOI国際口腔インプラント学会 日本支部学術大会が、あなたの歯科医師人生と世界を繋ぐ架け橋になるかもしれません。