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Ni-Tiファイルの臨床応用がはじまり30年以上の年月が経過した。当初は手用ステンレススチール製ファイルと同様ステップバック法が主流と
され、根管形成に必要なファイルの使用本数も多かった。研究開発が進みNi-Tiファイルの金属学的性能が飛躍的に向上し、時代とともに
根管形成のシークエンスも変化し、使用するファイルの本数が減少する傾向にある。使用するファイルの本数が減るということは非常に多くの
時間を費やす歯内治療の効率化が達成され、チャアタイムの短縮にも繋がることが期待される。しかしながら、Ni-Tiは魔法のツールではなく、
あくまで効率化を図るためのツールであることを決して忘れてはいけない。
またNi-Tiファイルの破折というキーワードは常に我々の近くに存在し、これはNi-Tiファイルの使用方法の
勘所を知らないままに起こる可能性が非常に高い。ファイルの破折を防止するためにも抑えておきたいポイントを
今回は短い時間ではあるが整理していきたいと思う。