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※提供・執筆:デンタルサポート株式会社


訪問歯科診療に興味はあるものの、日々の外来診療に追われて、「いつかやろう」と後回しにしている歯科医院は少なくありません。静岡県御殿場市で地域密着型の歯科経営を行う「そのだ歯科」の園田先生も、その一人でした。
しかし園田先生は、わずか1年半で「これ以上増えると困る」というくらいの訪問歯科診療体制を築き上げました。
Dentwave取材チームは、園田先生と導入を伴走したデンタルサポート株式会社(以下、デンタルサポート社)の野田氏にインタビューし、その秘密に迫りました。

訪問歯科診療がもたらす変革物語
第1回連載企画!「未来を掴む、たった1年の挑戦――訪問歯科診療がもたらす変革物語」
第2回【今回はこちら】【第2回】裏側を全公開! 訪問歯科診療導入前の相談が“成功の起点” ―訪問歯科診療がもたらす変革物語

【第2回】裏側を全公開! 訪問歯科診療導入前の相談が“成功の起点” ―訪問歯科診療がもたらす変革物語

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“いつか”が”今”に変わった瞬間

園田先生にとって訪問歯科診療は「必要性は感じているものの、外来診療が忙しく、後回しになっているもの」でした。
御殿場市は、高齢化が進み、在宅医療や施設での歯科ニーズが高まっている状況にあります。患者さんやそのご家族、施設関係者から訪問歯科診療に関する問い合わせを受ける機会もあり、「いずれは取り組むべき領域だ」と感じていたといいます。
しかし検討していく中で、「制度や運用が分からない」という不安が大きな壁となっていました。訪問歯科診療には医療保険と介護保険が関わるほか、算定方法やカルテ記載、レセプト対応など、外来とは異なる知識や運用が求められます。
一部在宅診療に関わる機会はあったものの、介護保険での算定はできておらず、当時の様子について園田先生は「何が分からないのかが分からない状態でした」と語ります。

そのような中で、地域の歯科医師からの紹介をきっかけに、デンタルサポート社と出会いました。「何が分からないか分からないなら、一度相談してみたらいい」と背中を押されたことが、最初の一歩となります。それまで「導入するかどうかを決めてから相談するもの」と考えていた園田先生にとって、「決める前に整理するために相談していい」という認識への変化は大きなものでした。
この出会いをきっかけに、訪問歯科診療は「いつかやるもの」から「今、検討すべきもの」へと変わっていきます。

「無料相談」は契約の場ではなく、判断材料を揃える場

園田先生がデンタルサポート社に相談しようと思ったのは、「導入を決めるため」ではなく、「まずは状況を整理したい」という想いからでした。「すぐに始めるつもりはなかったんです。まずは、自分たちにできるのか、やるべきなのかを知りたくて」(園田先生)
実際の相談では、同規模・近いエリアで訪問歯科診療に取り組んでいる歯科医院の事例や、導入までの進め方、準備の優先順位などが提示され、少しずつ全体像が見えてきたといいます。その中で、施設との契約率が300件のうち1件であることにも衝撃をうけたこと、デンタルサポート社の圧倒的な実績も決め手となり、無料相談を通じて「フルサポートでお願いします」と決断されました。
「自分たちより知識も経験も豊富なので、『餅は餅屋』で、分かっているプロに教わったほうが自分で勉強するより絶対に早い。」(園田先生)

一方で野田氏は、「無料相談は導入を前提とした場ではなく、先生ご自身が判断するための材料を揃える場だと考えています。状況によっては“今はやらない方がいい”というご提案をすることもあります」と話します。

園田先生にとっては、今回の無料相談は訪問歯科診療を“始めるかどうかを決める場”ではなく、“自院にとって最適な選択を考えるための起点”となり、訪問歯科診療導入の大きな第一歩になりました。

訪問歯科診療を成功に導いたデンタルサポート社による「4つの柱」

訪問歯科診療の立ち上げにあたって、デンタルサポート社では「現場で機能する形」に落とし込む支援が行われました。取り組みは「市場調査」「広報支援」「院内勉強会」「基本ルール策定」の4つの軸で具体化されていきます。

■ 市場調査:「広報活動」ではなく「調査」で地域を可視化する
最初に着手したのは市場調査です。野田氏は歯科医院を中心に半径8km、10km、16kmと段階的にエリアを分けて、施設数や居宅介護支援事業所数を可視化していきました。

「広報活動ではなく”調査”としてまわることで、施設側も本音を教えてくれます。今の歯医者が週に何回来ているか、どんな機材を使っているかといった情報まで共有していただくことで、具体的な戦略を描いていきました」(野田氏)
園田先生も、調査報告書を見て驚いたといいます。
「周りにこれほど施設があるのかと驚きました。さらに、“契約はしているが実際には治療に来ていない”という歯科も多く、地域には“歯科医療難民”がものすごい数いるという現実が見えてきました」(園田先生)

調査ではもう一つ、重要な発見がありました。多くの歯科医院はポータブルエンジンしか持っていないため、施設で義歯の調整はできても、本格的な治療ができず「外来に連れてきてください」と言われるケースが多いという実態です。
「それなら、うちは機材を揃えて“現場で完結できる治療”を提供しよう、という明確な差別化戦略が見えました」(園田先生)
やみくもに始めるのではなく、対応可能な範囲を見極めたうえで、体制を整えていったといいます。

■ 広報支援:先生の代わりに月50件、施設を回る
2つ目の柱が広報支援です。前述の通り、施設との契約率は300件に1件という厳しい世界です。そこで野田氏が園田先生の代わりに毎月50件ほどの施設を訪問し、施設長や相談員といったキーマンとコミュニケーションを重ねていきました。
外来に通院してきている患者さんに対しては、まず訪問歯科診療を認識いただけるように、先生の想いを載せた院内掲示用の訪問専用パンフレットも制作しました。既存の患者さんからの認知度向上を図りつつ、施設への広報活動を展開したそうです。

地域の施設の方に広報活動をしていく中で、「園田先生は地域での認知度がすでに高かったので、施設にご挨拶に伺うと“あのそのだ歯科さんね”と非常に好意的に受け止めていただけました。施設の方とのコミュニケーションが取れてくると、スムーズに連携が進められました」と野田氏は語ります。
「自分で施設に行く時間は正直、まったくありませんでした。だからこそ、その部分をプロに任せられ、契約までスムーズに進行できたのは大きかったですね」(園田先生)

■ 院内勉強会:最大の壁は「治療」ではなく「事務」だった
3つ目の柱が院内勉強会です。まず「訪問歯科診療とは何か」という基礎から始まり、対象エリアのルール(半径16km)、医療保険と介護保険の違いなどが共有されました。「治療自体はみんなプロなので心配ありませんでした。とにかく事務作業が一番の難所でしたね。外来とは出す書類もタイミングもまったく違うので、最初は何も分からない状態でした」(園田先生)

勉強会では座学だけでなく、実際に車椅子を使った誘導の練習、う蝕治療用・義歯用とケースを分けた機材のパッキングなど、先生一人だけに負担が集中しないための運用の仕方を共有していきました。
さらに、運用が始まってからは「対応編」の勉強会も実施されました。訪問歯科診療では、患者さんのご家族やケアマネジャーなど関わる人数が多いため、対応ひとつで信頼を失いかねず、そこから生じる「機会損失」が起こりやすいといいます。
「歯科の訪問は、外来以上に“人との関わり”が求められます。その部分のノウハウをしっかりお伝えすることで、現場での対応力が安定していきました」(野田氏)

■ 基本ルール策定:1回の電話で必要情報を聞き取る仕組み
4つ目の柱が基本ルールの策定です。例えば、受け付けの電話対応は、外来が忙しい中で何度も電話しなくて済むよう、1回の電話で「誰からの依頼か(家族か施設か)」「ケアマネジャーは誰か」「具体的な症状は何か」などの必要な情報を聞き取るための専用テンプレートが作成されました。
「フェーズごとのルールを明確にすることで、スタッフも慣れていき、誰もが迷わずに対応できるようになりました」(園田先生)
野田氏は、「重要なのは、一度にすべてを整えることではなく、優先順位をつけて“機能する形”をつくることです」と話します。こうした取り組みを通じて、園田先生の医院では、訪問歯科診療を無理なくスタートできる体制が整っていきました。

「空中分解」の危機を超えて──実行フェーズのリアル

訪問歯科診療が実際に動き出すと、想定していなかった壁にも直面しました。
導入当初、一部のスタッフからは「なぜ私が訪問を?」という戸惑いの声や、外来から外れることへの疎外感のようなものがあったといいます。外来の新患は3か月待ちという状況の中で、訪問歯科診療の依頼も増えていき、園田先生自身も昼休みがなくなるほど時間が足りなくなっていきました。
「もし自分たちだけでやっていたら、間違いなく途中で諦めて“空中分解”していたと思います」(園田先生)

園田先生がそう振り返るほどの局面を支えたのが、野田氏の現場密着のサポートでした。「私は日頃からスタッフに“自分で考えて行動しなさい”と言っています。野田さんへの質問も、単に“どうすればいいですか?”ではなく、“私はこう思うのですが、いいですか?”という聞き方を促していくことで、自律的なチーム作りにつなげていきました」(園田先生)
そこに野田氏が寄り添い、休憩室でスタッフと一緒に書類を整理したり、スタッフからの相談に直接対応したりと、チームがバラバラにならないための伴走が続けられました。

今後の展望と結びに

現在、園田先生の歯科医院では訪問歯科診療を順調に拡大し、一時は依頼が増えすぎて広報活動をストップせざるを得ないほどの状態となりました。
「最近、訪問経験が豊富なベテランの先生を新しく歯科医院に迎えました。その先生に訪問をメインで担当してもらうようになり、私は1年半ぶりに昼休みにお弁当をゆっくり食べられるようになりました」(園田先生)
「体制が安定したことで、今後は大きな施設など、さらなる拡大フェーズに入っていけると考えています」(野田氏)
今後もそのだ歯科の挑戦は続いてきます。

最後に、訪問歯科診療の導入を迷っている先生方へ向けたメッセージを伺いました。
「“迷った時点でやるべき”だと思います。訪問歯科診療の需要はまだ伸びています。そして何より“最近通ってこなくなったあの患者さんはどうしているかな?”という人も、最後まで責任を持って診ることができます。それが歯科医師としての喜びでもあります」(園田先生)

野田氏は無料相談の活用について、こう語ります。
「無料相談は、“自分の歯科医院の立ち位置を整理する”ための場です。今の市場で何が求められているのか、数字としてお見せすることもできます。まずは情報収集のつもりで、気軽に相談していただければと思います」(野田氏)

訪問歯科診療を始めるかどうかを決めるのは、あくまで先生ご自身です。その判断を支える材料を揃える場として、無料相談という選択肢を持っておくこと。それが、次の一歩につながるきっかけになるのかもしれません。

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