コラム - 記事
会場には多くの歯科医師・歯科衛生士が集まり、「非外科的に、より清潔な歯周環境をつくる」というテーマのもと、科学的根拠に基づいた最新データと症例が紹介された。
次世代の非外科的歯周治療「ブルーラジカル」―菅野太郎教授が語る、新しい光化学療法の可能性―
1.ブルーラジカルとは何か
「ブルーラジカル(P-01)」は、物理的除去と化学的殺菌を“同時に”行う、次世代型の歯周治療デバイス。
従来のスケーリングやSRPでは届かなかったバイオフィルムの奥深くまで殺菌できる点が最大の特徴である。
1-1.構造と作用メカニズム
ブルーラジカルは、3%の過酸化水素と405nmの青色レーザーを同時に照射し、ヒドロキシルラジカルを発生させることで、歯周ポケット内の細菌を99.99%殺菌する新しい歯周病治療器である。
また、発生したラジカルが歯周病原因菌を破壊し、同時に超音波振動による物理的プラーク除去を実施することで、機械的清掃+化学的殺菌を一度に完結させることができる。
菅野教授は講演の中でこう語った。
「これまでの薬剤は分子量が大きく、バイオフィルム内部までは届かなかった。
ブルーラジカルは、微細なラジカルがバイオフィルム内にまで浸透し、従来不可能だった内部殺菌を可能にする点が大きな特徴です。」

2.従来法との違いと臨床的メリット
従来のスケーリングやSRPに比べ、ブルーラジカルは「痛みが少なく、時間が短く、再発しにくい」と報告されている。
その理由は、治療原理の違いだけでなく、歯周環境の生物学的変化にある。
2-1. 低侵襲・非外科的治療
切開や縫合を必要とせず、非外科的に歯周ポケット内を殺菌できる。
術後の出血・腫脹・疼痛が少なく、患者の快適性が高いことが臨床報告から示されている。
2-2. 同時除去と殺菌の相乗効果
超音波による物理的除去と、ヒドロキシルラジカルによる化学的殺菌を同時に行うため、治療効率が高く、1回あたりの処置時間を短縮できる。
2-3. 臨床報告された効果
国内外の報告によると、以下のような結果が得られている:
・歯周ポケット深さ:平均2〜3mmの減少
・BOP(プロービング時出血):有意に減少
・炎症や腫脹の軽減、術後疼痛の減少
・患者満足度の向上(「痛くない」「早い」などの声)
菅野教授は「ラジカル反応の力は、殺菌だけでなく炎症制御にも寄与している可能性がある」と述べ、今後の基礎研究への期待を語った。
3.再発を防ぐための新しいパートナー「ペリミル(Perimiru)」
ブルーラジカルのもう一つの特徴は、「治療だけで終わらせない」こと。
その思想を具現化したのが、行動変容支援アプリ「ペリミル」だ。

3-1.デジタルで支える歯周管理
ペリミルは、治療データを患者と共有し、セルフケアのモチベーション維持をサポートするアプリ。
治療履歴のグラフ表示、ブラッシングタイマー、歯科衛生士とのコメント機能などを備え、治療後の再発予防をデジタルで支援する。
歯周病は“生活習慣病”であるため、治療だけでなく、患者の行動変容を支える仕組みがなければ、真の予防はできない。
ブルーラジカルとペリミルの組み合わせは、臨床と生活をつなぐ新しい歯周治療モデルと言えるだろう。
4.今後の展望と課題
2024年から全国の歯科医院で導入が始まったブルーラジカルは、今まさに普及期を迎えている。
セミナーでは、今後の臨床研究や教育面での発展にも言及された。
現在、臨床データは収集中であり、症例報告では歯周ポケット縮小・炎症改善・再発抑制効果が示唆されている。
一方で、チップ操作や照射条件の最適化、術者教育の標準化など、今後の検証が求められる段階でもある。
今後私たちはブルーラジカルを用いて患者に優しく、再発を防ぎ、長期安定を実現できればと思う。

まとめ
・ブルーラジカルは、光化学反応によってバイオフィルム内部まで殺菌できる非外科的歯周治療装置。
・超音波とラジカル作用を組み合わせ、機械的除去と化学的殺菌を同時に実現。
・臨床報告では、ポケット減少・出血抑制・術後快適性向上などが確認されている。
・行動変容支援アプリ「ペリミル」との連携により、再発予防・継続管理型の歯周治療が可能に。




