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【R6年度診療報酬改定】歯科技工士連携加算と光学印象歯科技工士連携加算の施設基準・算定要件とは?

歯科技工士連携加算とは

歯科技工士連携加算は、例えば補綴物の製作時に、歯科医師と歯科技工士が連携して色調採得を行なった際等に算定できます。

歯科技工士連携加算には以下の6つがあります。

歯科技工士連携加算1(印象採得)50点
歯科技工士連携加算2(印象採得)70点
歯科技工士連携加算1(咬合採得)50点
歯科技工士連携加算2(咬合採得)70点
歯科技工士連携加算1(仮床試適)50点
歯科技工士連携加算2(仮床試適)70点

施設基準

以下の施設基準を満たした上で届出を行なっている必要があります。いずれも、普段から歯科技工士と連携している医院であれば容易に満たせるものです。

歯科技工士連携加算1
・歯科技工士を配置しているあるいは他の歯科技工所との連携が確保されていること

歯科技工士連携加算2
・歯科技工士を配置しているあるいは他の歯科技工所との連携が確保されていること
・情報通信機器を用いた歯科診療を行うための十分な体制が整備されていること

算定要件

6つある歯科技工士連携加算それぞれの算定要件は次の通りです。

歯科技工士連携加算1(印象採得)
⚫︎施設基準を満たし、届出を行なった保険医療機関である
⚫︎以下を製作するために前歯部の印象採得を行う際、歯科医師が歯科技工士とともに対面で色調採得および口腔内の確認等を行い製作に活用した場合
・レジン前装金属冠
・レジン前装チタン冠
・CAD/CAM冠
⚫︎1補綴物において、歯科技工士連携加算1(印象採得)を算定できるのは1回のみ。また同補綴物において、他の歯科技工士連携加算(印象採得2あるいは咬合採得1・2、仮床試適1・2)を算定することはできない
⚫︎同時に2つ以上の補綴物製作を目的とした印象採得を行なっても、歯科技工士連携加算1は1回しか算定できない

歯科技工士連携加算2(印象採得)
⚫︎施設基準を満たし、届出を行なった保険医療機関である
⚫︎以下を製作するために前歯部の印象採得を行う際、歯科医師が歯科技工士とともに情報通信機器を用いて色調採得および口腔内の確認等を行い製作に活用した場合
・レジン前装金属冠
・レジン前装チタン冠
・CAD/CAM冠
⚫︎1補綴物において、歯科技工士連携加算2(印象採得)を算定できるのは1回のみ。また同補綴物において、他の歯科技工士連携加算(印象採得1あるいは咬合採得1・2、仮床試適1・2)を算定することはできない
⚫︎同時に2つ以上の補綴物製作を目的とした印象採得を行なっても、歯科技工士連携加算2は1回しか算定できない

歯科技工士連携加算1(咬合採得)
⚫︎施設基準を満たし、届出を行なった保険医療機関である
⚫︎以下を製作するために、歯科医師が歯科技工士とともに対面で咬合状態の確認等を行い製作に活用した場合
・ブリッジ
・有床義歯
⚫︎1補綴物において、歯科技工士連携加算1(咬合採得)を算定できるのは1回のみ。また同補綴物において、他の歯科技工士連携加算(印象採得1・2あるいは咬合採得2、仮床試適1・2)を算定することはできない
⚫︎同時に2つ以上の補綴物製作を目的とした印象採得を行なっても、歯科技工士連携加算1は1回しか算定できない

歯科技工士連携加算2(咬合採得)
⚫︎施設基準を満たし、届出を行なった保険医療機関である
⚫︎以下を製作するために、歯科医師が歯科技工士とともに情報通信機器を用いて咬合状態の確認等を行い製作に活用した場合
・ブリッジ
・有床義歯
⚫︎1補綴物において、歯科技工士連携加算2(咬合採得)を算定できるのは1回のみ。また同補綴物において、他の歯科技工士連携加算(印象採得1・2あるいは咬合採得1、仮床試適1・2)を算定することはできない
⚫︎同時に2つ以上の補綴物製作を目的とした印象採得を行なっても、歯科技工士連携加算2は1回しか算定できない

歯科技工士連携加算1(仮床試適)
⚫︎施設基準を満たし、届出を行なった保険医療機関である
⚫︎有床義歯を製作するために、歯科医師が歯科技工士とともに対面で床の適合状態の確認等を行い製作に活用した場合
⚫︎1補綴物において、歯科技工士連携加算1(仮床試適)を算定できるのは1回のみ。また同補綴物において、他の歯科技工士連携加算(印象採得1・2あるいは咬合採得1・2、仮床試適2)を算定することはできない
⚫︎同時に2つ以上の補綴物製作を目的とした印象採得を行なっても、歯科技工士連携加算1は1回しか算定できない

歯科技工士連携加算2(仮床試適)
⚫︎施設基準を満たし、届出を行なった保険医療機関である
⚫︎有床義歯を製作するために、歯科医師が歯科技工士とともに情報通信機器を用いて床の適合状態の確認等を行い製作に活用した場合
⚫︎1補綴物において、歯科技工士連携加算2(仮床試適)を算定できるのは1回のみ。また同補綴物において、他の歯科技工士連携加算(印象採得1・2あるいは咬合採得1・2、仮床試適1)を算定することはできない
⚫︎同時に2つ以上の補綴物製作を目的とした印象採得を行なっても、歯科技工士連携加算2は1回しか算定できない

光学印象歯科技工士連携加算とは

光学印象歯科技工士連携加算は、口腔内スキャナーを用いて、窩洞を直接印象採得あるいは咬合採得した場合に加算することができます。

歯科技工士連携加算には以下の2つがあります。

⚫︎光学印象(1歯につき)100点
⚫︎光学印象歯科技工士連携加算 50点

施設基準

光学印象歯科技工士連携加算を算定するには、以下の施設基準を満たした上で届出を行なっている必要があります。

⚫︎歯科補綴治療に関する専門知識および3年以上の経験を有する歯科医師が、1名以上配置されていること
⚫︎当該保険医療機関内に光学印象に必要な機器を有していること

算定要件

光学印象歯科技工士連携加算では、以下のような算定要件が挙げられています。

⚫︎施設基準を満たし、届出を行なった保険医療機関である
⚫︎CAD/CAMインレー製作時、デジタル印象採得装置を用いて印象採得および咬合採得を行なった場合
⚫︎区分番号M003に掲げる印象採得、M003-3に掲げる咬合印象およびM006に掲げる咬合採得を別に算定することはできない
⚫︎歯科医師が歯科技工士とともに対面で口腔内の確認等を行い、当該修復物の製作に活用した場合には、光学印象歯科技工士連携加算として50点を加算可能
⚫︎1補綴物において、光学印象歯科技工士連携加算を算定できるのは1回のみ。同時に2つの補綴物を製作する場合も1回のみ算定可能

まとめ

「歯科技工士連携加算」と「光学印象歯科技工士連携加算」は、歯科医師と歯科技工士の協力体制を評価し、診療の効率化や質の向上を目指すためのものです。新たな報酬体系を活用し、デジタル技術と連携体制を強化していきましょう。

Introduction

著者紹介

ミホ

東京医科歯科大学卒業後、都内歯科大学病院に勤務。退職後はフリーランスの「歯科衛生士ライター」として活動し、ライターの指導や教育、ディレクションも行う。自身で制作・運営を行なっていた歯科メディアは販売を達成。大学の卒業研究では日本歯科衛生学会の学生研究賞(ライオン歯科衛生研究所賞)を受賞。現在はDentalMonitoringJapanに勤務し、2児の母でもある。
Instagram:@toothteethtokyo