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2013/10/24

第6回 歯科衛生士の食育…こころのシュガーコントロール

歯科衛生士コラム 第6回

歯科衛生士の食育…こころのシュガーコントロール
宮坂乙美  歯科衛生士

今回は、「“キレない子どもは歯科衛生士が育てる!”〜からだとこころのシュガーコントロール〜」と題して、お話ししてみようと思います。

歯科衛生士が行うシュガーコントロールと言えばステファン・カーブを思い出すでしょうか。


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食事の回数とう蝕の関係を表した、歯科衛生士にとってはなじみのあるグラフですね。小児歯科保健指導を行っていく上で、このグラフを用いてカリエスリスクを説明していくのは重要な事です。私も医院内、各診療台の掲示板に、このグラフがすぐに提示できるようにかけてあります。

でも私は食育について勉強していくうちにシュガーコントロールが必要なのは歯だけではなく、からだ全体はもちろん、こころのシュガーコントロールが必要である事を感じました。

からだとこころのシュガーコントロールとはなんでしょう?


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この二つのグラフを見て下さい。左のグラフは、食事の際にご飯(お米)やイモ類など多糖類=でんぷん質摂取時の血糖値の変化を表しています。お腹がすいて血糖値が下がった時に多糖類を摂取すると、吸収が穏やかな為、血糖値が緩やかに上昇し、その後も血糖値は安定します。

右は単糖類・二糖類(=砂糖など)の摂取時の血糖値の変化を表したグラフです。砂糖は急速に吸収され、血液中に糖の洪水を引き起こします。⇒血糖値の急上昇

膵臓・肝臓・副腎などに緊張を起こす

血糖値を下げようと膵臓が反応過剰になり、大量のインシュリンを産出

結果として、血糖値が異常に下がりすぎてしまう状態が起きる

しかし、砂糖を食べたからと言って、必ず“血糖値が異常に下がり過ぎる”という状態になるわけではありません。頻回に“血糖値の急上昇⇒インシュリンによる急降下”を繰り返すうちに、調節機能がうまく働かず、“インシュリンが安易に分泌される又はダラダラと分泌される⇒血糖値が下がり易い体”を作ってしまうと言われています。

これが食原性低血糖症と言われ、“疲れ”“無気力”“集中力低下”“不眠”“頭痛”“低体温” “理由のない不安・恐怖”“暴力的発作”などの症状があらわれます。

少し前からキレる若者、子どもが増加してきているという事をよく耳にします。ゲームやテレビの影響や学校の教育が悪い、家庭でのしつけが悪いなど、原因はいろいろ言われていますが、私は生化学的に糖代謝について学ぶうちに、食事の問題、特に砂糖の摂取量の多さがからだの問題、こころの問題を引き起こす事を、歯科からも伝えていく必要があると痛感しました。ですから前回のコラムでも、おやつに最適な物として、おにぎりやおもち等を勧めているのです。

歯科から食育を発信する上で、カリエスリスクを説明するのにステファン・カーブを用いるのと共に、血糖値のグラフも用意して、食生活が疑問に感じる親子には問診から指導できる環境を整えられると良いのではないでしょうか?

参考文献:食原性低血糖 大沢博著  子どもの脳は食から育つ 食べもの文化編集部編

さて、今回で私の「歯科衛生士が勧める食育」は、最終回です。私が、食育や口腔機能に関してなぜ興味を持つようになったか、少しお話しさせていただきます。

10年前、私は勤務先である中村歯科で、下顎3〜3の縁上歯石を取ったり、染め出しをしてTBIをするだけの、パートのおばちゃんDHでした。1年半ぐらい経ったころ、デントウェイブのインタビューにも登場している、長谷ますみさんが院内教育で来られ、セミナーや直接患者様を診ていただきながら指導を受ける、という機会に恵まれました。そのセミナーの中で、上顎の唇側面にはプラークがぎっしり付着しているのに、口蓋側にはほとんどプラークがないという口腔内写真を提示され、この写真から何がわかるかを問われましたが、その時の私には答えられませんでした・・・。

今ならわかります。お口をぽか〜んと開いている開口癖(口呼吸)があるから、口腔内が乾燥して、唇側面ばかりプラークが積もり、取れにくい状況になっていると・・・。

その1枚の写真と、長谷さんの指導のおかげで、私は積極的に自分で動いて考えるDHになる姿勢を学ばせていただくと共に、小児の口腔機能を勉強していこう!と思うようになりました。中村喜代香院長先生にも、色々なセミナーや講演、研究会、学会に参加させていただくチャンスをもらい、それが全部自分の骨となり肉となり、院内に小児の口腔機能治療を導入する礎を築く事となりました。

それからは、どんどん歯科衛生士として貪欲に勉強していく事が楽しくなり、院内のパンフレットを作ったり、掲示物を作ったりする事に没頭するようになったのですが、そうなると他の人にも伝えたい!と思うようになり、自らが講演をしたり、セミナーをする機会にも恵まれるようになりました。今は歯科衛生士の仕事が楽しい!と、心から言えます。

こんな私に導いて下さった、中村歯科中村院長と長谷ますみさんに感謝を!色々な提案をして、仕事を増やしているにもかかわらず、一緒に仕事をがんばってくれるスタッフに感謝を!スキルアップを心掛けともに切磋琢磨してくれるDH仲間に感謝を!

そして、家事が滞りがちな事が多い母に代って、食事を作ってくれたり、洗濯やそうじをしてくれたり、理解をしてくれる、娘たちと主人に最大級の感謝を!・・・して、このコラムを締めくくらせていただきます。半年間ありがとうございました。

そうそう!このコラムを連載させてくださる機会を与えてくださった、ブランネットワークスさんにも感謝を!

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