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SPARK Innovation Forum 2026 Powered by Ormco ~トータル矯正ソリューションの新時代~ 参加レポート

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イベント概要

2026年3月1日(日)にグランドプリンスホテル高輪にて、エンビスタジャパン株式会社主催のもと「SPARK Innovation Forum 2026」が開催された。日本で販売が開始されたアライナーシステム「SPARK」を中心に、矯正歯科を取り巻くさまざまな分野の専門家が一堂に会し、それぞれの立場から今後の矯正歯科治療の考え方について知見を共有しました。

Welcome Message


冒頭の「Welcome Message」では、エンビスタジャパン株式会社代表取締役社長 坂野弘太郎氏、Ormco社President Veronica Acurio氏より開会のご挨拶があり、従来の矯正器具にSPARKが加わることによる多様な治療ソリューションの提供、国内デジタルデザインセンターによるサポート体制の強化、そして学術・教育活動への貢献を通じて、日本の矯正歯科の発展を支えるパートナーとして取り組んでいく方針が示されました。

SPARK Innovation


SPARK Global Business TeamのGideon Davis氏により「SPARK Innovation」と題して、SPARKアライナーの持続的なフォースと快適性・審美性、高解像度3Dプリントによる高い密着精度と厳格な品質管理、さらに独自機能を備えることで、症例に応じた効率的かつ予測性の高い矯正治療を実現する技術的優位性を有していると説明されました。

What truly matters in Clear Aligner Treatment

SPARK Global Advanced DevelopmentのEvan Tsai氏が「What truly matters in Clear Aligner Treatment」と題し、次世代機能「StageRx」について、ビジュアル化して保存・共有できる機能を備え、従来の複雑な指示書作成やデザイナーとのやり取りを簡素化するとともに、将来的にはAIによるリアルタイムのステージング計算やエラー検知によって、より効率的で精度の高い治療計画作成サポートへの発展性が示唆されました。

日本における矯正治療の今後について

スパーク・システムの効率的な活用-StageRx | 吉住淳先生(SMILE ACCESS矯正歯科)

吉住先生はStageRxがもたらす治療計画の効率化について解説されました。
矯正医にとって最も貴重な資源である「時間」を有効に活用する観点から、最新ソフト「StageRx」が処方書提出後に修正を重ねる治療計画から、医師の臨床ルールや治療哲学を「If-Then」形式のプロトコルとして処方書提出時に組み込み再利用できる設計型アプローチへと転換させることで、治療計画の効率化と再現性の向上、さらにチーム医療における治療品質の均一化に寄与する可能性を強調しました。

インターディシプリナリーアライナー治療 | 川鍋仁先生(奥羽大学主任教授)

川鍋先生はアライナー矯正の多様な臨床応用と将来の可能性について講演されました。
大学教授の立場から、アライナー矯正を単なる審美目的の装置ではなく、優れた口腔衛生管理を可能にする特性を活かして外科矯正や高齢者治療、インプラントとの包括的治療に応用できる治療ツールと位置づけるとともに、遠隔モニタリングによる地域格差の解消や将来的な宇宙医療への応用可能性にも言及しました。

日本が目指すべきアライナー矯正治療について | 槇宏太郎先生(昭和医科大学特任教授・昭和医科大学歯科病院病院長)

槇先生は矯正治療における生体力学に基づいた治療判断の重要性について説明されました。
デジタル技術の進歩を評価しつつも、矯正治療ではシミュレーションと実際の歯の動きの差を理解し、生体力学に基づいた治療判断が不可欠であると述べ、症例に応じたアライナーとブラケットの使い分けや補綴・インプラントと連携した包括的治療、さらに臨床プロトコルの構造化や「なぜ動くのか」を考える教育を通じて、歯科医師が生体と力学の専門家として主体的に治療を設計していく重要性を強調しました。

パネルディスカッション|グローバルトレンドと日本が目指す包括的矯正治療アプローチ

最後に、パネルディスカッション「グローバルトレンドと日本が目指す包括的矯正治療アプローチ」が行われ、座長として槇先生、川鍋先生、パネリストとして甘利佳之先生(アマリ歯科・矯正歯科・口腔外科クリニック)、鎌倉聡先生(愛媛インプラントクリニック かまくら歯科)、常盤肇先生(常盤矯正歯科医院)、文野弘信先生(文野矯正歯科)、山田尋士先生(ヤマダ矯正歯科)、綿引淳一先生(東京日本橋AQUA歯科・矯正歯科包括CLINIC)が登壇しました。
今回のディスカッションでは、矯正歯科を単なる歯列改善として捉えるのではなく、補綴やインプラント治療を含め最終ゴールを共有した治療設計の重要性、CTなどのデジタル技術による骨や歯根の状態の可視化、そして患者の機能や生体環境まで含めた包括的診断の必要性について議論が行われ、デジタルはあくまで強力なツールであり、それを活かすための診断力と多分野連携が今後の矯正治療において重要であるという認識が共有されました。

編集部まとめ

本イベントを通じて、SPARKアライナーという装置が単なる歯列移動のツールではなく、「精密な診断・予知性の向上・包括的ケア」の起点として、矯正歯科の可能性を大きく広げているということを実感しました。
現在デジタルの最新技術は、単に導入する段階を終え、臨床哲学をいかに構造化し組み込んでいくかが問われる時代に入っています。今後デジタルという共通言語をもとに手を取り合うことで、歯科医療の役割は地域や世代、さらには居住圏の枠をも超えて、ますます広がっていくはずです。
次世代の矯正治療に向けた実践と革新の第一歩として、本イベントが多くの示唆を与える場となったのではないでしょうか。

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