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2025年11月15日、16日に30周年記念総会・年次学術⼤会 2025 in 沖縄が開催されました。
デンタルコンセプト21の会員数は現在390名に達しており、学術的探究と交流のバランスを重視されてきた学会ならではの30周年記念イベントとなりました。
Dentwaveでは、「インプラント治療を多角的に考える」のテーマのもと、骨増生術や組織増生術のスペシャリストであるヴェルナー・ツェヒナー先生の海外招聘講演をはじめ、8名の先生の講演をご紹介します。

DC21 30周年記念総会・年次学術⼤会 2025 in 沖縄 参加レポート

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【1日目】11月15日(土)

記念すべき大会の1日目は、会長 木津先生の開会の挨拶からスタート。
ヴェルナー・ツェヒナー先生の海外招聘講演、会長講演へと続きました。
その後、ウェルカムパーティーと会場を変えて30周年・出版記念パーティーも開催されました。

インプラント外科における最新のグローバルトピック/ヴェルナー・ツェヒナー先生

まず最初に行われた海外招聘講演では、ヴェルナー・ツェヒナー先生が「インプラント外科における最新のグローバルトピック」をテーマに、臨床と研究を交え講演されました。
GBR成功の鍵は移植材の安定化と早期露出管理であり、同種骨ブロックの失敗対策としてLPRFによる生体機能化の有効性を示唆しました。
サイナスリフトでは、術前の3次元診断による中隔回避と膜の先行予防を強調。
さらに、欠損に応じた3Dプリンティング骨補填材の最新知見と将来性を紹介。
ヴェルナー先生は、再生医療における生物学的機能化と多分野連携の重要性を訴え、「何もしないことが最大の失敗」であると結びました。

骨造成術の現在と未来/木津 康博先生

会長講演として木津先生は、「骨造成術の現在と未来」をテーマに、豊富な臨床経験を統合して講演されました。
長期予後データに基づき、自骨移植を揺るぎないゴールデンスタンダードとして再評価。
一方、非吸収性異種骨(バイオスなど)がもたらす将来的な炎症リスクや病理組織学的懸念を鋭く指摘されました。
今後は、脂肪由来幹細胞(MSC)生物学的機能化こそが、骨造成の質を高める鍵だと力説。
日本の薬事承認の最新情報も詳述しつつ、骨造成の成功には知識・技術の更新と細胞治療の活用が必須であると強く結論付けました。

【2日目】11月16日(日)

2日目は副会長 下尾先生の挨拶からスタート。
DC21 30周年特別企画として、中村先生、山﨑先生が講演され、午後からはおふたりの対談、株式会社シケンによるランチョンセミナーも行われました。
午後からは総会として、教育講演で下尾先生、白鳥先生。
トリは前会長 三好先生が講演され、大いに盛り上がった本大会は、副会長 北所先生の挨拶で締めくくられました。

インプラント治療のトータルソリューション/中村 社綱先生

2日目最初の講演では、中村先生による「インプラント治療におけるトータルソリューション」をテーマに、40年の知見を総括されました。
ITIとブローマルクを研究し、平均21.4年経過の長期症例で95%の高い稼働率を達成したデータを提示。
成功の背景には、フランク・レノアやパウロ・マロ先生らとの継続的な学習があったと強調されました。
即時荷重やGBR、ソケットプリザベーションなどの先進的な臨床例を紹介し、有限要素法に基づく応力集中の力学的考察を詳述。
結論として、ナビゲーションやAIを駆使したデジタルソリューションへの移行が、精度と効率性を高める鍵であると力強く訴えかけました。

複雑なインプラント症例の外科-補綴の連携治療/山﨑 長郎先生

続いて、山﨑先生は「複雑なインプラント症例の外科-補綴の連携治療」をテーマに講演されました。
治療の前提として拡大(マイクロスコープ)軟組織増大術の術式を詳述し、軟組織の厚み(シクネス)外科医・補綴医・技工士のトライアングルでの緊密な連携が必須であると主張。
顔貌からの診断に基づくインサイザルエッジ決定や、応力集中の力学的考察を提言されました。
今後の歯科医療はデジタルソリューションが精度と効率性を高めると締めくくられました。

インプラントスペシャリスト対談/中村 社綱先生・山﨑 長郎先生

おふたりそれぞれの講演のあとは、インプラント治療の変遷と世界で戦うための戦略をテーマに対談されました。
対談で中村先生は、補綴からインプラントへ移行し、GTR概念との出会いが最大の転機だったと解説。
東京歯科大学と連携し、日本初期のGBR動物実験に尽力した歴史を紹介しました。
成功には地道な学習の継続が不可欠だと両先生は強調。
若手へはエビデンス構築、感染制御、英語力の重要性を提言し、AI活用を見据え、日本アカデミックが世界をリードするポテンシャルがあると熱く結びました。

ZYGOMA IMPLANTの合併症-正しく指導を受けたことがない者は、ZYGOMA IMPLANTをやるな!-/下尾 嘉昭先生

午後からは、下尾先生は「ZYGOMA IMPLANTの合併症-正しく指導を受けたことがない者は、ZYGOMA IMPLANTをやるな!-」をテーマに、25年の経験を総括されました。
難症例への即時荷重プロトコルを解説しつつ、解剖学的知識不足が招くコンプリケーションのリスクを警告。
翼突静脈叢からの大出血や眼窩蜂窩織炎といった重篤な合併症の危険性を詳述しました。
また、活性型ビタミンD欠乏症と早期脱落の関連性も指摘。
ザイゴマは10年後以降に脱落が増加する傾向を示し、適用症の厳格な見極めと長期予後を見た指導者から学ぶ重要性を強調されました。

審美領域に特化した骨造成症/白鳥 清人先生

続いて、白鳥先生は「審美領域に特化した骨造成症」をテーマにGBRを解説されました。
成功には、連続した歯槽骨の幅と高さを獲得することが不可欠だと強調。7年超の長期症例を提示しました。
GBRの成功原則として、閉鎖、血管新生、スペース維持、安定性の4点を詳述。
難易度の高い症例(クラス3~5)の解決には、自家骨ブロックやソケットプリザベーションを用い、インプラント周囲の骨レベルを全体的に揃えることが重要だと提言。
また、吸収性マグネシウムメンブレンの応用にも言及されました。

デンタルコンセプト21の30年間の軌跡と今後の展望/三好 敬三先生

講演のトリは三好先生の「デンタルコンセプト21の30年間の軌跡と今後の展望」でした。
スタディーグループの歴史とインプラント治療の進化を総括。
ITIからノーベルへ移行し、即時荷重やガイデッドサージェリー(ナビゲーション)といったデジタル化の必然性を解説されました。
骨がない難症例に対する翼状突起を利用した即時荷重の17年長期症例 や、PRGF/TRGFを用いた低侵襲なGBR を紹介。
今後は、安全確実で低侵襲な治療「自分や家族にしたい治療」を目標に、後輩育成に尽力すると結びました。

編集まとめ

この学会は、「インプラント治療を多角的に考える」というテーマのもと、長期予後と最新の再生医療・デジタルソリューションを二大柱として展開しています。

複雑な難症例への対応や長期予後の実現には、高度な解剖学的知識に基づくリスク管理と専門家同士の密接な連携が不可欠であることを改めて痛感しました。また、歯科医療の未来に向けた患者志向の姿勢の重要性を深く考える機会にもなりました。

Dentwaveでは引き続き学会などに参加し、歯科業界の最先端の情報を皆様にお届けしてまいります。

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