歯科を好きになる!(梶原浩喜/医療法人 宝歯会)

Denty

今回のクローズアップドクターは福岡・山口・広島に歯科医院を展開する医療法人宝歯会グループの梶原浩喜先生からお話を頂きました。多くの患者様に支持されている秘訣やスタッフ教育や法人の理念など貴重なお話を伺うことが出来ました。

梶原浩喜
1960年北九州市若松区の出身。
1987年に鹿児島大学卒業。
卒業後は広島市の開業医に勤務する。
1992年北九州市若松区にかじわら歯科医院を開業
その後、ひまわり歯科医院(北九州市若松区)、古賀スマイル歯科医院(福岡県古賀市)、あやらぎスマイル歯科医院(山口県下関市)、伊都スマイル歯科医院(福岡市)などの分院を展開する。現在12医院と株式会社スマイル・ラボ(歯科技工所)、株式会社スマイルサポート(運営管理会社)を開設管理している。
医療法人 宝歯会 http://www.kajiwara-shika.jp/



強くぶれない方針

医療法人 宝歯会について

開業して22年目になります。福岡県に9医院、山口県に2医院、広島県に1医院の合計12医院を運営しています。
しかし、開業して13年目まで私ひとりで診療をしていました。意外と驚かれます。(笑)
開業した当初は自分の診療スキルを上げる事、「どうしたら多くの患者様にそして永く来院していただけるのか」に集中してきました。売上や診療報酬などには全く関心がありませんでした。
その結果、かなり多くの患者様に来院して頂けるようになりました。

分院展開を始めたきっかけは、患者様にたくさん通って貰えるようになり、私自身の満足度も上がりましたが、私の医院で働いているスタッフはどう考えているのだろうと考え始めるようになったことです。折角、患者様が永く通って下さっているのに度々スタッフが退職する事があったのです。
スタッフの満足度は一体どんな事なのか、仕事をする上で何を求めているのかを考えていきました。
当法人は、①患者様と永くお付き合いすること②スタッフ皆と永くお付き合いすること③地域の皆様と永くお付き合いすることをミッションとして掲げています。従来の歯科医療システムと一線を画したこのシステムが、当法人が経営理念として掲げ目指す「新しい歯科医療システムの創造」です。
それは、私は安心して長くスタッフに働いて頂くためには、第一に診療を通しての"働きがい"を高めていくことが重要であり、更に分院を展開して会社化し存続させ、社会性の高い組織を確立すること、そこで働くスタッフに対して働きがいに加え経済的・将来の安心を作り出すことが、スタッフが長く勤務出来る事ではないかと考えた上でのシステムです。
そして、離職率は少しずつですが下がっています。

私たちは一般的な会社と同じようにありたいと思っています。私一代で終わることのない、継続して会社が存続していく事が当法人の使命だと考えています。

明確なビジョンが当法人の強み

当法人では院訓があります。基本的なことですが非常に重要なことです。

1つ目は「明るく元気で大きな声で挨拶します」
たとえば、レストランに行けば、店員がしっかりと挨拶をして席まで案内し、注文を聞きます。常に快適に楽しんで頂けるようサービスを提供しています。我々も同じだと思います。
患者様が医院にお越しになれば、まずは明るく元気で大きな声で挨拶をする事を心がけています。これは、社会人として「当たり前のことを徹底」している歯科医院が患者様は好きであるという理由からです。

2つ目は「日本一綺麗な医院を目指します」
どこの会社でもお客様がお見えになれば社内を綺麗にしてお迎えすることは当たり前の事です。受付も応接室もトイレも綺麗にしていますよね。これはお越し頂いた患者様に「気を遣ってもらっている」と感じて頂くということを一番にしているからです。

最後に「治療は詳しい説明の後に行います」
私たちは患者様に十分な説明をしてからでないと治療を行いません。患者様に対して積極的な情報提供と情報共有を行い、患者様の理解と納得をいただくことを実践しています。医院の最大の財産は「信頼」だからです。

すべては患者様のために

採用のポイントは法人理念に賛同して頂けること

まずは「歯科が大好きである」又は「歯科を大好きになりたい」と言う気持ちです。
採用時には挨拶や履歴書の書き方に注意して採用を決定していますね。そして自分と考え方が同じ方向を向いている方のみ採用します。いくらスキルがある方でも法人の考え方と異なる方は採用致しません。これは一般企業でも同じことでしょう。
一般的に歯科医院では短期間でスタッフの評価をしたがる傾向があると思います。急いで成長するように指導していきますが、それは経営者側の思いが強いのだと思います。私も20年程歯科医師をやっていますが、まだまだ勉強することもありますし、ご指摘頂く事もあります。新卒の方、ブランクのある方は特に評価を長い期間で見てあげる必要があると思います。人間力がある方は必ず成功します。当法人では長く勤務して頂きたいと考えていますので、時間をかけて成長して頂けるように指導していきます。

ブランクのあるスタッフは貴重な人財

当法人ではブランクのある方も積極的に採用をしています。
子育て、他の業界でお仕事、ブランクの理由は様々だと思いますが、歯科医院での仕事に再度チャレンジしてみたいという方は何と言っても情熱をお持ちです。その情熱を当法人は非常に歓迎しています。
また、他業界で働かれた方は患者様から「ありがとう」と言われる事の喜びを再確認するとモチベーションも高くなり、長く勤務して頂けますので是非採用させていただきたいと考えています。

スタッフ教育は「歯科を好きになる!」

当法人の理念を実現するにあたり、まずは歯科医療に従事する「医療人である前に、社会人としての自覚と責任を持つこと」が、当法人で勤務する歯科医師や医療スタッフにとっての最重要項目であると考えています。
つまり、「当たり前のことを当たり前にやる。それも徹底的にやる」ということです。挨拶をきちんとすること、毎日掃除をきちんとするといったことです。年上を敬うことや礼節をきちんとわきまえた上で、基本に忠実に行動することです。たとえ、患者様に対して最新・最高の歯科医療を提供したとしても、社会人としての適切な行動が伴わなければ、患者様にとっても、医療を提供する側にとっても良いものとは言えません。社会人として"真摯な姿勢"も必要です。


スタッフ教育で必要なことは意識統一

13年間考えてきたのは、もちろん良い治療をする事も非常に大事ですが、まず大事なのは「当たり前の事を当たり前に徹底する事」を理解してもらう事だと思います。
法人として「患者様と永くお付き合いさせて頂くこと」が一番重要だと思っています。意識の相違が無いようにする事が大切です。
そのため、当法人では院訓を掲げ、歯科医師や医療スタッフが一体となって院訓を実践していくことで理念の実現を目指しています。この院訓は、当法人の行動規範であり、判断基準ともなっています。

そもそも仕事とは考えてするものであり、何も考えず毎日作業だけをしていると仕事が面白くなくなってしまう。だから辞めてしまうのです。歯科医療とは考えて行うから仕事なのです。どうしたら患者様がまた来てくれるのか、どうしたら患者様が喜んでいただけるのか考える事が大事なのです。そうならないように、いかに情熱を持てるようにとか、私は名人ではありませんので歯科医療の一つ一つは教えることができませんが、歯科医療の面白さを伝える事はできます。私もその当時先輩方に教わってきましたから。

独自の教育体制

法人独自の教育方法・体制で「医療と経営の分離」

医療従事者は医療に専念して患者様に最大の満足となる、より良い医療を提供し、歯科医院の経営に関することは別の事業会社が行うという「医療と経営の分離」を行うため、株式会社スマイルサポートを設立致しました。主な業務は5つの部門に分けています。①マーケティング部門 ②開発・人事部門 ③医院管理部門 ④研修・管理部門研修プログラム ⑤人材採用となります。スタッフ皆が歯科医療に専念してもらえるように常にバックアップ出来る環境を整えております。

離職率が低いポイント

私たちは「患者様と永く、更にスタッフ皆とも永く、地域の方とは深く」をミッションとしています。折角、患者様に医院に来て頂いてもスタッフがコロコロ変わるようでしたら深くお付き合いする事は出来ません。
私がよくスタッフに「自分がどうしたいかよりも患者様がどうしていただきたいのかを一番に考える」よう日々指導しています。常に患者様からの視線で、主語を間違えないように言い聞かせています。このことが当法人の基本的な考え方です。
スタッフに求める事は外からの視線で院訓を徹底している事です。
基本的な考えを理解、共有することで一つのチームになります。また、スタッフには患者様からの「ありがとう」と言って頂ける機会を出来るだけ提供しています。多くの歯科医師は患者様からの「ありがとう」と言われる機会を独占してしまう傾向にあります。「ありがとう」を歯科衛生士・歯科助手・受付にもしっかりと味わってもらうことが本当に重要です。その体験がやりがいに繋がり、また歯科を好きになるということだと思っています。

多彩なセミナーでモチベーションアップ!

スキルはある程度、私でも指導出来ますが、しかし歯科医療の奥行、素晴らしさまでは私一人ではなかなか難しいと思っています。「歯科の楽しさを感じてほしい!」「歯科ってすごい!」と思ってもらいたいので、一流の先生方の講演を聞く機会を設け刺激になればと考えて積極的にセミナーを行っています。私自身、歯科が大好きです。その情熱は誰にも負けません。ですからみんなにも歯科を好きになってもらいたいと考えるのです。
それを伝えるために毎月一回、技術と知識の習得を目指して、外部の著名な先生の講演会を開いております。


成長のための研修プログラム

当法人では臨床研修歯科指導医が5名在籍しており、4ヶ月(16週)のうち、12週を各診療科目に割り振り、指導医の指導のもと研修を行っています。13週目からは治療総合と称し、積極的に診療にあたっていただきます。
しっかりとした研修を受けることが成長の第一歩だと考えております。
ただ本音を言うと、1から10まで全てを教える事がパーフェクトだとは思っていません。自分で考える能力向上を妨げてしまうのではないかと感じる事もあります。やはり自分自身で色々考えて成長してもらいたいと思っています。

今伝えたい今後の歯科業界について

歯科業界は今まで恵まれ過ぎていたということを認識することが重要です。しかし、多大な努力を注ぎ込み、真摯な態度で臨めば経済利益も十分見込めます。恵まれた環境ということを再認識し、歯科医療に努力と勉強、そしてよく考えるということで、結果、更にどんどん多くの患者様にご来院頂けると考えます。これからは「噛む」、「食べる」ことだけでなく、「笑顔」、「話す」という行為を支えるなど、私たちが行うべきことは広がる一方です。努力次第で夢をしっかり持てる業界であると思います。
終わりに・・・・
如何でしたでしょうか。「歯科を好き!」という気持ちが患者さんと永く、深くお付合いすることに繋がります。その気持ちを明確に浸透させていく事が大切なんですね。
今まで通りのスタイルから脱却がポイントですね。

梶原先生、インタビューにご協力頂きまして誠に有難う御座います。

Dentyは今後も医療法人 宝歯会を全力で応援して参ります。

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