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2026年3月1日より、保険歯科診療で使用される「歯科用金銀パラジウム合金(金パラ)」の新しい告示価格の運用が始まっています。今回の改定では、1gあたりの価格が「4,779円」という歴史的な高水準に設定され、日々の臨床現場や会計業務に大きな変化をもたらしています。

【3月1日より適用】金パラ告示価格が「4,779円」へ。大幅な点数引き上げと、目前の4月改定で歯科現場は戦場に

著:Dentwave /

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1. 告示価格の推移と「4,779円」算出の背景

今回の改定で特筆すべきは、前回の改定(2025年12月)からわずか3ヶ月で977円(約25.7%)もの異例の引き上げが行われた点です。

価格推移の詳細:
・2025年9月:3,445円
・2025年12月:3,802円
・2026年3月:4,779円(現在適用中)

金パラの告示価格は、市場実勢に即応するため「直近3ヶ月間の素材(金・銀・パラジウム)の平均市場価格」に基づいて四半期ごとに算出されます。
今回の「4,779円」は、2025年10月〜12月の素材平均価格(約4,054円)に、消費税や諸経費等の補正幅を加算して導き出されました。昨年末の世界的な「有事の金」需要や供給不安によるパラジウム価格の高騰が、計算上の数値を大きく押し上げた形です。

この「随時改定」の仕組みにより、市場価格が上がれば即座に保険点数に反映されるようになっていますが、今回はその上昇幅があまりに急激であったため、現場への影響も過去最大級となっています。

2. すでに運用されている「新点数」:主要項目の窓口負担が増加

材料代の引き上げに伴い、3月1日診療分から金属を使用する処置の算定点数も、以下の通り高い点数へと切り替わっています。

処置項目(金パラ使用時) 2月まで(旧点数) 3月1日より適用(新点数)
全部金属冠(大臼歯) 1,338点 1,682点
全部金属冠(小臼歯・前歯) 958点 1,204点
インレー(複雑・大臼歯) 845点 1,062点
レジン前装金属冠(前歯) 1,193点 1,500点
支台築造(メタルコア・大臼歯) 110点 139点

現在、窓口では3割負担の患者様に対して、大臼歯の被せ物1つにつき1,000円前後の増額負担が発生しており、現場スタッフによる連日の説明業務が行われています。

文書名:「特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)の一部改正に伴う特定保険医療材料料(使用歯科材料料)の算定について」の一部改正について

現場を襲う「ダブル改定」の過酷な事務作業

今、歯科現場が最も疲弊している理由は、この「3月からの材料代急騰」への対応だけではありません。目前に迫った4月1日の「令和8年度 診療報酬改定」に向けた準備が、限界まで重なっているためです。

・3月:異例の上げ幅となった金属代の点数変更に合わせたレセコンの設定、および窓口での会計説明の徹底。
・4月:2年に1度の本改定により、初診料・再診料の引き上げや、新設される「物価高騰対応加算」など、医療制度そのものが複雑に書き換わります。

保険点数の具体的な改定項目・点数についてはこちら:https://www.dentwave.com/news_20260216_dw

現在は、3月からの新単価でのレセプト業務をこなしながら、同時に4月からの新体制(スタッフの賃上げ計画策定や、新たな施設基準の届け出など)を同時並行で進めるという、「1年で最も過酷な、戦場のような1ヶ月」といえるでしょう。

まとめ

今回の「4,779円」への価格運用は、既に厚生労働省の公式通知として稼働しています。3月の激変を乗り越えつつ、さらに大規模な制度変更となる4月改定を無事に迎えるためにも、最新の告示内容を指針として、ミスなく算定を進めていきましょう。

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Dentwave

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