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乳酸菌ONRICb0240による歯肉炎症抑制効果を確認―大塚製薬と東京科学大が特定臨床研究を実施

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粘膜免疫の強化から口腔環境へアプローチする背景

近年、口腔内細菌叢と全身疾患の関わりが注目される中、大塚製薬株式会社の栄養科学研究所は、20年以上にわたる「腸管免疫」の研究知見を口腔領域へと応用しています。

その中核となるのが、タイ北部の発酵茶から単離された「乳酸菌 Lactiplantibacillus pentosus ONRICb0240」です。
これまでの研究で、同菌の摂取が唾液中のIgA分泌を促進し、粘膜免疫を強化する可能性が示唆されてきました。
今回、この知見を臨床的に検証するため、東京科学大学(旧 東京医科歯科大学)らとの共同研究により、軽度の歯肉炎症を有する成人を対象とした特定臨床研究が実施されました。
本研究成果は、2026年4月20日付の国際学術誌『Journal of Periodontology』に掲載され、オーラルケアにおける新たなパラダイムとして期待が寄せられています。

BOP%の有意な減少:歯科介入なしでの改善

本研究は、軽度の歯肉炎症(出血等)を認める成人116名を対象とした、無作為化二重盲検並行群間プラセボ対照比較試験です。
特筆すべきは、参加者に対して新たなブラッシング指導などの歯科介入を一切行わず、普段通りの生活を維持した状態で評価を行った点にあります。

乳酸菌ONRICb0240含有食品を1日2回、6週間継続摂取した結果、主要評価項目である歯肉出血率(BOP%)において有意な減少が確認されました。

ONRICb0240摂取群: 開始時の17.6%から6週後には12.3%へと低下。
改善率: プラセボ群との比較において、相対的に約30%の減少に相当する有意な差が認められました。

また、歯科医師による客観評価である歯肉炎指数(GI)についても、群間有意差には至らなかったものの、摂取群内においては開始時と比較して6週後に有意な改善が示されました。

予防歯科における「栄養学的アプローチ」の可能性

今回の研究成果は、従来の物理的なプラークコントロール(プロフェッショナルケアおよびホームケア)に加えて、特定の乳酸菌摂取という「内側からのアプローチ」が歯肉の健康維持に寄与することを示唆しています。

歯肉炎は、適切な介入によって健康な状態へ回復可能な「可逆的」な段階です。
しかし、患者が毎日の徹底したセルフケアを継続することには困難を伴うケースも少なくありません。エビデンスに基づいた食品による粘膜免疫のサポートは、臨床現場において患者のコンプライアンスに依存しすぎない、新たな予防戦略の選択肢となり得るでしょう。

まとめ

本研究により、乳酸菌ONRICb0240の継続摂取が、軽度歯肉炎患者の炎症指標を改善させることが科学的に裏付けられました。
歯科医師としては、従来の処置に加え、免疫学的な視点からのアドバイスを患者教育に取り入れる有益な指標になると言えそうです。

Dentwaveでは、今後も予防歯科の枠組みを広げる最新の学術ニュースや、企業による革新的な研究動向を注視してまいります。

参照

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