8020推進財団フォーラム:宮武元財団理事「今後は“6025運動”を提唱したい」

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12月2日、公益財団法人8020運動推進財団が学術集会「第15回フォーラム8020」を歯科医師会館で開催した。現在の歯科界の大きな運動である“8020運動”の成果・評価は周知が認められており、財団の歴史・役割、現状認識など各専門家から講演が行われた。その中から、宮武光吉氏(元財団理事・元厚労省歯科衛生課長)の特別講演「“8020運動”の30年を振り返り、その将来を展望する」の要旨を紹介する。 まず、財団設立について、「それまでの母子を中心に進められてきた歯科保健医療対策が、生涯を通じた歯の健康づくりを目指すようになった。そして1989年、厚労省健康政策局に“成人歯科保健対策検討委員会”が設置されたことがそもそものスタートである。その年、20年ぶりに国立がんセンター運営部長から歯科衛生課長として着任した私の初めての仕事でもあった。年末に委員会の中間報告がまとめられ、“8020運動”が目標として取り上げられた。委員として現在も活躍している矢澤正人氏、金澤紀子氏などがいた」と経緯、事情を説明した。その結果についても、「1991年には、“歯の衛生週間”の重点目標として“8020運動の推進”が掲げられた。その翌年には、WHOの“口腔保健の最近の進歩”に関する専門家会議で日本の8020運動が紹介され、これも大きな要素であった。一方で、1993年に日本歯科医師会で“8020運動推進検討会”が設置され、本格的な運動への契機になった。これにより、2000年に“財団法人8020推進財団”が設立されたというのが設立までの概要です」と説明した。 こうして8020運動は歯科界の一つの運動として始まったが、その達成度についても評価されている。「歯科疾患実態調査」から判断される達成率は、昭和62年=8.2%、平成5年=10.9%、平成11年=15.3%、平成17年=24.1%、平成23年=38.3%、平成28年=50.2%と推定され、健康日本21の目標値は既に達成されている。また、80~84歳における一人平均現在歯数は、当初は8本であったが、28年には、15.5本であり、著しい数字の変化が出されている。上記の通り、“8020運動”は大きな成果を残したのである。 今後の課題・展望について宮武氏は「8020達成率が50%を超えるに至り、感慨深いものがある。ここまでに至るまでの関係各位の日々の努力と結果と敬意を表したい。これからも8020の目標を継続していくことに努めてほしい。そこで、さらなる目標に向けて、ここで新たに“6025”を目標にすることはどうかと提唱したい。なぜ、“6025”なのかは、ある歯科集団の20年以上の臨床調査の結果から確証を得られてきたからである」と功績を称えると同時に新たな目標を掲げた。 また、そのための母子保健対策に必要なこととして「乳幼児~成人期への保健指導の充実、生涯を通じた生活習慣の改善により、歯科保健の向上を目指していくことが不可欠」と強調した。以上のことに関連して成人期の歯科保健対策にも「今後はこの政策を青年期に前倒して、口腔機能、中でも咀嚼・嚥下機能の維持・改善を目標としたい。そのためにわかりやすい数値化された目標を新たに作成することが急務である」と言及した。 最後に財団の発展と役割について「2017年6月9日に“経済財政運営の改革方針2017”が閣議決定された。その中の“健康増進・予防の推進など”の項で、“口腔の健康は全身の健康にも繋がることから、生涯を通じた歯科健診の充実、入院患者や要介護者に対する口腔機能管理の推進など歯科保健医療の充実に取り組む”と述べられている。このことは、厚生労働省のみならず政府を挙げて取り組む課題であり、今後の具体策が望まれる。その中で“6025運動”は国民運動として、より一層の発展が望まれている。その一翼を担っている“8020推進財団”の役割はますます重要になると予想され、その任務の遂行を願いたい」と期待を寄せた。
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