参院議員選挙・歯系候補者の結果:他医療職種との関係と今後の課題

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7月10日の参院議員選挙の結果は、11日の早朝には明らかになった。関口候補当選、山田候補当選、西村候補落選の結果と同時に、得票数が気になるところでした。関口候補89.9万、山田14.4万、西村3.6万であった。関係者の評価は必ずしも一致していないが、これが、候補者への評価だと認めざるを得ない。元日歯連盟役員、前都歯連盟役員にメールで問いかけると、数名からの返信・コメントがあったので要旨を紹介する。

「関口先生は、事前の報道からして有利な選挙と思っていました。正直、当選すると思っていました。山田先生は、意外でした。もう下位当選かと思っていました。一方で、西村先生は、精一杯の票かなと思わざるを得ない。これ以上のコメントは勘弁。西村先生には“ご苦労様でした”と言うしかない」(前都歯連盟役員)、「政権政党は強いね。連盟の基本的な考え方は理に叶っていることを示したことになる。今回のゴタゴタではないが、その対応方法について、候補者自身・連盟も貴重な経験として次に生かしてほしい。まあ、それが賢い組織の在り方ですよ」(東北地区連盟役員)、「山田先生はどうなのですかね。“官邸直結だから云々”と強調していたが、それは当事者は言うと思うが、そんなに簡単に進まないのが事実ではないか。でも、新しい戦略で可能性を追求するのはいいことだと思う」(九州地区歯科医師会役員)、「山田先生と日歯連盟・都歯連盟の関係は、どう理解したいいのですかね。日歯会員ではないし、いつも歯科関係者と同行して国会活動をしていくことはないはず。定期的な会合を予定して報告・依頼をする関係ですかね」(関東地区歯科医師会役員)などの意見があった。

また、今回の選挙で新たな関心は、医療関係団体からの推薦候補者が当選していることだ。医療関係者として同じ立場にあるが、歯科は意外に交流が十分でないのが周知のこと。実際、この状態が継続していることからの課題を理解。堀憲郎日歯会長も代議員会で「他の医療職種の理解・把握は必要。水面下で情報収集というより、一応、一般情報から得られるものでも理解を深める必要がある」という趣旨の発言している。

今回、医療系組織を支持母体にして、当選したのは次の候補たち。自見英子候補(日本医師会)20.4万票、藤井基之候補(日本薬剤師会)13.6万票、高階恵美子候補(日本看護協会)17.4万票、小川活巳候補(理学療法士協会)12.5万票、宮島喜文候補(臨床検査技師協会)11.8万票。

日歯役員からも、「今までの中には、形式的会合や挨拶だけであったことがあった。これは事実であり、反省すべき点でもある」と強調している。具体的には、今回の自見候補の得票数の評価はどうなのか。日医内部あるいは病院団体からの評価を、日歯・日歯連盟は情報収集をしているのかは不明だが、これも今後に委ねられる事柄かと思われる。

医師、歯科医師、薬剤師以外の、看護師、保健師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士栄養士、介護福祉士、介護支援専門員などまさに今後の医療・介護を担うため連携作業が必要な専門職である。歯科がこうした職種との連携は希薄だったことは事実であり、新しい視点からの歯系議員の国会に送ることの意味を業界としても見出すべきだ。先日開催された『在宅医療会議』の構成員を見れば一目瞭然である。

【全国在宅医療会議構成員名簿】○関係団体(職能)=斉藤訓子・日本看護協会常任理事、佐藤保・日歯副会長、鈴木邦彦・日医常任理事、鷲見(すみ)よしみ・日本介護支援専門員協会会長、中村春基・日本作業療法士協会会長、早坂由美子・日本医療社会福祉協会会長、半田一登・日本理学療法士協会会長、吉田力久・日本薬剤師会常務理事、○関係団体(事業者)蘆野吉和・日本ホスピス在宅ケア研究会理事長、伊藤雅治・全国訪問事業協会会長、苛原実・在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク会長、大澤光司・全国薬剤師・在宅療養支援連絡会会長、太田秀樹・全国在宅療養支援診療所連絡会事務局長、折茂賢一郎・全国老人保健施設協会副会長、佐藤美穂子・日本訪問看護財団常務理事、武久洋三・日本慢性期医療協会会長、西澤寛俊・全日本病院協会会長、原龍馬・全国在宅療養支援歯科診療所連絡会会長、○関係団体(その他)=大島伸一・国立長寿医療センター名誉総長、新田國夫・日本在宅ケアアライアンス議長、○研究機関=五十嵐隆・国立成育医療研究センター理事長、川越雅弘・国立社会保障・人口問題研究所社会保障基盤理論研究部長、辻哲夫・東大高齢社会総合研究機構特任教授、原口真・国立長寿医療センタープライマリー・ケア連合学会副理事長、城谷典保・日本在宅医療学会理事長、平原佐斗司・日本在宅医学会副代表理事、前田佳予子・日本在宅栄養管理学会理事長、○代表理事=山口育子・ささえあい企画戦略局長、○学会=飯島勝矢・日本老年医学会、草場鉄周・日本医療人権センターCOML理事長、○行政=大久保築世・小鹿野町保健課主席保健師、城博俊・横浜市医療局長、山本光昭・兵庫県健康福祉部医監。

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