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9月30日、東京地検特捜部は、政治資金規正法違反容疑で、高木幹正・日本歯科医師会会長、村田嘉信・日本歯科医師連盟前副理事長、堤直文・元日本歯科医師連盟会長の3名が逮捕された。歯科関係者以外の医療関係団体も困惑・当惑しは隠し切れないでいるが、現実には今後の推移を見守るしかない状況になった。公益社団法人日本歯科医師会の会長が逮捕という事態になり、日歯・日歯連盟の役員は昨日、緊急に電話連絡で事実の確認、今後の対応を緊急に検討していくと思われる。 今回のこの時期は、髙木執行部が正式にスタートしてまだ浅いのは事実。執行部発足して、本来であれば役員の披露・紹介、日歯代議員との懇親を通して、本格的始動に入る予定であったが、強制捜査以降の状況を踏まえ基本的に静観・自粛ムードで来ていたことは会員からも一定の理解を得ていた。しかし、今回の逮捕劇によって、自民党、厚労省、文科省、日医、日薬などとの対応・説明が急務になってきている。残念ながら副会長はすべて広島、愛知、栃木が地方が地元であり、常時東京に在住し関係団体と太いパイプが構築されているとは言い難い。専務理事は東京であるが、どこまで対応仕切れるかは未知数。当分は、山科筆頭副会長（広島）、浅野専務理事（東医歯大・東京）、小枝常務理事（東歯大・東京）が中心になって対応していくと思われる。30日は全国各地から懸念の声が行き交い、事件の大きさを物語っていた。オクネットに届いた意見を集約・要旨を紹介する。 ○裁判係争の影響：「大変なことになったが会長は抗弁しているから、これは起訴されれば裁判で争うことになるね。そうするといろいろな事が白日の下に晒され、中には自分の名前が法廷で出てきやしないか戦々恐々としている事情聴取を受けた歯科医師もいるだろうね」 ○来夏参院議員選挙：「もうダメでしょう。特に西日本が冷めているしこれでなおさら意欲が失せているはず。選挙はしませんというか自民党から公認は出ないで、これでアウト。もっと言うと、自民党から“今回は回避してほしい、申請しても公認は出せないから”と示唆されるよ」 ○2016年度診療報酬改定：「中医協で必要な議論はするでしょう。医科歯科連盟、包括ケア構築を目指して云々とするが、だからアップ改定を主張できますか。他の委員も文句はいわなくとも、結果は見えているでしょう」 ○歯科医師国家試験：「今年と同様な上位・下位校の結果ではないか。それでも改革できない歯科界であり、自浄能力がゼロの組織・業界という烙印が再度押される」 ○地域包括ケア等のための他団体との連携：「行政、他の団体、地域住民との関係が問われてくるが基本。ところが今回の事件で、“地域の先生方は関係ないことで、上の偉い人たちがしたこと。気にしないで頑張りましょう”と言われ、信頼はゼロではないが、低下したことは事実。どこまで本気で連携してくれるか微妙」 ○日技・日衛からの視点：「残念ですね。どうしてこうなったのかね。前回を思い出すが、名前は出さないが二人の深刻な対立が根底にあるとされているが、結果がこうだと一つなってほしい」「介護分野からも期待されてきており、業界としても日歯と連携して頑張っていきたいとしたが。それには日歯がしっかりしてほしいですね。静かに見守るしかできません」 ○代議員会での発言と今後の展望：「今回の契機となった発言者に手紙でも送ろうと思った。正義は正義でいいが、組織の展望を踏まえての発言をしないと。正義は大事だが、広い視点がほしかった。本人もここまでになると想像してなかったのではないか。どうなるのか検討もつかない。若い歯科医師の先生がかわいそうだ」 ○マスコミ報道とその波紋：「マスコミ報道はある意味怖いね。これで事件捜査終了宣言なのかは知らないが、マスコミが司法試験漏洩も終わり次のネタ探しい移るが、我々の歯科界は傷を負ったまま。修腹しなくてはならないが、中の人間はわかるが、感情的対立・こじれがあれば、それは止め。前に進まなくてならいのだけど、傷は深いく容易に解決しないかも」 今後はどうなるのか一番の懸念事項だが、後遺症は根深くまだまだ続きそうだ。まずは、暫定で対応していくが、新たに会長選挙を行うことになっても簡単にいきそうもない。混沌とした状況の中で、歯科医師の先生方は臨床に努めなくてはならないようだ。 【高木執行部】会長：高木幹正、副会長：山科透（地域保健・広報・災害時対策）、渡邊正臣（社会保険・器材薬剤・情報管理）、柴田勝（学術・医療管理・厚生会員・未入会対策）、専務理事：浅野正樹（総括）、常務理事：小枝義典（総務）、寺尾隆治（会計）、今里憲弘（厚生会員）、中田裕之（広報）、深井獲博（地域保健・産業保健）、瀬古口精良（医療管理・税務）、小林慶太（学術・生涯研修・国際渉外）、遠藤秀樹（社会保険）、小泉政幸（器材薬剤・情報管理）、理事：西脇孝彦（総務）、池村雄介（会計）、竹内千恵（厚生会員）、中西康裕（広報）、細谷仁憲・佐藤修斎（地域保健・産業保健）、片山繁樹（医療管理・税務）、山崎安仁（学術・生涯研修・国際渉外）、末瀬裕一（社会保険）、重城正敏（器材薬剤・情報管理）。