栃木県鹿沼市が鹿沼歯科医師会に委託:後期高齢者医療歯科健康診査事業を始動

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「健康寿命」を延ばすため市は9月から、栃木県・鹿沼歯科医師会に委託して、76歳になる市民に9項目の歯科健康診査を受けてもらう市の後期高齢者医療歯科健康診査事業を始める。国や後期高齢者医療広域連合が提示する歯牙の状態などの標準3項目に加え、咀嚼能力、舌機能など独自に6項目を加え、総体的に歯と口の状態をチェックする。健康の保持増進を図ることが目的で、自己負担はなく、無料。市によると、9項目の検査を行うのは県内初という。 7月15日、佐藤信市長と鹿沼歯科医師会の佐川徹三会長らが市役所で委託契約の調印をした。検査項目は標準項目となっている(1)歯牙の状態、(2)口腔清掃状態、(3)歯周組織の状況のほか、(4)かみ合わせの状態、(5)咀嚼能力、(6)舌機能、(7)食べ物を飲み下す嚥下機能、(8)口腔乾燥、(9)粘膜の状態を加える。また義歯の状況も調べる。業務委託費は1件につき3240円。 対象者は、前年度75歳になった後期高齢者医療の被保険者。本年度の期間は9月1日から来年2月末までで年度内1回。同医師会に加盟する40歯科医院で個別に健康診査を受ける。市内の対象者は約800人。市は8月中に、現在の歯の状態などに関する20項目の質問票と合わせ、「歯科健康診査受診券」を対象者に郵送する。歯科医は、健診結果を市に提出する。市は2013年に「歯と口腔の健康づくり推進条例」を制定。2014年度からは県内初の取り組みとして市内に住む65歳の人を対象に成人歯科健診事業「歯と口のいきいき健診」を無料で実施、食生活や歯磨きの仕方などを指導している。 なお、摂食・嚥下機能、つまり『食べる機能』には、舌、唇、頬など、様々な器官を複雑に働かせることが必要です。最近は、舌の重要性を指摘する歯科医師が増えてきており、その機能は、食べ物を口に取り込んで噛み砕き、飲み込むまでの動きで、重要な働きを持っている。 (1)捕食:食べ物を認識し口に入れる。この時は、唇と歯を用いる。捕食したものは、舌で受け取り、温度や食べ物の物性を瞬時に感じ取る。(2)咀嚼:口に入れた食べ物が、咀嚼を必要な場合、食べ物を歯で咀嚼する。このとき、舌は食べ物を歯と歯の間に移動させる働きをし、また、歯で食ベ物を噛み砕く時に、舌で食べ物を保持する。何度か咀嚼をすると、粉砕された食べ物が口唇のすきまや舌の上に落ちてくるので、舌はそれらの食べ物を集め、反対側の歯に食べ物を移動させ、再度咀嚼できるように動く。(3)嚥下:食べ物が十分細かくなると、舌は口腔内の食べ物を集めて咽頭に送り込む。咽頭から食道へ食べ物を送り込む際には、舌によって押し出される強い筋力が必要になる。
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