しんぶん赤旗(5月10日)が、大阪で注目されている「大阪都構想・賛成反対」を問う住民投票(5月17日実施)に反対投票するよう、医療3師会が呼びかけている状況を報じた。それによれば、大阪府医師会、大阪府歯科医師会、大阪府薬剤師会の3師会は5月9日、大阪市を廃止し五つの特別区を設置することの是非を問う住民投票(5月17日投票)に対して、「大阪市民の医療、介護、福祉を守る観点から反対する」ことを広く市民に呼びかけるとの「意見表明」を発表したという。さらに、伯井俊明府医師会会長、太田謙司府歯科医師会会長、藤垣哲彦府薬剤師会会長の3氏が大阪市内で記者会見し、「3師会は、投票に向けて各医療機関にポスターを張り出し“反対”を呼びかけていくことにしている」とした。
伯井府医師会会長は、「大阪市の廃止・分割で医療がどのようになるのかを一番心配した。特別区に移行すれば、大阪市より財源が減るわけですから、明らかに医療福祉の住民サービスは減少する。これが問題です。今は大阪市で市民の医療、福祉を決めているが、五つの特別区に分かれたときに格差が生まれることが心配だ」と述べ懸念を表明。
また橋下徹大阪市長の従来の主張“都構想で住民サービスが向上する”と言っていることに対して伯井会長は「今までの経過をみると本当かなと疑念がある。“子ども、子ども”と言いながら、(長年、地元で小児・周産期医療を担ってきた)住吉市民病院を潰してしまうという方向に行っている。期待できない」と回答し信用できないとする認識を示した。
3師会が出した『意見表明』では、大阪市廃止・分割による特別区設置は「極めて厳しくなる、財政状況が考えられる」として「“市民ひとりひとり”に“医療”や“介護”や“福祉”が十分に手当てされるの」か、「地域医療に責任を持つ医療団体として、大阪市民の“生活”“健康”“いのち”を守るために」時間をかけて十分に議論し拙速は避けるべきだとしている。
ただ、各政党でも議論がまとまっているのではなく、大阪都構想関連について、議員挨拶の中で、小池議員は「大阪では、共産党の凱旋カーに、自民党、民主党ほかの議員も乗り込んで、大阪都構想に反対演説しています」と言っていました。また。初鹿議員は、「維新の中でももめており、実際には意見は1つではない。苦しいところを理解してほしい」旨話していました。
なお、大阪歯科保険医協会では、既に機関誌「大阪歯科保険医新聞」(4月15日・1200号)で大阪都構想に反対の立場から「歯科医師アピール」発表。同構想は医療・福祉のサービスが低下することなどから「地域医療の携わる歯科医師として見過ごすわけにはいかない」と主張し賛同者を募った。
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