4月30日、東京地検特捜部が日本歯科医師連盟事務所、連盟会計担当自宅などを強制捜査し、日歯・日歯連盟に衝撃が走ったが、今後に向けて動揺が続いている。5月7日には、臨時緊急常務理事・理事会を招集し、今回の事態への協議することになっている。なお、5月1日には、日歯連盟は都道府県歯科医師連盟宛に、次のような「政治資金規正法違反の嫌疑について」という文書を送付した。要旨は以下のとおり。
『本年1月23日(金)開催の第123回臨時評議員会での質疑に端を発した本連盟の政治資金運用に係る一連の報道による問題提起を受け、本連盟では、よりコンプライアンスに則った適切な運営を行うべく、アドバイサリーボード(日歯連盟顧問弁護団)の指導を受けながら、鋭意対応を図ってきたところであります。しかしながら昨日、4月30日(木)に政治資金規正法違反の疑いで、東京地検特捜部の家宅捜査を受けるに至りました。今後、捜査当局の早期解明・解決に向け協力しつつ、上記アドバイサリーボードとも相談しながら、適切に対処してまいりたいと考えております。各位におかれましては、このような事態となり多大なご心配とご迷惑をおかけすることになりましたことを心より深くお詫びし、ここに取り急ぎ、ご報告申し上げます』。
政治団体間の寄付上限額制限規定は、平成2004年に発覚した日歯連による自民党派閥への1億円ヤミ献金事件を機に制定されたもの。この規定を日歯連盟が違反行為容疑で招いた強制捜査に対して元日歯連盟役員は、「日歯は法律遵守の意識が希薄だと見られて止む得ない。また、今回(2013年)ほか、以前の2010年にも同様な献金行為を行い、繰り返し行なわれているのが常態化していると特捜部は判断しているはず。やはり厳しい状況は否定できない」と厳しいコメントを出している。
ゴールデンウィーク中、「16時間以上にわたる捜索しての資料押収は意外な感じ。それほど何かあるのか不明で、会計担当者以外に誰が特捜の対象になっているか見当がつかない」(5月3日:社会部司法クラブ記者)、「今回の迂回献金を雑誌で扱うか検討中。ただ、大物議員が絡んでいる可能性は少ないので可能性は低いかも。以前は記者として取材したが、日歯連盟は反省し再スタートしたと思っていたが、今回、こうして強制捜査が入るというのは、嘱託の弁護士がいるのですが、なぜなのか体質なのですかね。取材記者から聞くと、裏にいる大物歯科医師の対立の構図が水面下にあり、その対立は意外と深いのではないか。以前から聞いていた」(5月4日:元司法クラブ記者・現雑誌編集者)などと述べており、日歯連盟の内部体質に疑問を呈していた。
地方支局の記者の協力を得て、連盟関係者、日歯会長選挙における髙木・太田陣営の推薦人に名を連ねた人への取材を重ねている。
政治資金に詳しい神戸学院大学法科大学院の上脇博之教授(憲法学)は「(通常は考えにくい)民主党議員の団体が自民党議員の団体へ寄付するなどの状況からすれば、違法献金の可能性がある」とマスコミの取材に応じて話している。
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