第2回 ホワイトニングに新しい動き!

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 ホワイトニングは世界的なブームであるにもかかわらず、日本では諸外国の普及と比較すると、まだまだこれからという感が強い。もともと松風社のハイライトはオフィスホワイトニング用として日本では使用できず、1991年から米国での使用が先行し、大人気となった製品である。そして、米国においてはホームホワイトニングも実用化され、爆発的なホワイトニングの普及につながり、その勢いは諸外国にまで影響を及ぼすにいたった。    ハイライトは、日本で臨床治験が行われて承認され、販売されたのが1998年である。米国での長年の臨床使用の実績があり、安全性に関しても問題がないことがわかっていたにもかかわらず、日本での申請に際しては臨床治験が必要とされたのは、当時の承認制度では当然のことかもしれない。このころ外国企業の人たちからは、外国製品に対しての日本の承認の厚い壁をさして、「ショーニン」という言葉を聴いたこともある。    近年医療用具の承認のプロセスも改善が進み、われわれに関連の強い歯科器材の承認の審査は以前よりもかなり迅速化されたのは喜ばしい限りである。ホームホワイトニングに関してもナイトホワイトエクセルが治験を行って承認されて以降、昨年同様の成分のシェードアップが発売され、3月にはウルトラデント社の製品が承認されたとのことである。同様の成分であるとはいえ、治験なしで承認されたことについては、関係されている方々に敬意を表したい。ホワイトニングでは米国でも定評のあるウルトラデント社の参入で、日本のホワイトニング事情も活性化されることを期待する次第である。    それでもいまだ日本の承認申請に関してはさまざまな改善点も残されている。 例えば、GC社のホワイトニング材料、TIONが日本に先駆けて米国で販売され注目を集めている。酸化チタンを利用した新技術であるために、日本での承認には時間を要するものと思われる。さらに、4月から販売されるという「クリアフィルメガボンドFA」という、抗菌性レジンを応用した接着材も同様である。クラレメディカル社と大阪大学の今里先生とが中心となり長年研究を行ってこられた、二次う蝕の減少を目指した材料である(ヒョーロン4月号に関連記事)。この製品は2004年には欧米で承認され、Clearfil Protect Bondの名で使用されている。日本の優れた技術が生み出した製品であるにもかかわらず、先に外国の人々の健康に貢献しているということを国民にはどのように説明すればよいだろうか。時には首を傾げたくなるような多くのデータ収集や長期の審査期間は、製品の値段に反映されて、結果的に患者の不利益につながりかねない。    安全の確保は当然であるが、慎重でありすぎる、ともすれば臆病でありすぎては、新しい優れた医療用具や療法の普及ができず、国民の利益を損なうことにつながるだけでなく、関連企業の発展の阻害、学会活動の停滞を招くことになる。日本の歯科器材メーカーの開発力は世界一であり、歯科材料学も世界をリードすべき立場にある。日本の人々の役に立ち、日本の発展にも貢献できるような歯科界であるためにも、新開発の歯科器材が国産品も輸入品も含めて、迅速に使用できる環境が整備されることを切に願うものである。産業、学会、行政が一丸となり対処して行くためにも、臨床家諸兄の後押しをお願いしたい。  

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