第5回 感謝する、と言うこと・2

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先月に引き続き、感謝の話。 人は心から感謝すれば必ずそれを形に表す、と以前出席したセミナーで言われたことがあります。感謝の心を形で表す、と言うと、“言葉で伝える”“物を送る”“態度で示す”の3つが思い浮かびます。もちろん、感謝した内容や対象によるのでしょうが。   “感謝”“感謝”と連呼すると、まるで感謝することが善で感謝しなければ悪のような誤解を生じさせてしまうかもしれませんが、本当の意味での感謝、は何の駆け引きも意識も働かないものだと思っています。感謝する閾値は人それぞれでしょうけれど。私はできるだけ感謝の閾値を広げておきたいと、先月の出来事を通して実感しました。 感謝を形で表すとき、一番難しいのは“態度で示す”ことかな、と思います。言葉や物は表面化させやすく、相手にも伝えやすい、伝わりやすい、から。感謝を示す態度は決まっていません。相手にもわかりにくいかも知れません。感謝を伝えるために何をしたら良いか、様々な発想があるでしょう。    私には到底思いもつかないことをやってのけている方に出会いました。マーク・ギブンスさん。オーストラリアの看護師さんです。オーストラリアと言えばコアラ。コアラと言えばオーストラリア。そんなオーストラリアへの帰国を前に、マークさんは日本人に感謝の気持ちを伝えたい一心で、日本縦断を決意され、行動に移しました。 何故日本縦断なのか?はマークさんのいでたちを見れば一目瞭然。“禁煙は愛”と360度どこから見てもわかるお遍路さん姿で、禁煙を訴えて回る全国行脚なのです。看護師さんであるマークさんは、タバコによる被害に苦しむ沢山の方を目にしてこられたそうです。私たちには想像もできない臨床の現実がそこにはあったのでしょう。 禁煙を訴えるマークさんのまなざしは真剣そのもの。沢山の恩を受けた日本で、少しでも多くの日本人に感謝の気持ちを伝えたいと、行動に出たのです。春日部に到着する6月1日。私は2時間弱マークさんとともに歩ませていただきました。沿道をただただ歩くことがどれだけ禁煙のアピールになるのか、正直疑問もありました。マークさんは、決して有名人、と言うわけではありません。2○時間テレビのようにメディアがついてサポートしてくれるわけでもありません。感謝を態度で示す、とは言っても、マークさんの行動が自分達への感謝として行なわれていると気づいた方はどれだけでしょう。 私自身、禁煙を訴えて歩いている彼の行動信念が感謝だとは、伺って初めて知りました。それでも彼の目は常に前を見据えて、迷いはありません。炎天下の中、雨の中、日本人への感謝の気持ちを込めて、彼は歩き続けているのです。    歯科衛生士として診療室で禁煙をお勧めするとき、支援するとき、私の心の中に感謝の気持ちがどれだけあったでしょうか。もちろん全ての患者さんのこれからのために、心から禁煙をお勧めし、支援し、成功を喜んでいますが、それは言葉であり、ニコチンパッチのような“モノ”であり、禁煙達成そのものが目標であります。 マークさんに出会えた事で、私の中には禁煙への新たな想いが生まれました。歯科衛生士になって皆さんに関わらせていただいて丸6年。歯科衛生士の卵の卵だった私を、ここまで育てて下さった院長と患者さん。私の知る限り誰よりも禁煙に熱い院長。私に沢山の気づきと喜びを与えて下さった患者さん。私が禁煙を働きかけることは、そんな皆さんへの恩返しになるに違いない。そう思えたら何だかわくわくしてきました。    マークさんとの禁煙ウォーキング。足の裏に豆ができたことで2時間弱でのリタイアになりましたが、そこから得たものは私の中での大きな財産になりそうです。 マークさん、本当にありがとうございました。  

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